Blog

2026.10.07

製函機・封函機の選定|タイ工場のRFPと受入試験

製函機・封函機の選定|タイ工場のRFPと受入試験

「ライン末端では、平たい段ボールを人が組み立てて、OPPテープで底と天を封じている。人が集まらないし、腰を痛める人も出る。封が曲がって物流からクレームが来たこともある」。タイの日系工場の生産技術課長や工場長の方から、こうした相談をよく受けます。そこで検討に上がるのが、製函機と封函機の選定です。

先に結論を書きます。製函機・封函機の成否を決めるのは、カタログの公称速度ではありません。「自社の段ボール(寸法の種類、品質、湿気)で、止まらずに直角の箱を作り続けられるか」と、「下流の箱詰め・ウェイトチェッカー・ラベル・パレタイザとの受け渡し」で決まります。 選定で決める順番は、①箱の棚卸し、②封緘方式、③段ボールの品質と保管、④前後工程とのつなぎ、⑤安全と保守、の5つです。

なお、本記事に登場する人員数・人件費・初期費用・年間費用・回収年数は、すべて後述のモデル工場を前提にした本記事オリジナルの試算値・仮置き値です。業界平均でも調査値でもなく、メーカーの価格でもありません。自社の実測値と見積もりに差し替えて使う「計算の型」として読んでください。

なぜ今、タイ工場で製函機・封函機の選定が問われるのか

人が集まらない工程から先に止まる

ライン末端の箱作りと封函は、単純作業に見えて、実は人の確保が難しい工程です。立ったまま、平たい段ボールを起こし、底のフラップを折り、テープを引き、箱を持ち上げて次へ送る。これを1シフト中ずっと繰り返します。前かがみの姿勢と、箱を持ち上げる動作が多く、腰を痛めやすい作業です。人が辞めると、その日のラインは箱が足りなくなって止まります。上流の充填や包装がどれだけ速くても、最後の箱が間に合わなければ出荷できません。

最低賃金は「地域で違う」ことを前提にする

タイの最低賃金は、本稿執筆時点で確認できた告示である賃金委員会告示第14号(2025年7月1日施行)で、地域ごとに決まっています。日額400バーツが適用されるのは、バンコク、チャチューンサオ、チョンブリー、プーケット、ラヨーン、スラートターニー県サムイ郡などです。日系工場の多い地域で見ると、サムットプラーカーン、ノンタブリー、パトゥムターニー、サムットサーコーン、ナコーンパトムが372バーツ、アユタヤ、サラブリー、プラーチーンブリー、コーンケンなどが357バーツです。東部臨海の工業団地が集まるチョンブリーやラヨーンは、最も高い400バーツの区分に入っています。

ただし、自動化の回収を考えるときに使うべき数字は最低賃金そのものではありません。社会保険、手当、賞与、残業、採用と教育の費用を含めた「1人あたりの年間の実額」です。後の試算でも、最低賃金ではなく仮置きの年間人件費を使います。

封の品質は物流クレームに直結する

手作業の封函では、テープの位置が左右にずれたり、しわが寄ったり、テープの端が短くて剥がれたりします。箱の側面が直角になっていないと、パレットに積んだときに角がそろわず、荷崩れや箱のつぶれの原因になります。製函機メーカーのLantechは、自社の資料で「側面がそろっていない箱は積み重ね強度の30%を失う」と記載していますが、根拠となる研究は示されていません。数値はメーカーの主張として受け止め、「直角の箱が積みと後工程に効く」という考え方だけを持ち帰るのが妥当です。

製函機・封函機とは:仕組みと方式の全体像

製函機・封函機の選定|タイ工場のRFPと受入試験 - figure 1

上の図は、ライン末端の流れを左から右へ示したものです。平たい段ボールのブランクが製函機に入り、マガジンから1枚ずつ引き出され、箱形に起こされ、底フラップを折られ、底を封緘されます。できた箱は箱詰め工程で製品を入れられ、封函機で天を封緘され、ウェイトチェッカーとラベル貼付を経て、パレタイザでパレットに積まれます。製函機は「空の箱を作る機械」、封函機は「中身の入った箱を閉じる機械」です。両方の機能を1台にまとめた機種や、箱詰めまで含めた一体型のシステムもあります。

一番多い箱:FEFCO 0201(RSC、みぞ切り箱)

ライン末端で使う段ボール箱の多くは、FEFCO 0201、英語でRSC(Regular Slotted Container)と呼ばれる形式です。Fibre Box Associationの資料によると、RSCはすべてのフラップが同じ長さで、外フラップ(通常は長辺側)が箱幅の半分の長さのため、折ると箱の中央で突き合わさります。製造時の端材が少なく、最も一般的な箱形式とされています。

FEFCOコードは、欧州段ボール工業会(FEFCO)と欧州の板紙関連団体(ESBO)が作った、段ボール箱の形を記号で表す国際的な体系です。コード集には、この記号を発注書や仕様書に使えると書かれています。02で始まるコードは「みぞ切り形」の箱で、平たい状態で納品され、フラップで閉じて使います。

製函機の選定でFEFCOコードが役に立つ理由は2つあります。1つ目は、ベンダーとの会話で箱の形をあいまいにしないためです。「普通の段ボール箱」ではなく「FEFCO 0201」と書けば、相手が海外メーカーでも同じ形を思い浮かべられます。2つ目は、寸法の書き方が決まっていることです。FEFCOのコード集では、特に指定がない限り寸法は内寸(mm)で、長さ(L)×幅(B)×高さ(H)の順に書きます。Lは開口部の長い辺、Bは短い辺、Hは開口部の上端から底までです。一方、装置メーカーの中には、対応できる箱の範囲を外寸で示している例もあります。RFPでは「内寸か外寸か」を必ず明記させてください。

コード集には、箱の形ごとに、通常は手作業で組み立てる「M」、通常は自動で組み立てる「A」、どちらでもよい「M/A」、両方の組み合わせが必要な「M+A」という表示もあります。現行の慣行に基づく参考情報という位置づけです。自社の箱の形を一覧にするときに、この表示を確認しておくと、自動化しやすい箱かどうかの見当がつきます。

封緘の方法は4種類ある

FEFCOのコード集は、封緘の方法として、糊(冷間またはホットメルト)、テープ、差し込み(インターロック)、ステッチ(金属の針)を挙げ、単独または組み合わせで使うとしています。そして「正しく確実な封緘は、箱の構造そのものと同じくらい重要」と書いています。製函機・封函機で一般的なのは、テープとホットメルトです。

自動製函機はどう動くか

自動製函機の動き方は、メーカーごとに細部は違いますが、基本の流れは共通です。Combi Packaging Systemsの2005年のブローシャでは、平たいケースブランクがマガジン内に縦置きされ、真空カップで1枚ずつ取り出され、スクエアリングアームで箱形に開かれ、後ろの内フラップを90度折ったあと、2本のベルトで送られてテープヘッドを通り、2インチ幅の感圧テープで底を封じる、と説明されています。

Lantechのリーフレット(2016年改訂版)では、ピックアップフレームがマガジンから箱を引き出して直角に開き、箱を止めたままフラップを折って直角を固定し、後ろの壁と平行なプッシャーバーで、幅のばらつきを吸収するばね式のサイドベルトへ送る、と説明しています。8個の真空吸盤でブランクを保持する構造です。同じ資料には「薄い段ボール、温度と湿度の変化、ケースブランクのばらつきが、箱が直角にならない原因や機械の詰まりの原因になる」とも書かれています。メーカー自身が、段ボールの状態が機械の安定性を左右すると認めているわけです。この点は後の段ボール品質の節と、受入試験の設計に直結します。

製函機の選定ポイント:箱の種類、マガジン、成形方式、速度の見方

まず箱の棚卸し:サイズ数と切替頻度で機種の型が決まる

製函機の選定は、機種のカタログを集めることから始めてはいけません。最初にやるのは、全SKUで使っている箱の棚卸しです。箱ごとに、FEFCOコード、内寸(L×B×H)、段の種類(フルート)、シングルかダブルか、段ボールの購入先、月間の使用数、どのラインで使うか、を一覧にします。

この一覧から、2つのことがわかります。1つ目は、1台の製函機で何種類の箱を扱う必要があるかです。たとえば、あるラインでは2種類の箱しか使わないのに、別のラインでは8種類を日替わりで使っている、ということがよくあります。2つ目は、サイズ切替の頻度です。1日に何回切り替えるかで、工具不要の手動切替で足りるのか、自動切替が要るのかが変わります。

対応範囲の確認:箱の形、フルート、寸法

製函機が扱える箱には範囲があります。たとえばLantechのC-300は、2016年改訂版のリーフレットで対応する箱形式をRSCとHSC(FEFCO 0201と0200)、フルートをB・C・E、シングルウォールとダブルウォールとしており、外寸の範囲を最小200×150×150mmから最大500×350×600mmとしています。自社の一覧の中に、この範囲から外れる箱が1種類でもあれば、その箱は手作業で残るか、別の機種が必要になります。「ほとんどの箱は入る」は、「一部の箱は手作業のまま残る」と同じ意味です。

マガジン容量と補充の手間

製函機には、平たいブランクを積んでおくマガジンがあります。メーカー公称で、LantechのC-1000はマガジン約200枚、Siat(Maillisグループ)のF44・F144・F344はマガジン150枚とされています。マガジンの枚数と製函の速度から、何分ごとに人が補充に来る必要があるかが決まります。補充の間隔が短いと、結局そのそばに人を張り付けることになります。補充の作業姿勢(ブランクの束をどの高さまで持ち上げるか)も、腰痛の対策として確認する価値があります。

速度は「メーカー公称」と機種名をセットで見る

製函機の速度は、ケース毎分(CPM)で示されるのが一般的です。主な機種のメーカー公称値を並べると次のとおりです。いずれもメーカー自身の資料の値で、第三者の検証値ではなく、自社の箱で同じ速度が出ることを意味しません。

メーカー・機種種類メーカー公称の速度補足(メーカー資料の記載)
Wexxar WF20製函機最大20ケース/分テープかホットメルトを選択可、工具不要のサイズ替え7分
Wexxar WF30製函機最大30ケース/分テープかホットメルト、オプションで自動サイズ替え
Lantech C-1000製函機最大30ケース/分まで構成可能(標準10ケース/分)テープまたはホットメルト、マガジン約200枚
Lantech C-300製函機最大10ケース/分テープのみ(ホットメルト不可)
Siat F44/F144/F344製函機最大480/700/1,100箱/時(箱寸法により変動)底をテープ封緘、50mm幅のテープユニット
共和 F177製函機最大20ケース/分OPPテープ・クラフトテープ、テープ幅36〜50mm

Siatの値は時間あたりで示されています。単純に60で割って毎分に換算すると、F44は8箱/分、F144は約11.7箱/分、F344は約18.3箱/分です(本記事での単純換算です)。

ここで大事なのは、この速度で機種を選ばないことです。理由は3つあります。1つ目は、公称速度は「最大」であり、箱の寸法や段ボールの状態で変わることです。Siatはカタログ上で明確に「箱寸法により変動」と書いています。2つ目は、ライン全体の能力は一番遅い工程で決まることです。製函機が毎分20箱作れても、下流の箱詰めが毎分8箱なら、ラインは毎分8箱です。3つ目は、止まる回数のほうが能力に効くことです。毎分10箱の機械が1時間に1回止まって5分復旧にかかるなら、その1時間の実際の生産数は550箱ほどになり、計算上の600箱から1割近く落ちます。

製函機の必要能力は、「下流の最大能力に、再起動直後の追い上げ分の余裕を少し足した値」として決め、受入試験で「自社の段ボールで、1,000箱あたり何回止まるか」を確かめる、という順番で考えるのが現実的です。参考までに、Lantechは製品ページで「手作業の製函は平均的なオペレーターで約3ケース/分」と記載していますが、根拠データは示されていません。装置メーカーの目安として読み、人員削減の計算には自社の実測値を使ってください。

成形方式:吸着と機械式の箱開き

箱を開く方式にも違いがあります。多くの機種は真空吸盤でブランクを引き出して開きますが、WexxarのWF20・WF30は「Pin & Dome」という機械式の箱開き方式を採っているとメーカーが説明しています。どの方式が自社の段ボールに合うかは、カタログ上では判断できません。受入試験で、自社の箱を複数ロット流して確かめるしかありません。

封函機の比較:ランダム型とユニフォーム型、駆動方式、テープ幅、テープとホットメルト

ランダム型とユニフォーム型

封函機には大きく2つの型があります。包装機メーカーEasteyの技術記事によると、ユニフォーム型(固定サイズ型)は「同じ箱サイズで生産する運用」に一般的で、ランダム型は「1回の生産の中で箱サイズが変わるライン」に向いています。ランダム型は、流れてきた箱の高さと幅に機械が自動で合わせます。

選び方は、先ほどの箱の棚卸しで決まります。1本のラインで1種類の箱を長時間流すなら、ユニフォーム型で足ります。複数のラインの箱が合流してくる場所や、同じラインで寸法の違う箱が混ざる場所なら、ランダム型が候補になります。ただし、ランダム型は箱の寸法を毎回測って合わせる分、機構が増えます。「念のためランダム型」ではなく、本当に混ざるかどうかを一覧で確かめてから決めてください。

駆動方式:ボトムベルト、サイドベルト、トップ&ボトムベルト

箱を送るベルトの位置にも種類があります。同じ技術記事によると、ボトムベルトは中身が箱を支える充填済みの箱に向き、サイドベルトは大きい箱、軽い箱、すき間の多い箱で有利で、上下に計4本のベルトを持つトップ&ボトムベルトは背が高く細い、重めの箱に向くとされています。中身が軽くて箱の天面がへこみやすい製品と、重くて底が下がる製品では、合う方式が違います。

封函機のメーカー公称値

封函機の速度も、メーカー公称値として見ます。3M-Maticの800rは、箱の高さと幅に自動で合わせるセミオートのランダム型封函機で、上下同時封緘で最大20ケース/分(2015年のデータシートの記載。メーカーは「代表値であり仕様の目的に使わないこと」と注記しています)。シライのIL-703自動封函機は、メーカー公称で最高25ケース/分、テープ幅38〜50mm(オプションで60〜75mm)です。

テープ幅

テープ幅は、主要機種では2インチ(約48mm)前後が標準で、より広い幅をオプションとする構成が複数のメーカーで見られます。3M-Maticは800rが2インチ幅、800r3が3インチ幅のテープヘッドを標準としており、Combiの2005年のブローシャは3インチと6インチのテープヘッドをオプションとして挙げ、Siatの製函機は50mm幅のテープユニットです。重い箱や大きい箱では広いテープが必要になることがあるため、箱の重量と寸法の一覧と合わせて決めます。

テープとホットメルト:どちらの主張もベンダーのもの

封緘をテープにするかホットメルトにするかは、よく議論になります。ただし、公開されている比較の多くは、どちらかの装置や材料を売るメーカーの主張です。両方を並べます。

観点ホットメルト側の主張テープ側の主張
材料費Graco:ホットメルト材料はテープより通常50〜75%安い(ただし装置の導入費は高い)-
交換・停止ITW Dynatec:テープロール交換の持ち上げ作業が不要。Graco:テープは1,200〜2,000フィートごとに手で交換し、停止が出る-
箱の剛性・開封痕ITW Dynatec:全フラップに接着して箱の剛性が上がり、開封の痕が残りやすい-
安全・教育-Graco:テープはオペレーターの安全リスクが最小。ホットメルトは安全リスクがあり、教育の時間が必要
封の範囲-Graco:テープはフラップの継ぎ目を外部環境から完全に封じられる
運用費・向くラインITW Dynatec:長期の運用費が低いGraco:箱サイズが変わる少量のラインに有利

ITW Dynatecはホットメルト装置のメーカーで、Gracoは接着剤の供給装置のメーカーですが、Gracoの資料は両方の利点を書いています。Lantechも、ホットメルトとテープを比べる計算機を公開しており、結果として回収期間を表示しますが、前提となるケース数や単価はページ上で開示されていません。

結局どちらがよいかは、自社の条件で決まります。材料費と停止の減少で選ぶならホットメルトに分があるという主張が多く、安全と教育の手間、サイズの多さ、物流先や顧客の封緘の指定を重く見るならテープが選ばれやすい、という構図です。顧客や物流会社が封緘方法を指定していることもあるので、まずその指定を確認し、そこから逆算してください。なお、Siatは2026年3月に、8リットルのホットメルト装置を内蔵したホットメルト封緘の新機種「EZ-Box Glue」を発表しています(発表文に速度の数値はありません)。ホットメルト対応機の選択肢は今も増えています。

段ボール品質と湿気:ECT・BCT・反り・保管

製函機・封函機の選定|タイ工場のRFPと受入試験 - figure 2

上の図は、段ボールの受入から製函機への払い出しまでの管理フローを示したものです。段ボールが工場に届いたら受入検査を行い、決められた保管場所で先入れ先出しで保管し、使う分だけをラインへ払い出します。高湿度の時期には、保管場所と保管期間に特に注意します。図に数値は入れていません。管理の順番を示すための図です。

ECTとBCT:何を測る試験か

段ボールの強度には、よく使われる2つの指標があります。試験機メーカーZwickRoellの解説によると、箱そのものを上から押しつぶす箱圧縮試験(BCT)はISO 12048とTAPPI T804で、段ボールの材料自体の強度を見るエッジクラッシュ試験(ECT)はISO 3037とTAPPI T811で定められています。ISO 12048は圧縮試験と積み重ね試験の両方の形式を定めており、TAPPI T804は圧縮試験だけを定めていて、主に北米で使われています。箱の圧縮試験としては、ASTMのD642(現行版はD642-25)もあり、ASTMはこれがISO 12048の要件を満たすと記載しています。

RFPや段ボールの購買仕様で強度を指定するときは、どの試験規格の値なのかを必ず併記してください。規格が違うと、同じ名前の値でも比べられません。

湿度が上がると段ボールは弱くなる

段ボールは紙なので、湿気を吸うと柔らかくなります。ジョージア工科大学の研究所(Renewable Bioproducts Institute)のRoman E. Popil博士の技術ノート(2018年4月、2019年5月更新)は、未晒クラフトライナーの含水率と圧縮強度の関係から、「相対湿度が10ポイント変わると、圧縮強度(SCT)はおよそ10%変わり、したがってECTとBCTもおよそ10%変わる」という一次近似を示しています。同じノートは、Fibre Box Associationが公表しているBCTの損失係数の表では相対湿度80%でBCTの損失が32%、博士の式では約27%で、両者はおおむね整合するとしています。ただし、多層の段ボールへの一般化には実験での確認が必要で、新しい添加剤で関係が変わり得る、とも明記しています。

タイの気象局の平年値(1991〜2020年)では、バンコクの観測所の相対湿度は年平均73%で、月平均が最も高いのは9月の79%、最も低いのは12月の66%です。日最高湿度の平均は年87%、9月は92%です。

ここで注意したいのは、この2つを掛け合わせて「タイの工場では段ボールが何%弱くなる」と断定できるわけではない、ということです。技術ノートは米国の材料を前提にした一次近似で、工場の倉庫の湿度は屋外の湿度とも違います。言えるのは、「バンコクは年間を通じて湿度が高く、雨季はさらに高い。湿度が上がると段ボールは弱くなる方向に動く。だから、高湿度期の段ボールで製函機が止まらないかを受入試験で確かめるべきだ」という程度までです。

反りとブランクのばらつき

製函機にとって困るのは、強度の低下だけではありません。湿気を吸った段ボールは反りやすくなり、マガジンから1枚ずつ引き出すときに2枚取りや取り損ないが起きます。罫線(折り目)の入り方が箱ごとにばらつくと、フラップが決まった角度で折れず、直角が出ません。Lantechのリーフレットが挙げていた「薄い段ボール、温度と湿度の変化、ブランクのばらつき」は、まさにこの現象です。

保管と払い出しのルールを先に決める

対策は、機械側ではなく運用側から始めます。段ボールの受入時に、購買仕様(ECTなどの強度、寸法、反り)どおりかを確認する。倉庫では床に直置きせず、先入れ先出しで、長く置きすぎない。ラインへの払い出しは使う分だけにして、ラインの横に何日分も積んでおかない。高湿度期には保管期間を短くする。こうしたルールを、製函機を入れる前に決めておくと、受入試験の結果も安定します。

前後工程とのつなぎ:箱詰め・ウェイトチェッカー・ラベル・パレタイザとの受け渡し

製函機と封函機は、単独で動く機械ではありません。製函機と封函機の間に箱詰めが入り、封函機の下流にウェイトチェッカー、ラベル貼付機、パレタイザがつながります。ライン末端の自動化でよく止まるのは、機械そのものではなく、機械と機械の間です。この考え方は箱詰め自動化ロボットの記事や、梱包ライン自動化の記事でも詳しく扱っています。

製函機から箱詰めへ

製函機で作った空の箱は、コンベヤで箱詰めの位置へ送られます。ここで決めることは、箱をいくつためておくか(バッファ)、箱の向きと位置をどう決めるか、箱詰めが人なのかロボットなのか、です。ロボットで箱詰めする場合は、箱の位置と直角のばらつきがそのまま詰め損ないにつながります。合流や滞留の設計はコンベヤ設計の記事が参考になります。

封函機から検査・ラベル・パレタイザへ

封函後の箱は、重量を確かめるウェイトチェッカー、箱にラベルを貼るラベル貼付機を通り、パレタイザでパレットに積まれます。封のテープがはみ出していたり、箱がゆがんでいたりすると、ラベルの貼り位置がずれたり、パレタイザのハンドがうまくつかめなかったりします。各機器の選定は、ウェイトチェッカーの選定、自動ラベル貼付機の選定、パレタイザ選定の各記事で整理しています。

下流が詰まったとき、箱がなくなったときの動き

つなぎの設計で一番大事なのは、異常のときの動きです。下流が詰まったら製函機はどこで止まるのか。止まったときに機械の中で途中まで成形された箱はどうなるのか。マガジンが空になったら、どこに知らせて、補充後にどう再開するのか。これらを信号(PLCの入出力や通信)の仕様として決め、RFPに書きます。決めずに発注すると、据付後に「止まったら毎回、途中の箱を人が取り除いてリセットする」運用になり、そのために人を残すことになります。

費用とROI:モデル試算で見る段階導入

製函機・封函機の選定|タイ工場のRFPと受入試験 - figure 3

上の図は、後で説明するモデル工場Pの3つのケースについて、回収年数を横棒で比べたものです。封函機のみ(S)は約1.8年、製函機と封函機の両方で8人を実際に減らせた場合(F1)は約3.9年、同じ投資で4人しか減らせなかった場合(F2)は約9.2年です。

ここからの数値は、すべて本記事オリジナルの試算値・仮置き値です。業界平均でも調査値でもメーカー価格でもありません。

共通の前提(モデル工場P)

  • タイ東部(チョンブリー県)の日系の食品・日用品工場。ライン末端の箱作りと封函を手作業で行う包装ラインが2本あり、2交替で動いている
  • 現状の人員は、1ライン1シフトあたり製函2人と封函1人の3人。2ライン×2シフト×3人で12人
  • 人件費は、1人あたり年THB 180,000と仮に置く。最低賃金に社会保険・手当・賞与などを加えた仮置きの値で、最低賃金そのものではない

比べる方式は2つです。

  • 方式S(封函機だけを自動化し、製函は手作業のまま):封函の人が不要になり、2ライン×2シフト×1人で4人を減らす。初期費用はTHB 1,200,000(2ライン分、据付とコンベヤ改造を含む仮定)、年間費用はTHB 60,000(保守と消耗部品)
  • 方式F(製函機と封函機の両方を自動化):12人のうち、補充と監視のために1ライン1シフト1人(計4人)を残し、8人を減らす。初期費用はTHB 4,800,000(2ライン分、ガード・据付・信号接続を含む仮定)、年間費用はTHB 200,000

方式Fには、もう1つのケースを置きます。サイズ切替や箱詰まりへの対応に人が必要になり、実際には4人しか減らせなかった場合(F2)です。

計算

年間ネットは「年間効果-年間費用」、回収年数は「初期費用÷年間ネット」で計算します。

ケース年間効果(THB)年間費用(THB)年間ネット(THB)回収年数
S 封函機のみ(4人を削減)4×180,000=720,00060,000660,0001,200,000÷660,000=約1.8年
F1 製函機+封函機(8人を実際に削減)8×180,000=1,440,000200,0001,240,0004,800,000÷1,240,000=約3.9年
F2 製函機+封函機(4人しか削減できず)4×180,000=720,000200,000520,0004,800,000÷520,000=約9.2年

読みどころ1:製函の自動化の「追加分」だけを見る

方式Sから方式Fに広げるときの、追加分だけを取り出して見ます。追加の初期費用は4,800,000-1,200,000=3,600,000です。追加で減らせる人数はF1の8人とSの4人の差で4人、その効果は4×180,000=720,000です。追加の年間費用は200,000-60,000=140,000なので、追加の年間ネットは720,000-140,000=580,000になります。回収年数は3,600,000÷580,000で約6.2年です。

つまり、封函の自動化は早く回収でき、製函の自動化は回収に時間がかかります。そして製函の回収は、「箱の種類が少ないか」「段ボールの品質が安定しているか」「減らした人を本当に他の工程へ回せるか」で大きく変わります。F1とF2の差がそれを示しています。同じ投資で、減らせた人数が8人から4人になるだけで、回収年数は約3.9年から約9.2年に延びます。

読みどころ2:二重計上をしない

F1とF2の値は、Sで減らせる封函の4人をすでに含んでいます。「Sで年660,000、F1で年1,240,000、合わせて年1,900,000」のようにSとFを足してはいけません。方式Fを選べば方式Sは選ばない、という排他の関係です。

また、削減人数は「機械を入れたら不要になるはずの人数」ではなく、「実際に配置転換や不補充ができた人数」で数えます。機械の横に人が立ったままなら、その人の人件費は減っていません。

読みどころ3:入れていない効果がある

この試算には、腰痛や労災の減少、封の品質向上による物流クレームの減少を金額として入れていません。効果がないという意味ではなく、金額にするには別の根拠(自社の労災の記録やクレームの件数と処理費用など)が必要だからです。入れる場合は、根拠を明示して別の行として足してください。

読みどころ4:段階導入が合理的になりやすい

モデル工場Pの数字では、まず封函機を入れ、箱の棚卸しと段ボールの品質管理を整えてから製函機に進む「段階導入」が合理的に見えます。ただし、これはあくまで仮置きの数字での話です。人件費、箱の種類、ラインの本数、交替の数、機械の見積額で、結論はまったく変わります。自社の数字で計算し直してください。

製函機・封函機のRFPに書く12項目

RFP(提案依頼書)は、ベンダーに「何を作ってほしいか」を伝える文書です。製函機・封函機では、次の12項目を最低限入れることを勧めます。専用の機械やライン全体を発注する場合の進め方は、専用機製作の進め方の記事も参考にしてください。

No.項目書く内容の例
1箱の一覧とFEFCOコード全SKUの箱のFEFCOコード、内寸(L×B×H)、フルート、シングル/ダブル、内寸と外寸のどちらで書いたか
2能力と下流能力必要な箱数/分、下流の箱詰め・検査・パレタイザの能力、バッファの量
3封緘方式と材料底と天のそれぞれでテープかホットメルトか、テープの種類と幅、顧客・物流先の指定
4段ボール仕様と支給購買仕様(試験規格つきの強度値)、試験用段ボールの支給方法と数量
5切替時間サイズ切替の目標時間、工具の要否、誰が切り替えるか
6マガジン容量と補充マガジンの枚数、補充の間隔、補充作業の高さと姿勢
7信号・PLC連携上流・下流との信号、詰まり・箱切れ時の停止と再開の動き、通信の方式
8安全・ガード・インターロック適用を求める規格、ガードの形式、インターロック、非常停止、ロックアウトの箇所
9タイ語マニュアルと教育タイ語の取扱説明書、オペレーターと保全員の教育の時間と内容
10消耗部品と現地在庫消耗部品のリスト、交換周期の目安、タイ国内での在庫と納期
11FAT/SAT基準試験項目、合格基準、試験に使う段ボール、記録の様式
12保証と現地サポート保証期間と範囲、現地での駆けつけ体制、遠隔支援の有無

安全の項目で書く規格

安全の項目では、機械の安全の考え方の基本になる規格を挙げておくと、ベンダーとの会話が具体的になります。

  • ISO 12100:2010:機械安全の設計の一般原則で、リスクアセスメントとリスク低減の基本規格
  • ISO 13849-1:2023(第4版):安全機能を担う制御系部分の設計と統合の方法論(ソフトウェアの設計を含む)
  • IEC 60204-1(現行の統合版はEdition 6.1、2021年):機械の電気装置
  • ISO 14119:2024:ガードと連動するインターロック装置の設計と選定の原則。インターロックの無効化を最小にする方策の指針を含む
  • ISO 14120:2015:固定ガードと可動ガードの設計と構造の一般要求(インターロック装置はISO 14119が扱う)
  • EN 415-10:2014:包装機械の一般要求事項。機種別のパートと併用して、特定の機種の要求になる
  • ANSI/PMMI B155.1-2023:米国の包装・加工機械の安全規格。2023年の改訂で、供給者・ユーザー・改造者・中古機の購入者などの責任の明確化、遠隔操作、全身が入る場合の要求などが加わった

欧州の包装機械の機種別の規格については、注意が必要です。グループ包装・二次包装の機械を扱うEN 415-7は、現行の発行版がEN 415-7:2006+A1:2008で、英国規格協会(BSI)では見直し中とされています。改訂版は「Cartoning and case packing machines(カートニング機と箱詰め機)」という題名の案(FprEN 415-7)として審議されています。ただ、製函機がこの規格の適用範囲に明記されているかは、規格本文を見ないと確認できません。RFPでは「関連し得る規格」として挙げ、適用するかどうかはメーカーの適合宣言で確認するのが安全です。なお、EN 415-3は製袋充填シール機などの規格で、製函機の規格ではありません。

安全機能の妥当性確認や、受入時に何を証拠として残すかは、安全PLC導入の記事で詳しく扱っています。

製函機・封函機のFAT/SATで確認すること

FAT(工場出荷前試験)はベンダーの工場で、SAT(現地受入試験)は自社の工場で行う試験です。どちらでも、同じ手順と同じ記録の様式を使うと、結果を比べられます。以下に挙げる指標と目標の例は、本記事での仮置きの例で、規格値ではありません。

試験に使う段ボール

一番大事なのは、試験に使う段ボールです。ベンダーが用意したきれいな段ボールで試験をしても、自社の工場で同じ結果が出る保証はありません。試験には、自社が実際に使うロットの段ボールをベンダーに支給してください。 できれば、複数の段ボールメーカーのもの、保管期間の違うもの、高湿度の時期に保管したものを含めます。そして、FATで使った箱とSATで使った箱のロットを記録に残します。

評価する項目

No.評価項目確認の内容(目標は仮置きの例)
1連続運転と停止回数全SKUの箱サイズで連続運転(例:各サイズ500箱)し、1,000箱あたりの停止回数と成形不良の数を記録する
2箱の直角と寸法対角線の差など、測り方を事前に決めて測る
3封緘の品質テープの貼り位置、左右の端の長さ、しわ。ホットメルトなら接着部をはがしたときの破断の状態
4サイズ切替時間工具の要否を確認し、手順書どおりにタイ人のオペレーターが実施して時間を測る
5マガジン補充補充の間隔、補充作業の姿勢と時間
6異常時の停止と再開下流が詰まったとき、箱切れのときの停止と再開、PLCとの信号のやり取り
7安全ガード、インターロック、非常停止、ロックアウトの箇所、テープの刃の保護
8騒音と圧縮空気騒音のレベルと圧縮空気の消費量
9保守消耗部品のリストと現地の在庫、タイ語のマニュアル

停止回数を「1,000箱あたり」でそろえるのは、試験の箱数が違っても比べられるようにするためです。たとえば各サイズ500箱を流して1回止まったら、1,000箱あたり2回です。

圧縮空気の消費量は、工場のコンプレッサーの余力に関わります。空圧機器の考え方は、エアシリンダー選定の記事も参考になります。

高湿度期の再確認を契約に入れる

SATは、乾季に終わってしまうことがあります。タイの高湿度の影響を確かめるには、稼働後に雨季の再確認を入れる必要があります。たとえば「雨季に1週間、停止回数を記録し、FATとSATの結果と比べる」ことを、契約の中で決めておきます。悪化していた場合に、ベンダーと何を調整するかも事前に話しておくと、もめずに済みます。

タイ・ASEAN固有の論点

1. 高湿度と段ボールの保管

先に書いたとおり、バンコクの相対湿度は年平均73%で、9月は79%です。倉庫からラインへ出す前にどこに置くか、何日まで置いてよいか、先入れ先出しをどう守るか、を決めます。ライン横に段ボールを何日分も積んでおく運用は、湿気を吸う時間を延ばします。

2. 段ボールの調達先が複数ある

段ボールを複数のメーカーから買っている工場では、メーカーごとに罫線の入り方や反りの出方が違うことがあります。手作業では気にならない差でも、製函機は止まります。購買仕様に試験規格つきの強度値と寸法の許容差を書き、受入検査で確かめる。製函機の受入試験には、すべての調達先の段ボールを含める。この2つを組み合わせます。

3. 機械安全の省令(B.E.2564)

タイでは、労働安全衛生環境法に基づく「機械・クレーン・ボイラーに関する安全衛生環境の管理基準を定める省令 B.E.2564(2021年)」が、2021年8月6日に官報に掲載され、掲載から90日後に施行されました。製函機・封函機の導入に関係しそうな点を挙げます。

  • 機械の組立・設置・試験・使用・修理・保守・点検は、製造者の仕様と取扱説明書に従う。仕様書と取扱説明書は、タイ語または労働者が学んで実行できる言語でなければならない
  • 設置・修理・点検の間は表示を掲げ、機械が作動しない仕組みを設け、スイッチに投入禁止の札や表示を掛ける
  • 自動機械は、国際標準に沿った入と切の色表示と、異物がスイッチに当たって起動しないための防護が必要
  • 軸・ベルト・プーリーなどの動力伝達部は、回転部を完全に覆うカバーや格子が必要
  • 機械の作業エリアへの通路の幅は80cm以上
  • 危険区域には柵・囲い・区画線を設ける
  • コンベヤーシステムは年次点検の対象に挙げられている

輸入機の場合、タイ語の取扱説明書の納品をRFPに入れておく根拠になります。通路幅は、製函機とマガジン補充の動線、段ボールの置き場を含めたレイアウトで確認します。ただし、自社の機械がどの条項の対象になるか、最新の運用はどうかは、所轄機関・専門家に個別確認してください。

4. 最低賃金と人手

最低賃金は、告示第14号の地域区分で日額400バーツから337バーツまで差があります。同じ会社でも、チョンブリーの工場とアユタヤの工場では最低賃金が違います(400バーツと357バーツ)。回収の計算に使う人件費は、最低賃金ではなく、その工場の実際の年間の人件費で置き換えてください。2026年の改定の有無は本稿執筆時点で確認できていないため、計画の時点で最新の告示を確認してください。

5. BOIの生産効率改善措置

タイ投資委員会(BOI)には、既存事業の機械の更新や自動化を対象にした「生産効率改善措置」があります。BOIの資料によると、BOIの奨励を受けているかどうかにかかわらず既存事業が対象で、改善の投資額が100万バーツ超(SMEは50万バーツ超、土地と運転資金は含めない)であることが条件です。特典は、機械の輸入関税の免除と、既存事業の収入に対する法人税の3年間の免除(改善の投資額の50%相当まで。国内の自動化機械を30%超使う場合は100%相当まで)です。SMEは法人税の免除が5年間・100%相当で、中小企業振興庁(OSMEP)への登録が前提です。3年以内に完了し、単位あたりの直接コストの削減や歩留まりの向上などの指標を達成することが求められ、既存の法人税免除が終了済み(または未取得)であることも条件です。2023年1月3日から施行されています。

モデル工場Pの方式F(THB 4,800,000)は投資額の条件を数字の上では超えますが、対象になるかどうかは他の条件にもよります。最新の条件と申請の可否は、BOIに確認してください。

6. ベトナム拠点への横展開

同じ方式をベトナムの拠点に展開する場合、人件費の前提が変わります。報道や法律事務所の解説によると、ベトナムの地域別最低賃金は政令293/2025/ND-CPで、2026年1月1日から月額で第1地域5,310,000ドン、第2地域4,730,000ドン、第3地域4,140,000ドン、第4地域3,700,000ドンです(平均7.2%の引き上げ)。タイと同じ機械と同じ台数でも、人件費が違えば回収年数は違います。また、段ボールの調達先と保管の環境も拠点ごとに違うため、受入試験は拠点ごとに自社の段ボールで行ってください。

90日計画:何から始めるか

期間やること
0〜30日全SKUの箱を棚卸しし、FEFCOコードと寸法表を作る。現状の製函・封函の工数と、箱不足や封の不良による停止を測る
31〜60日段ボールの品質と保管を確認する。封函機から先に入れる案と、製函機と封函機を一括で入れる案を比べ、RFPを出す
61〜90日FATの基準を決め、試験用の段ボールの支給方法を決め、発注の判定をする

最初の30日で大事なのは、現状の数字を測ることです。製函と封函に何人が何時間かけているか、箱が間に合わずにラインが止まった回数、封の不良で手直しした箱の数。これがないと、回収の計算も、RFPの能力の数字も、仮置きのままになります。印字やラベルの品質まで含めて末端工程を見直す場合は、バーコード検証機の記事もあわせて参考にしてください。

よくある質問(FAQ)

製函機と封函機は、どちらから自動化すべきですか?

工場によりますが、本記事のモデル試算では、封函機から先に入れる段階導入が合理的になりやすい結果でした。試算では封函機の初期費用を比較的小さく置いており、早く回収できたためです。製函機は、箱の種類が少なく、段ボールの品質が安定していて、減らした人を他の工程へ回せる場合に回収が早くなります。試算の数字は仮置きなので、自社の人件費と見積もりで計算し直してください。

ランダム型とユニフォーム型の封函機は、どう選べばよいですか?

1本のラインで同じサイズの箱を長時間流すならユニフォーム型、1回の生産の中で寸法の違う箱が混ざるならランダム型が候補です。箱の棚卸しで、本当に混ざるかどうかを確かめてから決めてください。

封函はテープとホットメルトのどちらがよいですか?

一概には言えません。ホットメルトは材料費や停止の少なさ、テープは安全と教育の手間の少なさや少量多品種への向きやすさが、それぞれのベンダーから主張されています。顧客や物流先の封緘の指定、箱のサイズの数、安全と教育の体制から逆算して決めます。

製函機の速度(ケース/分)はどう見積もればよいですか?

カタログの速度はメーカー公称の最大値で、箱の寸法や段ボールの状態で変わります。必要な能力は下流の最大能力から決め、受入試験で、自社の段ボールでの1,000箱あたりの停止回数を確かめてください。止まる回数のほうが、公称速度の差より実際の生産数に効きます。

タイの高湿度で段ボールが柔らかくなると製函機は止まりますか?

止まる原因になり得ます。製函機メーカー自身が、温度と湿度の変化やブランクのばらつきが、箱の非直角や詰まりの原因になると書いています。ただし、どの程度止まるかは段ボールと保管の条件で違うため、高湿度期に保管した自社の段ボールで受入試験を行い、雨季の再確認を契約に入れてください。

製函機・封函機のRFPと受入試験(FAT/SAT)では何を確認すべきですか?

RFPには、箱の一覧とFEFCOコード、能力と下流能力、封緘方式、段ボール仕様、切替時間、マガジン、信号、安全、タイ語マニュアル、消耗部品、FAT/SAT基準、保証の12項目を入れます。受入試験では、自社の段ボールで全サイズを連続運転し、停止回数、直角、封緘品質、切替時間、異常時の動き、安全を確かめます。タイの省令に関わる点は、所轄機関・専門家に個別確認してください。

まとめ

  • 製函機・封函機の成否は、公称速度ではなく、自社の段ボールで止まらずに直角の箱を作り続けられるかと、下流との受け渡しで決まる
  • 選定は、箱の棚卸し、封緘方式、段ボールの品質と保管、前後工程とのつなぎ、安全と保守の順に決める
  • 速度は必ずメーカー公称値として読み、必要な能力は下流から決める
  • テープとホットメルトの比較はどちらもベンダーの主張。顧客・物流の指定と自社の体制から逆算する
  • 高湿度のタイでは、段ボールの保管ルールを先に決め、受入試験には自社の複数ロットの段ボールを使い、雨季の再確認を契約に入れる
  • モデル試算(仮置き)では、封函機のみで約1.8年、製函機まで広げると約3.9年、減らせた人数が半分なら約9.2年。段階導入が合理的になりやすいが、自社の数字で計算し直す

箱の棚卸しや現状の工数・停止の測定、RFPや受入基準づくりといった検討の初期の段階からでも構いません。タイの工場でライン末端の製函・封函の自動化を検討されている方は、どこから手を付けるかの整理から一緒に進められますので、お問い合わせからお気軽にご相談ください。

参考情報