はじめに:AOIのNGの多くが良品という現場へ
この記事は、タイで実装基板(PCBA)を作る工場の工場長、生産技術、品質保証、IT担当の方に向けて、はんだ付け検査 AI 導入の考え方を整理するものです。SMTラインのAOIが出すNGの多くは、確認してみると良品です。それでもレビューステーションには毎直数人が張り付き、1枚ずつ画面を見て「良品」のボタンを押しています。
新機種の立ち上げのたびに虚報(false call)が増え、AOIのプログラム調整は特定の技術者に頼っています。車載の客先からは、見逃しを出さないことと、基板ごとのトレーサビリティを求められます。そこへAOIメーカーから「AIオプション」の提案が来たものの、何をどう評価して買えばよいか分からない。こうした状況に心当たりがあれば、この記事の対象です。
ここで扱うのは、実装基板のはんだ接合部の検査にAI判定を入れることです。具体的には、AOIの虚報削減、レビュー工数、見逃しの管理、トレーサビリティ、受入の考え方に絞ります。照明の選び方やアノテーションの一般論など、汎用のAI外観検査の導入手順はAI外観検査の導入ガイドにまとめています。
先に結論を書きます。はんだ付け検査のAIは「AOIを賢くする魔法」ではありません。狙いは次の3つのどれかで、どれを狙うかで評価の方法が変わります。
- AOIが出したNGのうち、良品をレビューに回さない(虚報削減)
- AOIのプログラム作成と調整の工数を減らす
- 人による判定のばらつきを減らす
虚報を減らすことは、見逃し(escape)を増やすリスクと引き換えです。そのため、PoCと受入の合格基準は「虚報削減率」と「見逃し率の上限」をセットで決め、しかも学習に使った期間より後の期間のデータで判定します。AIに任せるのは、良品と判定した基板をレビューから自動で外すところまでにとどめ、不良の最終判定と手直しは人と既存の基準(IPCのクラス)に残します。また、AOIは見える接合部しか検査できません。BGAのような隠れた接合はX線検査(AXI)の領域であり、AI判定を入れてもAOIとAXIの役割分担は変わりません。
本記事は特定製品の推奨やランキングではありません。製品の機能はメーカーの発表として紹介します。後半の費用対効果は、この記事のための仮の数字で組んだ試算です。
なぜ今、タイの基板実装工場ではんだ検査を見直すのか
まず、タイの電子産業の足元を確認します。数字は発表元と対象範囲をそのまま書き、足し合わせたり自社に当てはめたりはしません。
- タイ投資委員会(BOI)の2026年8月3日のプレスリリースによると、2023年から2026年半ばまでの累計で、プリント基板(PCB)分野の投資奨励の申請は224件、98.5億米ドル(約3,310億バーツ)でした。これは申請ベースの数字で、認可額ではありません。
- 同じリリースで、BOI事務局長は「世界のトップPCBメーカーの半数超が、タイを生産拠点に選んだ」と述べています。一方で、同リリースは熟練労働者の不足を、先端製造の移転における「主要なボトルネック」と書いています。BOIとNXPOは人材マッチングの枠組みを整えているところです。
- Nation Thailandの2026年9月25日の報道によると、2026年8月のタイの輸出は前年同月比24.3%増で、56か月で最も速い伸びでした。伸びた品目には、コンピュータと部品、集積回路、プリント回路が含まれています。
- Nation Thailandの2026年8月21日の報道では、ランシット大学のAat Pisanwanich氏が、2026年上半期の電子製品輸出を1.63兆バーツ(前年同期比46%増)としています。また、電子コンピュータ雇用者協会のSampan Silapanad会長は、電子産業とそのサプライチェーンの雇用が約80万人から約100万人に増えたと述べています。
- BOIは2026年7月8日の会合で、銅張積層板(CCL)、プリプレグ、PCB用ガラス繊維布の工場などを認可しました。これらは基板材料、つまりベアボードの上流の投資であり、実装(SMT)工場の投資ではありません。
- Electronic Designの2026年8月26日の記事によると、BOIは研修、ブートキャンプ、職場での学習、専門コースを通じて、10万人を超える高度人材を育てる施策を始めました。製造拠点はチャチュンサオ、チョンブリ、ラヨーンに集まっていると書かれています。
- iConnect007の2026年4月30日の記事(TPCAのタイPCBサミット)によると、タイには近年60社を超えるPCBメーカーが進出し、サプライチェーン企業は100社を超えています。
基板の工場が増え、人が足りないという状況は、検査のレビュー工数を人の数で吸収するやり方が続かないことを意味します。AOIのNGを人が全数見直す工程は、まず見直しの対象になります。
10月の洪水にも触れておきます。2つの推計は時点と範囲が違うので、分けて書きます。
- タイ工業連盟(FTI)の推計を伝えた2026年10月2日から3日の報道では、バンコクと14県の洪水による製造業の直接損失は約10.18億バーツでした。アマタシティチョンブリ工業団地のPhase 7から10が30〜70cm浸水し、少なくとも34工場が直接の被害を受けたとしています。
- Nation Thailandの2026年10月8日の記事は、同団地のゾーン7、8、9で34工場が生産を止め、うち10を超える工場が自動車部品工場だったと伝えています。この記事では、産業被害の推計は約60億バーツ近く(前回の推計15億バーツから増加)とされています。
どちらの記事も、電子工場やPCB工場の被害には触れていません。ここから言えるのは事業継続(BCP)の観点だけです。AOIの画像、AI判定の記録、学習済みモデルを工場の中のサーバーにしか置いていないと、浸水で一緒に失う可能性があります。検査データのバックアップ先は、AI導入の設計段階で決めておきます。なお、タイ工業団地公社(IEAT)は2026年9月26日の時点で、管轄する全工業団地に24時間の洪水監視を指示していました。
はんだ付け検査の全体像:SPI、AOI、AXI、目視の役割分担
一般的なSMTラインでは、はんだ印刷の後にSPI(はんだペースト検査)、部品の実装、リフローを経てAOI(自動光学検査)が入ります。BGAなど隠れた接合部がある基板では、必要に応じてAXI(自動X線検査)を通します。AOIがNGを出した基板はレビューステーションに回り、人が画像や実物を見て良否を決めます。THT(挿入部品)はフローはんだや選択はんだの後に、AOIや目視で確認します。
AIの判定は、主にこの流れのうち「AOIのNGをレビューに回すかどうか」の位置に入ります。SPIやAXIのデータにAIを使う製品もありますが、この記事の中心はAOIの後のレビュー工程です。

AOIとAXIの役割分担について、検査装置メーカーのGÖPEL electronicは、人の目に見えないものはAOIでも光学的に検査できないと説明しています。同社によると、AXIはBGAやQFNの下のような隠れた接合部も検出でき、BGAではヘッドインピロー(head-in-pillow)やボイドなどを検査します。そして、X線で検査するのは選んだ隠れた接合部だけでよく、残りの接合部はAOIが受け持つ、という分担を示しています。
規格の側でも、範囲を正しく押さえておきます。IPC-A-610J(Acceptability of Electronic Assemblies、2024年3月版)は、IPCの目次サンプルに載っている適用範囲で、電子組立品の目視(visual)の受入要求事項の集まりとされています。同じ箇所に、断面評価やX線検査の基準は含まないこと、X線のガイドラインはJ-STD-001にあることが書かれています。AOIの判定ロジックをIPC-A-610の条項に対応させるのは自然ですが、AXIの判定をIPC-A-610で説明しようとすると範囲がずれます。
検査のタクトもAIの導入で変わり得ます。AI判定の処理時間がラインの流れに影響しないかは、高速ラインのAI外観検査の記事で扱った考え方と同じで、受入の段階で測ります。
AOIの「虚報」と「見逃し」:何が問題なのか
言葉の定義から確認します。1998年のElectronic Designに載ったHP社の記事は、虚報(false call)を「不良と判定されたが、実際には不良でないもの」、見逃し(escape)を「判定されなかった不良」と定義しています。古い記事ですが、定義は今も通用します。
Siemens AGとヘルシンキ大学の研究者が2025年に公開した論文(arXiv)は、本番のSMTラインを例に、この問題を事業の指標として整理しています。不良でない基板は次の工程へ進み、不良と判定された基板は手動検査ステーション(MIS)へ回る、という前提です。論文は2つの指標を定義しています。
- volume reduction:MISに回る良品をどれだけ減らせたか。定義はTN/(TN+FP)で、この記事では「手動確認に回る良品の削減率」と呼びます
- slip rate:不良のうち見逃した割合。定義はFN/(TP+FN)で、この記事では「見逃し率」と呼びます
論文は、この2つを事業上の重要な指標とし、見逃しのほうがはるかに悪いと書いています。虚報はレビューの工数で済みますが、見逃しは後工程や客先に不良が流れることを意味するからです。
なぜ虚報が出るのでしょうか。BoschとTUブラウンシュヴァイク工科大学の2020年の論文は、影や隣接部品の反射などによって、検査結果に見逃しと疑似不良(本物でない不良)が生じると説明しています。AOIの側でしきい値を緩めれば虚報は減りますが、同時に本物の不良も通しやすくなります。
ここに構造的な圧力があります。レビュー工数を減らしたい現場は、虚報を減らす方向に調整したくなります。その調整が見逃しを増やしていないかを測る仕組みがないと、虚報削減の成果だけが報告され、見逃しの増加は客先のクレームで初めて分かります。AIを入れても、この圧力は消えません。AIが「良品」と判定した基板はレビューを通らないので、AIの見逃しはそのまま後工程に流れます。過検出と見逃しを一緒に設計する一般論は、AI外観検査の誤検知対策の記事にまとめています。
はんだ検査 AI でできること:3つの使い道
はんだ検査にAIを使う方法は、大きく3つに分けられます。どれを狙うかで、効く指標と前提が違います。
| 使い道 | 狙い | 効く指標 | 前提 | 注意 |
|---|---|---|---|---|
| ①AOIのNGの自動再判定 | 良品をレビューに回さない | 手動確認に回る良品の削減率、レビュー工数 | 自社の画像と、人の判定結果のラベル | 見逃し率の上限とセットで評価する |
| ②プログラム作成とパラメータ最適化 | 新機種の立ち上げと調整を速くする | プログラム作成時間、立ち上げ時の虚報の数 | CADデータや部品ライブラリの整備 | 作ったプログラムの見逃しを初品で確認する |
| ③欠陥の分類とデータ活用 | 不良の種類を数え、上流工程に返す | 不良モード別の件数、工程への反映 | 判定結果を基板シリアルに紐付ける | 分類の基準をIPCのクラスと社内基準に合わせる |
メーカー各社も、それぞれの切り口でAI機能を発表しています。以下はすべてメーカーの発表であり、条件をそのまま添えます。
- Mycronic DeepReview(2024年4月3日のプレスリリース):3D AOIのMYPro Iシリーズ向けの、AIによる自動欠陥分類です。同社は、虚報のレビューに使う時間の50〜90%をオペレーターから取り除けると説明していますが、これは対象部品(eligible components)の比率次第という条件付きです。さらに、顧客が自社の検査画像データベースで定期的に再学習した場合に、対象部品について潜在的な虚報を50〜100%減らせるとしています。この数字が示されているのは、対象部品について、自社画像で定期的に再学習する運用の場合に限られます。同社の幹部は、人の判断は置き換えられないとも述べています。
- Mycronic Escape Tracker(同社ウェビナーの紹介ページ):既知の虚報が出ないようにAOIのプログラムのパラメータと許容値を最適化しつつ、本物の不良はすべて捉える、という考え方の機能として紹介されています。
- Koh Young(NEPCON ASIA 2024の出展告知):同社はSmart Reviewについて、OCVとOCR(部品の文字の検査)の読み取りを自動で評価することで、虚報とオペレーターの介入を減らすと説明しています。これは文字検査の自動評価についての説明で、はんだ接合全般の虚報削減率は示されていません。KAPはAI技術、KPOは深層学習技術を使う同社の機能として紹介されています。
- オムロン VT-S10(2021年10月8日の発表を伝えた記事):多方向、多色の照明と、MPS方式の3D計測で影や二次反射の影響を除去すると説明しています。「虚報ゼロ、見逃しゼロ(zero false calls and escapes)」は、同社が掲げる目標や理念としての表現であり、達成した実績値ではありません。同社欧州サイトのVT-S1080のページでは、AIによる不良判定の支援や、プログラミングと目視確認の作業を減らすAI技術がうたわれています。
- Saki 3Di-LS2-CASE(2021年9月の発表):良品と不良品の大量の画像から学習する同社のAIエンジンにより、はんだ検査でのデータの調整が要らなくなると説明しています。虚報を大きく減らすという説明は、ぬれ不良(non-wetting)の判定についてのものです。
- Viscom vAI(2025年10月15日のプレスリリースと製品資料):3D AOIと3D AXIの検査プログラムを、ほぼ全自動で作成し最適化できると説明しています。製品資料では、AOIの検査プランを15分未満で作れるとしています。学習については、多様な生産環境の数百万枚の画像で学習済みで、そこに顧客のデータを加えると説明しています。
- MIRTEC INTELLI-PRO(2021年9月2日の発表を伝えた記事):深層学習を使った自動ティーチング機能について、手作業のティーチングと比べて90%、深層学習を使わない自動ティーチングと比べて50%のティーチング作業時間の削減を主張しています。これは作業時間の主張で、虚報や見逃しの削減率ではありません。異物検出(FOD)に深層学習を使うことで虚報を大きく下げるとも説明しています。
- TRI(IPC APEX 2025の出展告知):光学検査がAIアルゴリズムと計測機能で動くと説明し、AI Station、AI Smart ProgrammingなどのAI関連ツールを紹介しています。虚報削減率の数値は示していません。
数字が出ている発表でも、対象の部品、不良モード、再学習の前提がそれぞれ違います。メーカー同士の数字を並べて比べることはできません。自社のラインで、自社の画像を使って測るほかありません。
研究が示す落とし穴:テストでは合格、本番では不合格
前述のSiemens AGとヘルシンキ大学の論文(arXiv、2025年6月17日)は、PoCの設計を考えるうえで最も参考になる事例です。
データは、本番のSMT電子製造ラインのAOIが測った、はんだピン単位の測定値です。表形式で77列あり、時系列の順に並んでいます。不良は非常に少なく、クラスの偏りは極端です。データは公開されています。
研究者は、目標を「手動確認に回る良品の削減率が40%以上、かつ見逃し率が1%以下」と置きました。これはこの研究での目標設定の例であり、業界の標準値ではありません。
結果はこうでした。テストデータの上で目標を満たした2つのモデルを、時系列で後の時期にあたる5つの評価区間に当てはめたところ、見逃し率は一方のモデルで5.3〜9.4%、もう一方のモデルで10.2〜15%になりました。すべての区間で、目標の1%を大きく超えています。著者は、このモデルは本番で最初から失敗するだろうと結論づけています。

論文は、標準的な正解率(accuracy)が誤解を招くことも指摘しています。不良がごく少ないデータでは、何も考えずに全部を良品と答えるだけの分類器でも、正解率は高く出ます。「AIの正解率は高い」という説明だけでは、見逃しの多さが見えません。
論文の提言を、工場のPoCに置き換えると次のようになります。
- 事業の指標で成功基準を先に決める:正解率ではなく、手動確認に回る良品の削減率と見逃し率を使い、合格の線をPoCの前に文書で決める
- 時系列でデータを分ける:学習に使った期間より後の期間のデータで評価する。データを無作為に混ぜて分けると、同じ時期の似た画像が学習と評価の両方に入り、成績がよく見える
- 複数の期間で確かめる:1つの評価期間で合格しても、別の期間で崩れることがある。部品のロットや季節が変わる期間を含める
なお、Ulster大学などの2025年の論文(arXiv)は、半導体製造のAOIを対象に、不良をすべて捉える(再現率100%)状態を保ちながら、データに基づいて許容値を調整する考え方を示しています。実装基板の研究ではありませんが、「見逃しの上限を固定してから虚報を減らす」という順序は、はんだ検査でも参考になります。
対象を決める:どの部品、接合、不良モードから始めるか
はんだ検査のAIを工場全体に一度に入れる必要はありません。部品の種類と不良モードで対象を区切ると、PoCの評価がしやすくなります。
- チップ部品:数が多く、AOIのNGの件数も多くなりがちです。BoschとTUブラウンシュヴァイク工科大学の2020年の論文は、Bosch提供の生産画像を使い、チップ部品(C0402〜C1210、R0402、R0603)を、良品、欠品、異物、位置ずれ、はんだ不足の5クラスに分けるCNNを検討しました。2次判定として不良の流出リスクを下げることが目的です。C0402のテストセットでは、最大97.6%の認識性能が報告されています。これはこの部品群とこのデータでの結果です。論文では、最大30万枚までの複数の学習データセットが比較されています。
- QFPやSOPのリード:ブリッジや浮きなど、リードごとの不良モードがあります。Mycronicは、DeepReviewの対象として、ブリッジやコプラナリティなどを挙げています(メーカーの発表)。
- THT(挿入部品):フローはんだや選択はんだの接合です。FAU(エアランゲン=ニュルンベルク大学)の研究者による2025年の論文は、THTはんだ接合の分類で不良データが少ない問題に、GANによる合成データと能動学習で対処する方法を検討しています。不良サンプルが集まりにくいことは、多くの工場で共通の課題です。
- はんだ飛散などの特定の不良:Scientific Reportsの2023年の論文は、特定のパワーモジュール基板を対象に、はんだ飛散(solder splash)を物体検出モデルで検出する研究です。7つのモデルを比べ、パラメータ数190万のYOLOv8nのモデルで、検出時間90ミリ秒、平均適合率96.6%を報告しています。産業界の依頼による特定用途の結果で、ほかの基板にそのまま当てはまるものではありません。
- BGAやQFNなどの隠れた接合:前述のとおりAOIでは見えず、AXIの領域です。FAUの2020年の研究は、2次元のX線画像でボイドやヘッドインピローを分類するCNNを検討し、商用のX線装置と比べて虚報を大きく減らしたと記述しています。ただし、AOIのAI判定とは別の話です。
最初の対象は、「NGの件数が多い」「人の判定がぶれやすい」「不良モードが定義しやすい」の3つがそろう部品と不良モードがよい候補です。不良サンプルが少ない不良モードは、PoCで見逃し率を測れるだけの件数が集まらないことがあります。
はんだ不良の原因は検査の手前にもあります。吸湿した部品のリフローによる不良などは、検査をいくら賢くしても発生そのものは減りません。上流の管理はMSD管理システムの記事で扱っています。
学習データとラベル:自社画像、ゴールデンボード、判定基準
AIの判定は、学習に使った画像とラベルの質で決まります。はんだ検査ならではの論点を整理します。
ゴールデンボード:VSE社のブログは、AOIのプログラミングの最初の手順として、既知のゴールデンボードを初品検査用の基板として作り、すべての部品の種類と値が正しいことを手作業で確認する必要があると説明しています。AIの学習でも、正解の基準になる基板と画像を持っておくことは同じです。同じブログは、画像認識の感度を下げて虚報を減らしたり、重要な箇所だけ感度を上げたりできることや、正当な代替部品が不良扱いされないよう代替部品番号を許容するプログラミングにも触れています。
事前学習と自社データ:メーカーの説明は分かれます。Mycronicは、顧客自身の検査画像で定期的に再学習し、自社の検査基準に合わせられると説明しています。Viscomは、多様な生産環境の数百万枚の画像で学習済みのモデルに、顧客データを統合して学習すると説明しています。どちらの方式でも、自社画像での再学習がどこまで前提か、誰がその作業をするかは、RFPで確かめる論点です。
判定基準とIPCのクラス:ラベルを付ける前に、「誰のどのクラスの基準で良否を決めるか」を決めます。IPC J-STD-001J(2024年3月版)は、製品をクラス1、2、3に分け、組立品をどのクラスで作るかを特定するのはユーザー(発注者)の責任だとしています。ユーザーがクラスを定めて文書化しない場合は、製造者が定めてよいとされています。クラスは、製造性、複雑さ、機能性能の要求、検証(検査や試験)の頻度の違いを反映するとされています。
同じ接合部でも、クラスによって良否が変わることがあります。客先ごとにクラスが違う工場で、1つのモデルに混ぜてラベルを付けると、モデルは矛盾した基準を学びます。ラベルには「どのクラスの基準で付けたか」を記録します。レビュー担当者の判定がぶれていれば、その判定をそのまま学習させるとぶれも学習します。判定基準のそろえ方とアノテーションの受入は、アノテーションの記事にまとめています。
合格基準の決め方:虚報削減率と見逃し率をセットで
PoCの評価表は、指標、定義、データの期間、判定の4列で作ります。数値の目標は自社で決めるものです。下の表の「判定」欄の書き方は一例で、業界の標準値ではありません。
| 指標 | 定義 | データの期間 | 判定(例) |
|---|---|---|---|
| 手動確認に回る良品の削減率 | AIが良品と判定したことでレビューに回らなかった良品の数÷AOIのNGのうち良品の数 | 学習期間より後の期間 | 自社で決めた目標以上 |
| 見逃し率 | AIが良品と判定した本物の不良の数÷本物の不良の数 | 学習期間より後の期間(複数) | 自社で決めた上限以下(すべての期間で) |
| 保留(判定不能)の扱い | AIが判断できずに人に回した件数 | 同上 | 運用で人に回すルールが動くこと |
| 処理時間 | AOIのNGが出てからAI判定が返るまでの時間 | 実ライン | タクトに影響しないこと |
参考として、前述の研究では「削減率40%以上かつ見逃し率1%以下」を目標に置いていました。これは研究での目標設定の例です。自社の目標は、客先の要求、製品のクラス、後工程の検査の有無で決めます。
見逃し率を測るには、AIが良品と判定した基板についても、人の判定と突き合わせる必要があります。そのため、PoCではAIの判定結果を記録するだけにして、レビューは従来どおり人が全数行う「並行運転」の期間を設けます。人の判定とAIの判定が食い違った基板を集め、本当はどちらが正しかったかを確認します。
もう1つの注意は、見逃しの件数が少ないことです。不良そのものが少ないラインでは、短い期間では見逃し率を十分な精度で測れません。並行運転の長さは、不良の発生頻度から逆算して決めます。
基板シリアルとのトレーサビリティとMES連携
AIの判定を入れると、基板1枚について記録すべきものが増えます。AOIの画像と測定値、AIの判定とその確信度、モデルの版、人の最終判定、手直しの記録です。これらを基板シリアル(またはパネルIDとロット)に紐付けておかないと、後で「AIが良品と判定したのはどのモデルの版だったか」をたどれません。
関連する規格を、範囲だけ紹介します。
- IPC-1782B(Standard for Manufacturing and Supply Chain Traceability of Electronic Products、2023年9月1日発行と販売サイトに記載):知覚されたリスクに基づく、製造とサプライチェーンのトレーサビリティの最低要求を定める規格です。プリント基板組立品の製造で使う製品、工程、部品、設備などに適用されると、適用範囲に書かれています。
- IPC-2591(IPC-CFX):IPCの公式ページでは、最新版としてVersion 1.7(2023年8月)が掲載されています。プリント基板組立品の製造における、自動、半自動、手作業のすべての工程の間の通信に適用される規格です。GÖPEL electronicは、AOI、AXI、SPIをIPC-CFXでMESに統合できると説明しています。
画像や判定記録の保存期間について、規格上の具体的な年数は今回確認できませんでした。保存期間は客先の要求と社内規程で決め、画像の容量から保存先を設計します。
紐付けの単位をどこまで細かくするかは、検査だけで決める話ではありません。電子工場の生産管理全体は電子部品、EMS向け生産管理システムの記事、追う単位の考え方は電子部品トレーサビリティの記事、シリアル番号の付け方と読み取りはシリアル番号管理システムの記事にまとめています。車載の客先からの要求に応える証跡の設計は、IATF 16949トレーサビリティの記事も参考になります。
不良が出たとき:手直しと上流へのフィードバック
AIと人が不良と判定した基板は、手直しに回ります。手直しの参照規格として、IPC-7711/7721D(Rework, Modification and Repair of Electronic Assemblies、2023年12月版)があります。この規格もクラス1、2、3の区分を使い、製品のクラスはユーザーが特定すべきで、特定しない場合は製造者が特定すべきだとしています。
THTでは、検査結果を手直しの設備に直接渡す例もあります。Circuits Assemblyの2017年10月11日の記事は、フローはんだの後に検査して、スルーホールの接合部の問題を見つけ、AOIから選択はんだ機にデータを渡して、該当する接合部だけを手直しする方法を紹介しています。AIの判定結果を基板シリアルと接合部の位置で記録しておけば、こうした局所の手直しにもつなげられます。手直しの指示、隔離、再検査の流れは、リワーク管理システムの記事で扱っています。
検査データを上流に返すことも大切です。特定メーカーの製品機能に頼らなくても、SPIの測定値とAOIの不良モードを同じ基板シリアルで結べば、「印刷のどのずれが、どの不良につながったか」を工程側で追えます。工程の変化を早く見つける考え方はSPC異常検知AIの記事、不良から原因の工程までさかのぼる手順は工程内不良の追跡の記事を参照してください。
見逃しが後工程や客先で見つかった場合は、その基板のAOI画像、AIの判定、モデルの版をたどり、同じモデルの版で良品判定した範囲を特定します。ここで記録が基板シリアルに結ばれていないと、範囲を絞れず、広く選別することになります。
運用後:再学習、変更管理、ドリフト監視
AIの判定は、入れた日が最もよい状態とは限りません。前述の研究が示したように、時期が変われば成績は変わります。運用後に管理すべき点を挙げます。
- 変更時の再検証:新機種の投入、部品メーカーやロットの変更、はんだ材の変更、AOIのプログラムの変更があったときは、AIの判定を再検証します。部品の外観が少し変わるだけで、虚報や見逃しの傾向が変わることがあります。変更をどこで捉え、初品で何を確かめるかは、4M変更管理システムの記事の枠組みが使えます。
- モデルの版管理:再学習のたびにモデルの版を上げ、どの版がいつからどのラインで動いたかを記録します。新しい版で問題が出たときに、前の版に戻せるようにしておきます。
- 見逃しの抜き取り監査:AIが良品と判定した基板から一定数を抜き取り、人が確認する運用を続けます。並行運転を終えた後も、見逃し率を監視する手段はこれしかありません。劣化の検知と切り戻しの設計は、工場AIモデル監視の記事にまとめています。
- ゴールデンボードと装置の点検:AOIのカメラや照明の状態が変われば、画像が変わり、AIの判定も変わります。ゴールデンボードや既知の不良を含む基板を定期的に流し、結果が変わっていないかを確かめます。点検の記録の残し方は、校正管理システムの記事の考え方が参考になります。
再学習のための自社画像は、運用の中で毎日たまります。人の最終判定が付いた画像を、クラスの情報と一緒に保存しておくと、次の再学習の材料になります。
RFPに書く要件
AOIメーカーのAIオプションや、AI判定のソフトウェアを比較するときは、次の要件をRFPに書いておくと、見積の前提がそろいます。
| 区分 | RFPに書く要件 |
|---|---|
| 対象 | 対象ライン、AOIの機種と台数、AOIからのデータ出力の方式(画像、測定値、判定) |
| 検査範囲 | 対象の部品、接合部、不良モード。対象外とするもの(BGAなど隠れた接合はAXIの範囲) |
| 判定基準 | 製品ごとのIPCのクラスと、クラスを決めた者(客先か自社か) |
| AIの役割 | 再判定のみか、プログラム作成も含むか、欠陥の分類も含むか |
| 学習データ | 学習データとラベルの所有権、契約終了時の持ち出し、事前学習モデルの範囲 |
| 再学習 | 自社画像での再学習の手順、頻度、誰が行うか、費用の区分 |
| 実行環境 | オンプレミス、エッジ、クラウドのどこで判定し、画像をどこに置くか |
| 合格基準 | 手動確認に回る良品の削減率と見逃し率の上限、評価に使うデータの期間 |
| 並行運転 | 期間、人の全数確認との突合の方法、突合の記録の様式 |
| 連携 | MES連携(IPC-CFXに対応するか)、基板シリアルとの紐付け |
| 記録 | 画像と判定の保存(期間は自社で指定)、権限、変更の履歴、モデルの版の記録 |
| 教育と保守 | レビュー担当者と技術者の教育、障害時の対応、モデルの切り戻し |
| 見積 | ハードウェア、AIのライセンス、再学習の作業、保守を分けて見積もる |
AOIやAIオプションの価格は、構成、台数、サポートの範囲で大きく変わります。公開された価格は確認できなかったため、この記事では価格の目安を書きません。見積を比べるときは、上の表のとおり費用の箱を分けて出してもらうと、年ごとの運用費が見えます。検査装置メーカーの選び方全般は、検査装置メーカー選定ガイドで扱っています。
FAT/SATと受入基準
受入試験は、工場出荷前の試験(FAT)と現地での試験(SAT)に分けて計画します。どちらも、数値の目標は自社で決めます。以下の項目は、目標を置く場所の例です。
FAT(出荷前、または導入前の検証)
- 過去の画像セットでの再現:学習に使った期間より後の期間の画像を含めて評価する。時系列で複数の期間に分けて結果を見る
- 既知の不良セット:本物の不良の画像を集めたセットを用意し、AIがすべてを不良側(または保留)に回すかを確かめる。見逃しがないことの確認用
- 判定記録の出力:基板シリアル、接合部の位置、AIの判定、モデルの版が記録として出るか
- 保留の扱い:AIが判断できない画像を人に回す動作の確認
SAT(実ラインでの並行運転)
- AIの判定は記録だけにして、人が全数をレビューし、両者を突き合わせる
- 測る項目:手動確認に回る良品の削減率、見逃し率、AIの処理時間、ラインのタクトへの影響、データの欠落(画像や判定が記録されなかった件数)
- 期間:不良の発生頻度から、見逃し率を判断できるだけの不良が集まる長さを置く
- 合格後の切り替え:AIが良品と判定した基板をレビューから外すのは、SATの合格を確認してから。切り替えた後も抜き取り監査を続ける
受入の判定書には、どのモデルの版で、どの期間のデータで、どの指標を、どの基準で判定したかを書き残します。後で再学習したときに、同じ条件で比べられるようにするためです。
費用と効果のモデル試算(仮の数字)
ここからの数字は、すべてこの記事のための仮の数字です。AOIやAIオプションの公式な価格は確認できなかったため、費用も仮置きしています。自社で試算するときの枠組みとして使ってください。
想定する工場:タイの日系EMS(車載と産業機器向け)。SMTラインが4本あり、各ラインに既存のAOIが1台ずつ、計4台。うち2台は旧型。2直、年250日稼働。
現状の費用(基準額、年間)
| 費用の箱 | 基準額(年) |
|---|---|
| AOIのNGのレビュー(手動確認)の工数 | 1,800,000 THB(12,000時間×150 THB) |
| 見逃しに起因する後工程と客先での手直し、選別、対応 | 1,500,000 THB |
| AOIのプログラム作成と調整の技術者工数 | 400,000 THB(1,000時間×400 THB) |
構成A:既存のAOI 4台にAI再判定を追加
既存のAOI 4台に、AIによる再判定(自動欠陥分類)を追加します。レビュー端末、データ基盤、基板シリアルとの紐付けを含み、AOI本体は買い替えません。初期費用3,200,000 THB、年間運用費(ライセンス、再学習の作業、保守)400,000 THBと置きます。
| 効果(仮定) | 計算 | 年間効果 |
|---|---|---|
| レビュー工数40%減 | 1,800,000×40% | 720,000 THB |
| 見逃し起因の対応20%減 | 1,500,000×20% | 300,000 THB |
| プログラム調整工数25%減 | 400,000×25% | 100,000 THB |
| 効果合計 | 720,000+300,000+100,000 | 1,120,000 THB |
純効果は1,120,000−400,000=720,000 THB/年、回収期間は3,200,000÷720,000≒約4.4年です。
構成B:構成Aに加えて、旧型AOI 2台を新型の3D AOIに更新
構成Aを入れた後の追加分として評価します。旧型AOI 2台を、AI機能付きの新型3D AOIに更新します。1台2,500,000 THBと置き、追加の初期費用は2×2,500,000=5,000,000 THB、追加の年間運用費は200,000 THBとします。
- レビュー工数を、基準額1,800,000 THBに対してさらに10%減:180,000 THB
- 見逃し起因の対応を、基準額1,500,000 THBに対してさらに20%減:300,000 THB
- 追加効果の合計:180,000+300,000=480,000 THB/年
追加分の純効果は480,000−200,000=280,000 THB/年、追加分の回収期間は5,000,000÷280,000≒約17.9年です。
感度:レビュー工数の基準額が2倍だった場合(構成A)
レビュー工数の基準額が2倍の3,600,000 THB/年だった場合、構成Aのレビュー40%減は1,440,000 THBになります。効果合計は1,440,000+300,000+100,000=1,840,000 THB/年、純効果は1,840,000−400,000=1,440,000 THB/年、回収期間は3,200,000÷1,440,000≒約2.2年です。

試算から読み取れること
- 効果の中心は、既存のAOIのデータにAIの再判定を足すこと(構成A)です。AOI本体を買い替えずに、レビュー工数に効きます
- 虚報削減の効果だけでは、装置の更新(構成B)の回収は約17.9年と長くなります。更新は、旧型では見えない不良モード(高さや浮きなど)、客先の要求、装置の寿命で判断します。AIは既存のAOIのデータから始めるのが現実的です
- レビューに人を多く張り付けている工場ほど、効果は大きくなります。感度のケースでは回収期間が約2.2年まで縮みます
重要な前提があります。「見逃し起因の対応20%減」という効果は、AIが見逃しを増やさないことが前提です。並行運転で見逃し率を確認できるまでは、この効果を数えないでください。見逃しが増えれば、この箱の費用は減るどころか増えます。また、構成Bの追加分は、構成Aの後に残った額ではなく、基準額に対する割合で置いています。ライン停止の機会損失、新規受注、監査の工数の削減は、この試算に含めていません。
よくある質問
はんだ検査AIを入れればAOIの虚報はなくなる?
なくなるとは考えないほうが安全です。メーカーの発表でも、虚報削減の数字は対象部品や不良モード、自社画像での再学習といった条件付きで示されています。オムロンの「虚報ゼロ、見逃しゼロ」も、同社が掲げる目標としての表現です。AIが判断できない画像は人に回す、という運用を前提に設計します。
AOI 虚報 削減はどこまで期待できる?
自社のラインで測るまで分かりません。たとえばMycronicは、対象部品について自社画像で定期的に再学習した場合に、潜在的な虚報を50〜100%減らせると説明していますが、対象部品の比率で効果は変わります。メーカー間で条件が違うため、数字の横並びの比較もできません。PoCでは、手動確認に回る良品の削減率を、学習期間より後の期間のデータで測ってください。
AIが良品と判定したものを目視しなくてよい?
並行運転で見逃し率が自社の上限を下回ることを確認するまでは、目視を続けます。研究では、テストで目標を満たしたモデルが、後の期間で見逃し率5.3〜15%まで悪化した例が報告されています。切り替えた後も、AIが良品と判定した基板からの抜き取り監査を続けることをおすすめします。
基板 外観検査 AIの学習データはどれくらい必要?
一律の答えはありません。部品の種類、不良モード、事前学習済みのモデルの有無で変わります。研究の例では、Boschの生産画像を使ったチップ部品の研究で、最大30万枚の学習データが使われていました。工場で問題になりやすいのは、良品の画像の数より、不良の画像の少なさです。不良の画像がどれだけ集まるかを先に確かめ、足りない場合の対処(合成データなど)をメーカーに確認します。
BGAのはんだ検査もAIでできる?
AOIのAI判定ではできません。BGAの下の接合部は光学的に見えないため、X線検査(AXI)の領域です。X線画像にAIを使う研究や製品はありますが、それはAXIの判定の話で、AOIにAIを足してもBGAの接合は検査できるようになりません。AOIとAXIの役割分担を変えずに、それぞれの判定にAIを使うかを検討します。
AOIを3D機に入れ替えるべき?
虚報削減だけを理由にするなら、急ぐ必要はないかもしれません。この記事の仮の試算では、旧型2台を新型の3D AOIに更新する追加分の回収は約17.9年でした。更新の判断は、旧型では見えない不良モード、客先の要求、装置の寿命で行います。AIは既存のAOIのデータから始められます。
はんだ検査 自動化のPoCは何週間?
期間は、自社の生産量と不良の発生頻度で決まります。虚報の削減率は短い期間でも測れますが、見逃し率は不良が十分に集まらないと判断できません。必要な不良の件数を先に決め、そこから並行運転の長さを逆算してください。学習の期間と評価の期間を分けることも忘れないようにします。
まとめ
- はんだ付け検査のAIは「AOIを賢くする魔法」ではない。虚報削減、プログラム作成の工数削減、判定のばらつきの低減のどれを狙うかで評価方法が変わる
- 虚報を減らすことは見逃しを増やすリスクと引き換え。PoCと受入は、手動確認に回る良品の削減率と見逃し率の上限をセットで判定する
- 評価は学習期間より後の期間のデータで、複数の期間に分けて行う。研究では、テストで合格したモデルが後の期間で見逃しを大きく増やした
- メーカーの数字は、対象部品、不良モード、再学習の前提がそれぞれ違う。条件ごと読み、自社の画像で測る
- ラベルは、誰が決めたどのIPCのクラスの基準で付けたかを記録する。IPC-A-610Jは目視の受入基準集で、X線や断面の基準は含まない
- AOIの画像、AIの判定、モデルの版、人の最終判定、手直しを基板シリアルに紐付ける。保存期間は客先の要求と社内規程で決める
- BGAなど隠れた接合はAXIの領域。AI判定を入れてもAOIとAXIの役割分担は変わらない
- 仮の数字の試算では、効果の中心は既存のAOIへのAI再判定の追加(構成A)だった。見逃し起因の効果は、並行運転で見逃し率を確認してから数える
どのラインのどの不良モードから始めるか、既存のAOIからどのデータが取れるかを棚卸しする段階でも、TOMAS TECHにご相談いただけます。お問い合わせはこちらのフォームからどうぞ。
参考情報
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- https://www.electronics.org/TOC/IPC-J-STD-001J_TOC.pdf
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- https://www.technickenormy.cz/en/ipc-1782-revision-b/
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