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2026.10.13

ロードセル 選定ガイド|荷重方向・用途・環境とタイ工場のRFP

ロードセル 選定ガイド|荷重方向・用途・環境とタイ工場のRFP

導入:ロードセル選定は「何kgの製品か」から始めない

原料ホッパーの計量値が毎日少しずつずれる。タンクに配管をつないだら、空の状態で表示が変わった。ベアリングの圧入荷重を見たいが、何を付ければよいか分からない。ロードセルの選定を誤り、過負荷で壊してしまった。ケーブルを延長したら値が合わなくなった。装置ごとにロードセルもアンプもバラバラで、交換のたびに迷う。いずれも、ロードセルの選び方と付け方に関わる悩みです。

本記事の主張を先にまとめます。ロードセルの選定は「何kg(何kN)の容量か」より先に、次の3つで決まると本記事では考えます。

  • ①荷重のかかり方:圧縮か引張か、偏荷重や横荷重があるか、どう取り付けるか
  • ②計量か荷重監視か:静的な重さを量るのか、圧入、かしめ、プレスの荷重変化を高速に見て合否を判定するのか
  • ③環境:防水、防爆、温度、ケーブル長

容量はそのあとで、風袋、台数、荷重の偏りを入れて計算します。受け入れでは、分銅または実荷重で表示値、出力値、PLCで読んだ値を突き合わせます。あわせて、偏置荷重の試験と、配管をつないだ状態での値の変化を記録に残します。

この記事は特定製品の推奨やランキングではありません。メーカーの仕様は各社の公開資料にもとづき、「同社は〜と説明している」という形で紹介します。後半の費用試算と容量の計算例は、この記事のための仮の数字です。はかりの値をPLCやMESへつなぐ話、チェックウェイヤ、ロボット用の6軸力覚センサ、サーボプレス装置そのもの、引張試験機のデータ連携は、それぞれの記事に任せ、本記事では関係する箇所でリンクします。

なぜ今、タイの工場で「重さと力」の記録を見直すのか

タイでは、設備投資の動きが続いています。タイBOI(投資委員会)の発表によると、2026年1〜6月の投資奨励の申請は1,299件、436億ドル(約1.47兆バーツ)で、前年同期比37%増でした。業種別では、自動車が122件で7.592億ドル、農業と食品加工が131件で18.2億ドル、機械、自動化、ロボットが82件で3.874億ドルです。機械の高度化や自動化を対象とする「Smart and Sustainable Industry」施策の申請は132件、5.076億ドルでした。いずれも申請ベースの数字で、承認額とは異なります。

生産の数字も見ておきます。MarkLines によると、タイ工業連盟(FTI)が2026年9月28日に発表した8月の自動車生産は124,646台で、前年同月比10.9%増でした。工業省の発表として The Star(ロイター配信)が伝えた2026年8月の製造業生産指数(MPI)は、前年同月比4.44%増です。ただし同省はMPIの算出方法を改定し、新たな電子製品の追加とウェイトの変更を行ったと説明しています。前年との比較は、この改定を踏まえて読む必要があります。S&P Global のタイ製造業PMIは、2026年9月に54.3で、8月の53.8から上がりました(集計サイト Trading Economics による)。同サイトは、投入コスト上昇の要因として特に金属を挙げています。

上の統計は、国全体の数字です。個々の工場の投資判断には使えません。ただ、配合の計量値や、圧入やかしめの荷重を記録に残しておけば、製品が正しく作られたかを後から説明する材料になります。導入の判断には、自社のクレーム記録や不良記録を使ってください。

ロードセルとは:ひずみゲージ式の原理

ロードセルは、力や質量を電気信号に変えるセンサです。工場で広く使われているのは、ひずみゲージ式です。

ミネベアミツミは、仕組みを次のように説明しています。力に比例して変形する部品(起歪体)にひずみゲージを貼り、変形による電気抵抗の変化を電気信号に変えます。荷重がかかったときの変形は「目で見てもわからないくらい小さな変化」だと同社は述べています。

Flintec の説明では、ひずみゲージは細い導線や箔をジグザグに配置したもので、長手方向の伸び縮みに敏感で、幅方向には鈍感です。せん断ビームでは、ゲージを荷重軸に対して45°に配置して、せん断ひずみを検出します。多くのロードセルは樹脂でポッティングされており、より完全に保護するには溶接によるハーメチックシールを使う、と同社は説明しています。

出力の大きさを、HBM(現HBK)の2019年のウェビナー資料の例で見てみます。鋼の起歪体でひずみが1000 µm/m(0.1%)、ゲージ率が約2、350 Ωのブリッジの場合、ゲージ1枚あたりの抵抗変化は0.7 Ωです。これをフルブリッジに組むと、出力は2 mV/Vになります。印加電圧が5 Vなら、定格荷重のときの出力電圧は2 mV/V×5 V=10 mVです。同資料は、この信号を10,000デジットの分解能で読むと1デジットが1 µV、100,000デジットなら0.1 µVになると示しています。

数mVの信号を、µVの単位で読むことになります。このため、ロードセルの出力は増幅して数値にする機器が必要です。ミネベアミツミも、信号を増幅して表示するための計装用機器を接続する必要があると説明しています。HBM の同資料は、50 Hzの電界やインバータ、時間とともに変わる磁界を影響要因として挙げています。ケーブルや接地の扱いが値を左右するのは、このためです。この点は後の章で詳しく扱います。

なお、印加電圧は製品ごとに推奨値が決まっています。たとえばミネベアミツミ C2B1B-□-C3 は推奨12 V以下、ユニパルス SCB の100〜500 N品は推奨5 Vと、各社の資料に記載があります。アンプ側の印加電圧と合っているかを確認します。

ロードセルの種類①:形状と用途

形状の分け方は、メーカーによって違います。ミネベアミツミは主に「ダイヤフラム型」「S字型」「キャニスター型」「ビーム型」の4種類に分けています。Flintec はビーム、シングルポイント、圧縮、引張の4分類で説明しています。下の表は、各社の説明をもとに本記事で整理したものです。

形状各社の説明(向く荷重と用途)例として挙がっている型式
S字型(引張型)圧縮と引張の両方の測定に適し、疲労試験や引張試験によく使われる(ミネベアミツミ)。上下の腕で取付穴を中心軸上にそろえ、吊り下げ用途に使う(Flintec)ミネベアミツミ U3S1(タンクスケール、ホッパースケール、引張計重装置向けと同社説明)
ビーム型曲げ荷重やせん断荷重の計測に適し、台はかりにも使う(ミネベアミツミ)。曲げビームは低容量向き、せん断ビームは中〜高容量向きで横力に強い(Flintec)ミネベアミツミ C2B1B、HBK Z6、HLC
シングルポイント型偏置荷重を補償する設計で、1個で台はかりを構成できる(Flintec、HBK)。材質はステンレスか高強度アルミで、アルミは低容量向き(Flintec)A&D LC4101〜LC4204、ミネベアミツミ CB17
キャニスター型、コラム型(圧縮型)大きな荷重の測定に適する(ミネベアミツミ)。サイロや車両はかりなど高容量の静的計量向けで、専用の取付金具と組み合わせるのが一般的(Flintec)ミネベアミツミ CC010、A&D LCC11
ダイヤフラム型円形で高さを低くできる。振れ止め金具と組み合わせてコンベヤスケールやホッパー脚部に使う例がある(ミネベアミツミ)ミネベアミツミ CMP1
ボタン型、小型圧縮型小型で低背、試験や計測の用途(Flintec)A&D LCC32、ミネベアミツミ CMM1R、共和電業 LCX-A-ID
センターホール型(貫通穴型)中央に穴がある圧縮型(Flintec)ミネベアミツミ C1W1M(射出成形機用として開発と同社説明)

用途から見ると、おおよそ次の対応になります。タンクやホッパーは、圧縮型(キャニスター型やビーム型)を専用金具と組み合わせるか、S字型で吊り下げます。台はかりや小型の計量は、シングルポイント型が候補です。圧入やプレスは、圧縮型や引張圧縮型のうち、メーカーが荷重計測用と位置づける型式が候補です。張力の測定には引張型やS字型が使われます。

寸法の例も挙げておきます。A&D は LCC32 について、直径20 mm、高さ13 mm、質量約23 g、定格容量200 N〜5 kNと記載しています。ミネベアミツミ C1W1M は、アンプを内蔵した4〜20 mA出力のセンターホール型で、定格容量は58.84 kN〜490.3 kNです。同じ「ロードセル」でも、形と大きさは用途によって大きく違います。

ロードセルの種類②:アナログとデジタルロードセル

出力の形でも、ロードセルは2つに分かれます。

アナログのロードセルは、ブリッジの出力をそのまま mV/V の信号で出します。定格出力は、各社の資料を見ると1〜2 mV/V台の型式が多くあります。信号が小さいので、指示計や変換器(アンプ)が必要です。

デジタルロードセルは、ロードセルの側で信号処理とA/D変換を行い、デジタルの通信で値を出します。各社の説明は次のとおりです。

  • Flintec:デジタル型は信号処理とA/D変換を内蔵し、トラックスケールや動的計量に向く。各ロードセルと個別に通信できる。型式によってはCANbusに対応する
  • ミネベアミツミ(ミネベアインテック)PR6204:2線式RS485で最大8台を接続できる。IP68とIP69Kに対応し、精度クラスはC3とC6(25 t、50 t)があると同社は記載
  • A&D LCCD11(コラム型):出力はRS-485の2線式で、サージ対策のガスチューブアレスタを内蔵すると同社は記載
  • ユニパルス DSCB(荷重計測用の高剛性デジタルロードセル):アンプを内蔵し、指示計なしでホールドや上下限比較ができ、PCにリアルタイムで表示できると同社は説明

デジタルにすると、ロードセルごとに値や状態を個別に読めるようになります。複数台で支えるタンクで、どの1台がおかしいかを切り分けたい場合には、この点が利点になりえます。ユニパルスは DSCB を「ノイズに強い」と説明し、Flintec はデジタル化がシステムの精度を改善しうると説明しています。ただし、どの用途でもデジタルの方が精度が上がる、ノイズの問題がなくなる、と言い切れる資料はありません。

費用の違いの一例として、A&D の2022年5月時点のカタログ標準価格(税抜)を見ます。100 kNのコラム型で、アナログの LCC11-T010-K が80,000円、デジタルの LCCD11-T010-K が110,000円です。差は30,000円で、アナログに対して37.5%高い計算です。デジタル系では、接続箱 AD-4388-4(4点)の32,000円や専用ケーブル AX-KO3217-10M の14,000円などが別に必要です。いずれも日本国内のメーカー標準価格で、タイでの価格ではありません。

アナログかデジタルかは、受け側の機器(指示計、PLC、上位システム)と、診断をどこまで求めるかで決めるのが実務的です。

最初に決めること①:荷重のかかり方と取付構造

ミネベアミツミは、ロードセルは「計測したい力の種類(圧縮・引張など)や対応荷重、設置環境に合わせて選ぶ必要があります」と説明しています。Flintec は「ロードセルの性能は取付で決まる」とよく言われると述べ、取付、アライメント、締結部品、取付金具、校正の手順はメーカーの推奨に従うべきだとしています。本記事で荷重のかかり方を最初に置くのは、この2社の説明に沿った考え方です。

まず、荷重の向きを決めます。上から押すだけなら圧縮型、吊り下げるなら引張型、押しと引きの両方がかかるなら引張圧縮型です。圧縮専用の型式に引張がかかる構造にしてはいけません。

次に、偏荷重と横荷重を確認します。Flintec は、一般のロードセルでは中心からずれた位置に力がかかると精度が落ちると説明しています。HBM は、ビームの種類ごとに次のように説明しています。

  • 単一の曲げビームは、荷重点が動くと信号が変わる(てこの効果)ため、単体ではあまり使われない
  • 多重の曲げビームは、荷重点の移動の影響が大幅に小さい
  • せん断ビームは横力に対して安定性が高いが、二次的な影響が測定結果に出ることがある

横荷重の許容値を仕様表に明記している型式もあります。共和電業 LCX-A-ID は、許容横荷重を定格負荷の15%と記載しています。定格1 kNの型式なら、150 Nまでという計算です。ユニパルスは UIS について、横荷重による精度への影響が小さいと説明しています。

シングルポイント型は、偏置荷重を補償する設計です。ただし、どこに載せても誤差がない、という意味ではありません。ミネベアミツミ CB17 は、積載面が最大200×200 mm、偏置50 mmの位置に定格の1/2を負荷したときの偏置誤差を0.02 %R.O.以内と、条件付きで規定しています。A&D の LC4101〜LC4204 は、四隅調整済みで、型式ごとに積載面の大きさ(300×300〜600×700 mm)が示されています。カタログの積載面より大きなテーブルを載せると、メーカーの前提から外れます。

取付の土台も確認します。ミネベアミツミは、設置場所が沈み込むと正しい数値が測定できないとして、十分な強度のある設置場所が必要だと説明しています。タンクの場合は、熱膨張でブラケットが水平に動き、ロードセルに偏荷重がかかることがあります。同社はこれを取付金具の機構で逃がす設計を紹介しています。

ここまでで決まるのは、形状と取付の方式です。容量はまだ決めません。この順番の全体像を、次の図にまとめました。

ロードセル 選定ガイド|荷重方向・用途・環境とタイ工場のRFP - figure 1

最初に決めること②:計量か、荷重監視か

2つ目の分かれ道は、ロードセルを何に使うかです。

ユニパルスは、指示計などの製品体系を2つに分けています。「荷重計測・制御」は、圧入、加締め、プレスのときの荷重変化を動的に監視し、製品の合否判定を行う製品群だと同社は説明しています。「重量計測・制御」は、配合計量機、パッカースケール、トラックスケール、ベルトスケールなどの自動はかりを構成するための製品群です。ロードセル本体にも「荷重計測用」と表記した型式群があります。

METTLER TOLEDO は、荷重のかかり方を静的と動的に分けて説明しています。タンク、ホッパー、容器の多くは静的な荷重で、ロードセルに伝わる水平のせん断力は小さいか、ほとんどありません。コンベヤ、パイプラック、機械式はかりの改造、高出力のミキサーやブレンダーは動的な荷重で、横せん断力が伝わる、と同社は説明しています。HBK のシングルポイント型の選定ガイドも、最初の質問の1つに「静的な計量か、動的な計量か」を置いています。

計量用と荷重監視用では、仕様表で見るべき行が違います。わかりやすいのが固有振動数です。各社の資料に記載された値を並べます。

型式(メーカーの位置づけ)固有振動数(同社記載)
ユニパルス SCB(高剛性、高応答)40 kHz(100〜500 N)、26 kHz(1〜5 kN)
共和電業 LCX-A-ID(小型圧縮)約24〜37 kHz
ミネベアミツミ CMM1R(小型圧縮)3,600〜10,000 Hz
ユニパルス UIS(引張圧縮)2〜5 kHz(1〜5 kN)
ミネベアミツミ C2B1B-□-C3(はかり用ビーム)1,000 Hz(200 kg〜1 t)、1,500 Hz(2 t)
A&D LC4101系(シングルポイント)100〜665 Hz

同じ「ロードセル」でも、桁が2つ以上違います。圧入やかしめの荷重を、ストロークに沿って細かく見たい場合は、この行と、アンプ側のサンプリング速度の両方を確認します。何kHz以上あれば足りるかは、工程の速さや判定の方法で変わるため、本記事では一般的な基準を示しません。装置メーカーやロードセルのメーカーと、実際の波形を見ながら決めてください。

精度の行も、用途で見え方が違います。はかり用の型式(C2B1B-□-C3、CB17、A&D LC41xx)は、精度の項目が0.01〜0.02%台です。荷重計測用の型式(SCB、UIS、CMM1R)は、おおむね0.1〜0.2%台です。これは上に挙げた型式に限った比較です。荷重計測用の性能が低いという意味ではなく、剛性、応答、耐過負荷とのバランスを各社が用途に合わせて設計している、と本記事では解釈しています。

用途ごとの関連記事も挙げておきます。

定格容量の決め方と容量計算

用途、形状、環境が決まったら、ようやく容量です。

A&D は、ロードセル選定を「形状の選定」「定格容量の選定」「測定精度の検討」の3ステップで説明しています。ここでも、容量は形状のあとに置かれています。

容量の考え方について、METTLER TOLEDO は「最大の荷重をかけても壊れず、求められる最小の測定ができること」と説明しています。同社の FAQ は、複数台で支える計量システムの容量の計算式を、荷重のかかり方で2つに分けて示しています。

荷重のかかり方(同社の例)計算式
荷重がほぼ中央にかかる(タンク、サイロ、容器)C ≥ sf×(TDL+SC)÷N
荷重が偏りやすい4点支持(床はかり、小型の車両はかり、コンベヤ)C ≥ sf×(TDL÷4+SC÷2)

記号の意味は次のとおりです。

  • C:ロードセル(計量モジュール)1台あたりの容量
  • TDL:総風袋(デッドロード)。容器、架台、攪拌機など、常に載っている重さ
  • SC:はかり容量。量りたい内容物の最大量
  • N:ロードセルの台数
  • sf:安全係数。同社は「typically 1.25」と記載

計算例を1つ示します。数字はこの記事のための仮の数字です。風袋800 kgのホッパーに、原料を最大1,600 kg入れ、3台のロードセルで支えるとします。荷重はほぼ中央にかかるものとし、sfを1.25とします。

  • 風袋とはかり容量の合計:800+1,600=2,400 kg
  • 安全係数を掛ける:1.25×2,400=3,000 kg
  • 台数で割る:3,000÷3=1,000 kg

1台あたり1,000 kg以上の容量が必要、という計算になります。ここで注意したいのは、sfが「最大荷重」ではなく「風袋とはかり容量の合計を台数で割った値」に掛ける係数だという点です。最大荷重の何倍を選べばよい、という単一の倍率で決める考え方とは別のものです。

大きすぎる容量にも問題があります。METTLER TOLEDO は、用途に対して必要以上に大きいロードセルを使うと精度が落ちるため推奨しない、と説明しています。計算値を下回らない範囲で、大きくしすぎないことが大切です。

国によっては、計量当局が別の考え方を示しています。たとえばスリランカの計量当局の技術ノート(OIML R76-1を参照、2024年9月26日発行)は、偏りの係数やゼロ設定の範囲などを足し上げて必要容量を求め、4点支持のはかりでは2脚しか接地しない故障を想定した係数を掛ける例を示しています。これはスリランカの当局の文書で、タイの規則ではありません。係数の決め方は、メーカーや用途、国の規則で違うということを押さえておけば十分です。

ミネベアミツミの解説は、定格容量に余裕を持って選定すると述べるにとどめ、倍率は示していません。

容量と一緒に見るのが、過負荷の行です。仕様表には、普通は2つの値が並んでいます。

  • 許容過負荷:メーカーが示す、使用中にかかってもよい荷重の上限
  • 限界過負荷:これを超えると破壊のおそれがある、とメーカーが示す荷重

定義の細部や表記(「耐負荷」など)はメーカーで違うため、各社の資料で確認します。

型式による違いは大きく、各社の資料では次のようになっています。

型式許容過負荷限界過負荷
ミネベアミツミ C2B1B-□-C3150 %R.C.200 %R.C.
ミネベアミツミ CB17300 %R.C.400 %R.C.
ミネベアミツミ C1W1M150 %R.C.150 %R.C.
A&D LC4101〜LC4103300 % of R.C.400 %
A&D LC4204200 %250 %
A&D LCC11200 %300 %
共和電業 LCX-A-ID150%公開資料で確認できず
ユニパルス SCB500% R.C.(同社は「耐負荷500%」とも表記)公開資料で確認できず
ユニパルス UIS300% R.C.公開資料で確認できず

(%R.C.は定格容量に対する%)

圧入やかしめでは、治具の当たりや段取りのミスで、想定外の荷重が瞬間的にかかることがあります。こうした工程では、許容過負荷の値を仕様表で確認し、装置側のストッパやリミットと合わせて設計することを本記事では勧めます。何%あれば十分か、という一般的な基準はありません。

精度の読み方:定格出力、非直線性、ヒステリシス、繰返し性、クリープ、温度影響

ロードセルの仕様表には、精度に関わる行がいくつも並びます。主な項目の意味は次のとおりです。

  • 定格出力:定格容量をかけたときの出力(mV/V)。印加電圧を掛けると出力電圧になる
  • 非直線性:荷重と出力の関係が直線からどれだけ外れるか
  • ヒステリシス:荷重を増やすときと減らすときの出力の差
  • 繰返し性:同じ荷重を繰り返しかけたときのばらつき
  • クリープ:一定の荷重をかけ続けたときの出力の変化(何分間で見るかが添えてある)
  • 温度影響:温度が変わったときの零点と出力の変化

各社の資料から、型式ごとの値を並べます。

型式(形状)定格容量定格出力非直線性ヒステリシス繰返し性クリープ
ミネベアミツミ C2B1B-□-C3(ビーム)200 kg〜2 t2 mV/V±0.002(200 kgは1.6 mV/V)0.023 %R.O.0.023 %R.O.0.010 %R.O.0.016 %R.O./30 min
ミネベアミツミ CMM1R(小型圧縮)490.3 N〜19.61 kN2 mV/V±0.0050.15 %R.O.0.1 %R.O.0.05 %R.O.記載なし
ミネベアミツミ CB17(低容量はかり用)5.884 N〜29.42 N1 mV/V±0.10.02 %R.O.0.02 %R.O.0.02 %R.O.0.02 %R.O./20 min
共和電業 LCX-A-ID(小型圧縮)500 N〜20 kN500 N品1.0 mV/V以上、1〜20 kN品1.5 mV/V以上±0.1 %RO以内±0.1 %RO以内0.05 %RO以下公開資料で確認できず
ユニパルス SCB(100 N〜5 kN)100 N〜5 kN0.4 mV/V0.2 % R.O.以下0.2 % R.O.以下0.1 % R.O.以下公開資料で確認できず
ユニパルス UIS-1KN/2KN/5KN1、2、5 kN約1.0 mV/V0.2 % R.O.以下0.2 % R.O.以下0.1 % R.O.以下公開資料で確認できず
A&D LC4101〜LC4103(シングルポイント)6 N〜1.5 kN1.0197 mV/V(+15%、−0%)総合誤差0.015 % of R.O.総合誤差に含む個別の記載なし個別の記載なし
A&D LCC32(ボタン型)200 N〜5 kN1 mV/V±20%0.3 % R.O.(総合誤差0.5 %)0.3 % R.O.0.2 % R.O.公開資料で確認できず

(%R.O.は定格出力に対する%)

この表を読むときの注意が2つあります。

1つ目は、指標の定義がメーカーで違うことです。A&D は複数の誤差をまとめた「総合誤差」で示し、ミネベアミツミ、共和電業、ユニパルスは非直線性やヒステリシスを個別の項目で示しています。総合誤差の値と、他社の非直線性の値を並べて、どちらが高精度かを判断することはできません。比べたいときは、同じ定義の値を各社に出してもらいます。

2つ目は、温度影響の単位です。ミネベアミツミと A&D は「/10 ℃」、共和電業とユニパルス SCB は「/℃」で書いています。たとえばユニパルス SCB の零点の温度影響は0.015% R.O./℃以下で、これを10 ℃あたりに直すと0.15%になります。ミネベアミツミ C2B1B-□-C3 の零点の温度影響は0.014 %R.O./10 ℃、出力の温度影響は0.012 %LOAD/10 ℃です。単位をそろえてから比べます。

温度補償範囲も確認します。C2B1B-□-C3 は−10〜40 ℃、A&D LC4101系も−10〜40 ℃、CMM1R と共和電業 LCX-A-ID は−10〜70 ℃、ユニパルス SCB は−10〜+60 ℃と、各社の資料に記載されています。空調のないエリアや、熱源の近くに置く場合は、取付位置の実際の温度を測り、この範囲に入るかを確かめます。

OIML R60の精度等級(C3など)と「はかり全体の精度」の関係

ロードセルの型式名や仕様に「C3」「C6」と書かれていることがあります。これは、国際法定計量機関(OIML)のロードセルの勧告 R60 にもとづく精度等級です。

OIML R 60-1:2021 は、精度等級を Class A、B、C、D の4つに分けています。等級ごとに、ロードセルの検定目盛数(nLC)の範囲が決まっています。

等級検定目盛数 nLC の下限上限
Class A50,000上限なし
Class B5,000100,000
Class C50010,000
Class D1001,000

「C3」は、Class C で3,000目盛という意味です。目盛数は1,000単位で書き、3なら3,000、1.5なら1,500を表します。圧縮か引張かの荷重方向や、特別な温度範囲、湿度の記号を付け加えることもあります。

C3の誤差を「±何%」という1つの数字に置き換えることはできません。R60 の型式評価の最大許容誤差は、検定目盛 v と、配分係数 pLC で決まります。Class C の場合、荷重の大きさに応じて pLC×0.5 v、pLC×1.0 v、pLC×1.5 v の3段階です。pLC は0.3〜0.8の値をとり、証明書に記載がなければ0.7とされています。

製品の例を挙げます。ミネベアミツミ C2B1B-□-C3 は「OIML R60に基づく精度等級 C3」で、最大ロードセル目量数3,000と同社は記載しています。A&D の LCC11 と LCCD11 には C4 と C6 の品があります。HBK の Z6 は、OIML の D1、C3、C4、C5、C6 の等級があると同社は説明しています。

R60 には、大事な但し書きがあります。ロードセルの精度等級を、それを使う計量システムの精度等級と同じにすることを要求する趣旨ではない、という一文です。ロードセルがC3だから、はかり全体もC3相当になる、とは言えません。はかり全体の精度は、ロードセルのほかに、指示計、取付、配管、温度などで決まります。

用途と等級の関係について、HBM は次のような例を挙げています。砂、セメント、水の簡易な建材はかりは D1〜C2 で十分、添加剤の混合や機械工業(玉軸受の検査など)は C3、店頭のはかりや充填機は C3〜C6、チェックウェイヤは最高クラスの C6 です。

工場の中で使う荷重監視に、OIML の等級が必要かどうかも整理しておきます。R60 は法定計量の型式評価のための規格です。Flintec は、取引用(legal-for-trade)のはかりには OIML や NTEP などの認証品が必要で、商用のはかりでは C3 が典型だと説明しています。一方、認証のないロードセルは汎用(GP)と呼ばれ、取引用の規制がかからない用途に使われる、と同社は述べています。圧入荷重の監視のように取引に使わない用途では、等級の有無より、前の章で見た応答や耐過負荷の行が判断の中心になる、と本記事では考えます。

環境条件:IP、防爆、材質、温度、湿気

ミネベアミツミは、気温の変化が大きいなど過酷な環境では、温度、防塵、防水などのスペックも確認すると説明しています。

保護等級(IP)は、同じシリーズの中でも型式で違います。各社の記載は次のとおりです。

型式保護等級(同社記載)
ミネベアミツミ C2B1B-□-C3IP68相当(ハーメチックシール、オールステンレス)
ミネベアミツミ CMM1RIP67相当
ミネベアミツミ CB17、C1W1MIP64相当
ミネベアミツミ PR6204IP68、IP69K
共和電業 LCX-A-IDIP67(JIS C 0920)
ユニパルス UISIP67相当
A&D LC4101IP22
A&D LC4102〜LC4204IP54
A&D LCC32IP64
A&D LCC11、LCCD11IP68(水深1.5 m/100時間)
HBK Z6IP68(水柱1 m、100時間)

同じ IP68 でも、A&D は水深1.5 m/100時間、HBK は水柱1 m/100時間と、メーカーが示す試験条件が違います。洗浄のある食品工場や、屋外のタンクに付ける場合は、RFPで「IP等級と、その試験条件」を書かせることを本記事では勧めます。

防爆が必要な場所では、防爆の型式と周辺機器をそろえて考えます。ミネベアミツミは、CCP1-□-Z を耐圧防爆構造、CC010 を本質安全防爆構造の技術的基準に合格した品(クラス iaIICT5)と記載しています。ロードセル用の本質安全防爆インターフェイス PR1626 もあり、/60 は最大4個、/61 は最大8個のロードセルを接続できると同社は説明しています。HBK は Z6 に IECEx、ATEX、FM(米国)の防爆版があるとしています。Flintec は一部のロードセルで ATEX と FM の証明があるとし、塗装ブースや、穀粉や木粉の粉じんがある環境を例に挙げています。タイで防爆機器に何が求められるかは、本記事では確認していません。所管の当局や、工場の保険会社、設備の設計者に確認してください。

材質も環境で選びます。共和電業は LCX-A-ID について、本体がステンレス製で耐食性が必要な装置に向くと説明しています。ミネベアミツミは CMM1R を腐食性のある場所での使用に適するとしています。A&D の LC41xx はアルミ製です。Flintec は、シングルポイント型のアルミ品は低容量向きだと説明しています。

湿気にも注意します。HBM は、はんだ付けのフラックスの残りが湿気で抵抗を変え、ゼロ点に強く影響すると説明しています。共和電業は、使用温度範囲に「結露しないこと」と付記しています。温度については前の章で見た補償温度範囲を、取付位置の実測と照らし合わせます。

ケーブル(4線/6線)とノイズ

ロードセルのケーブルには、4線式と6線式があります。

4線式は、ブリッジに電圧を加える2本と、出力を取り出す2本です。HBM の2019年のウェビナー資料は、4線式ではケーブルの抵抗で感度が変わる例を示しています。350 Ωのブリッジ、断面積0.14 mm²の銅線の場合、ケーブル長5 mの往復の抵抗は1.272 Ωで、感度は0.36%変わります。同じ条件でケーブル長50 mなら、感度の変化は3.6%です。同資料は、4線式の感度はケーブル長と温度に依存すると述べ、測定に使うケーブルを付けた状態で校正することを求めています。

6線式は、ブリッジにかかっている電圧を測るための2本(センス線)を加えたものです。アンプ側がブリッジの電圧を測り、必要に応じて補正します。HBM は、ケーブルを延長するなら6線式を使うのが最もよいと説明しています。METTLER TOLEDO も、指示計がはかりから離れている用途で、6線式の性能が上がると説明しています。

ケーブルを切ったり延ばしたりしてよいかは、メーカーによって記述が違います。

  • HBK Z6:6線式のため、ケーブルを必要な長さに切ることができると同社は説明。ケーブル長は3〜20 m
  • METTLER TOLEDO:現場でロードセルのケーブルを延ばしたり短くしたりしないこと、長さを変えると出力信号に影響する、と同社は説明。余った長さはジャンクションボックスの近くで巻いておく

このため、切断や延長の可否は、型式(4線か6線か)とメーカーの指示によります。一般論で「切ってよい」「切ってはいけない」と決めず、取扱説明書を確認してください。

各社の型式のケーブル(4芯か6芯か、長さ、脱着式か直結か)は、後の章の比較表にまとめています。

HBM の説明にもとづけば、4線式で納品されたロードセルは、納品時のケーブル長を含めた状態で出力が決まっていると考えられます。延長が必要になったら、6線式への変更か、延長後の再校正を検討します。

ノイズ対策では、シールドと接地が問題になります。HBM は、シールドをセンサの筐体に接続する方式を説明しています。センサとアンプの電位が違うとシールドに電流が流れ、50 Hzの干渉が起きることがあるため、センサの筐体とアンプの筐体を低い抵抗で接続するよう勧めています(推奨例として16 mm²の柔軟な銅線)。

METTLER TOLEDO は、ケーブルの余長を、はかりの可動部に固定しないよう説明しています。

ロードセル用アンプ、指示計とPLC接続

アナログのロードセルには、信号を増幅して数値にする機器が必要です。ミネベアミツミは、表示に加えて、アナログやデジタルの出力、計量システムの制御や監視の機能を持つ製品もあると説明しています。ロードセルアンプの選び方は、「何に使うか」で大きく分かれます。

荷重監視(圧入、かしめ)向けの指示計の例として、ユニパルスは次の製品を挙げています。

  • FS2000:毎秒25,000回の高速処理、波形比較機能、最大5ポイントの多点比較判定と同社は説明
  • F381A:毎秒4,000回、力と変位の2入力による2次元の比較
  • 組込型 FC400 系:毎秒2,400回の高速A/D変換。EtherNet/IP(FC400-EIP-FA)、PROFINET IO(FC400-PRT-FA)、CC-Link(FC400-CCL-FA)、RS-232C/Modbus(FC400-232-FA)などの型式がある

計量向けの指示計の例として、同社は FC500 系(毎秒1,200回の高速A/D変換、排出計量や投入計量の定量切出制御機能、CC-Link、EtherNet/IP、RS-485(Modbus)、RS-232C など)と、IP65相当の FC1000 を挙げています。

PLCでアナログ値として読みたい場合は、ロードセルコンバータを使う方法があります。ユニパルス LC1111 は、350 Ω系のロードセルを4台まで並列接続でき、4〜20 mAの電流出力を標準で備えると同社は説明しています。ロードセル変換器としては、渡辺電機工業の WVP-LCS などもあります(出力の種類は型式ごとに確認します)。

PLCに直接ロードセルをつなぐ入力ユニットもあります。三菱電機の MELSEC-Q シリーズの Q61LD は、外部の信号変換器が不要で、6線式(リモートセンス方式とレシオメトリック方式の併用)または4線式で接続できる、と同社は説明しています。印加電圧はDC 5 V、出力電流は60 mA以内で、350 Ω系のロードセルを4点並列で接続できます。非直線性は、定格出力2 mV/V、25 ℃、風袋消去なしの条件で±0.01%/FS以内と記載されています。分銅をかけて較正する機能や、入力信号の異常検出も備えています。後継のシリーズでの同等品は、本記事では確認していません。

IO-Link については、HBK が Z6 を「ロードセル計測チェーン(LCMC)」の一部として IO-Link 対応で提供していると説明しています。LCMC には CAN/RS485 出力版と、4〜20 mA、0〜10 V、IO-Link 出力版があります。分解能やサンプリング速度などの仕様値は、本記事では確認していません。IO-Link でセンサの値と診断情報をまとめて扱う考え方は、IO-Link導入:センサーデータ統合と受入設計で解説しています。

接続方式と用途の関係を、本記事の整理として表にします。

接続方式構成の例向く使い方
アナログ(mV/V)+指示計ロードセル→ウェイング指示計(表示、判定、出力)現場で値を見ながら計量や判定を行う
アナログアンプ(4〜20 mA、0〜10 V)ロードセル→コンバータ→PLCのアナログ入力既存のアナログ入力ユニットで値を記録する
フィールドバス付き指示計ロードセル→組込型指示計→EtherNet/IP、PROFINET、CC-Link など判定は指示計、値と結果はPLCや上位へ渡す
PLC直結の入力ユニットロードセル→PLCのロードセル入力ユニット盤の中を簡素にし、PLCで計量制御を行う
デジタルロードセルロードセル(A/D内蔵)→RS-485、CAN など複数台の個別診断が欲しいタンクや車両はかり
IO-Link 出力のアンプロードセル→IO-Link 対応アンプ→IO-Link マスタ値と診断を他のセンサとまとめて扱う

本記事の整理では、配合や充填のような計量なら、計量シーケンスを持つウェイング指示計が候補になります。圧入やかしめの監視なら、高速なサンプリングと波形判定を持つ指示計が候補です。PLCで値を使いたいなら、フィールドバス付きの組込型か、PLC直結のユニットを検討します。どれが適するかは、既存のPLC、盤のスペース、判定をどこで行うかで変わります。

盤の外にアンプを置く場合や、機械の上で配線をまとめたい場合は、リモートI/O 選定|タイ工場の盤内・機上比較とRFP・FAT/SATも参考になります。はかりの値をPLCやMESに渡す設計そのものは、産業用はかり PLC連携の導入設計|タイ工場の仕様書とFAT/SATで扱っています。

荷重監視で波形まで記録しておくと、合否判定のほかに、荷重のピークがじわじわ上がるといった傾向を後から見られます。治具の摩耗や部品ロットの変化に気づく材料になりえます。傾向監視を設備保全につなげる考え方は、予知保全システム導入ガイド2026|費用の内訳と失敗しない始め方で整理しています。

ロードセル 選定ガイド|荷重方向・用途・環境とタイ工場のRFP - figure 2

タンク、ホッパー計量の施工:取付金具、配管、攪拌、振動

タンクやホッパーの計量では、ロードセルそのものより、取付金具、配管、重心の扱いが誤差を左右します。各社の技術資料も、施工にかなりの紙幅を割いています。

ミネベアミツミは、振れ止め機構付きの取付金具を4つの方式で紹介しています。

  • フレキシブルストップ方式:攪拌機付きのタンクなどの振動対策。耐圧防爆の CCP1-Z にも対応
  • スチールボール方式:ベルトコンベヤやホッパー脚部。省スペースで横荷重に強い
  • チェックロッド方式:高容量向けで配置の自由度が高い。別途ロードセルの取付金具が必要
  • ロッカーピン方式:ビーム型用で取付高さが低い

同社の金具は、横ずれ防止(地震係数0.3、中程度で震度6程度の水平加速度0.3Gに対応できる強度)、転倒防止、偏荷重防止、振動防止を設計上の機能としています。金具はタンクの重心の高さに設置することを推奨し、重心より高い位置や低い位置に付ける場合はステイロッドやチェックロッドの検討が必要だとしています。攪拌機がある場合は、攪拌による水平荷重を計算し、金具の許容水平荷重と比べる必要があると同社は説明しています。タンクの熱膨張の方向を考えて据え付けることも求めています。

HBK(当時HBM)の2013年の技術資料は、配管の扱いを詳しく説明しています。

  • 配管などの接続は、計量値の一部を逃がしてしまう「力の分流(force shunt)」を生み、計量誤差になる。接続は鉛直方向に柔軟であること
  • 剛な配管でつなぐ場合は、できるだけ長い水平の配管区間で接続し、長手方向の伸び縮みを吸収する仕組みも設ける。柔軟継手、ホース、エルボ、金属の伸縮継手(ベローズ)、開放型の投入口(圧力容器には不可)を例示
  • 配管の中の内容物も重さに含まれるので、計量するときは配管を常に空か、常に満たした状態にする
  • 粉体の吸引設備では100〜300 mbarの負圧が生じることがある。鉛直の配管だと、配管の断面積に応じた力が直接計量値に影響する。水平の配管が、どの場合でも鉛直の配管より望ましい
  • 剛に取り付けた1台のロードセルで直立タンクを支える構成は推奨しない
  • 充填ステーションの角型ホッパーでは、搬送系の振動や粗い粉粒体の衝突で大きなせん断荷重がかかるため、ステイロッドでしっかり拘束する

支持点の数について、同社の資料は、タンクは3点支持が静定で最もよく、各支点にロードセルを置いて荷重を均等にすると説明しています。4点以上は不静定になり、据付時にシムなどで各点の荷重を測って調整する必要があります。支点の一部だけをロードセルにする場合は、ロードセル側の支点の荷重を大きくする配置で精度が改善しうるとしています。

METTLER TOLEDO は、取付は資格のある構造エンジニアが計画すべきで、型式ごとの据付サービスマニュアルを参照するよう求めています。同社のハンドブックは、風、地震、衝撃、熱、ロードセルケーブルの影響の計算や、配管接続の設計を含むと説明しています。Flintec も、圧縮型は据付時のアライメントが重要で、専用の取付金具と組み合わせるのが一般的だとしています。

「配管をつないだら値が変わった」という現象は、この章で見た力の分流や、配管の中の内容物の扱いと関係しえます。受け入れの試験で、配管や攪拌機をつないだ状態とつながない状態の値を比べる理由もここにあります。

なお、タンクの残量を知りたいだけなら、ロードセルによる重量計測のほかに、レベル計で液面を測る方法もあります。どちらが適するかは、内容物の性状や、求める値(重さか体積か)、タンクの構造で変わります。レベル計の側からの整理は、タンク残量監視の導入|液面計選定・発注点・タイ法令とRFPを参照してください。

主要メーカーの代表製品:公開資料で確認できる仕様

ここでは、本記事で公開資料を確認できた型式を並べます。順位や推奨ではありません。値はすべて各社の資料の記載で、確認できなかった欄は「公開資料で確認できず」としています。

メーカー、型式形状と位置づけ(同社説明)定格容量保護等級許容過負荷固有振動数ケーブル
ミネベアミツミ C2B1B-□-C3ビーム型、OIML C3200 kg〜2 tIP68相当150 %R.C.1,000〜1,500 Hz4芯シールド付、6 m直結
ミネベアミツミ CMM1R小型圧縮型490.3 N〜19.61 kNIP67相当150 %R.C.3,600〜10,000 Hz4芯シールド付ロボットケーブル、6 m直結
A&D LC4101〜LC4103シングルポイント型、四隅調整済み、引張と圧縮の両用6 N〜1.5 kNIP22(LC4101)、IP54(LC4102、LC4103)300 % of R.C.100〜665 Hz(LC4101系)型式との対応を確認できず
A&D LCC32ボタン型200 N〜5 kNIP64150 %公開資料で確認できず4芯シールド、0.3 m
A&D LCC11コラム型、OIML R60 C4/C6、大型ホッパスケールやトラックスケール用、受注生産100、200、300 kNIP68(水深1.5 m/100時間)200 %公開資料で確認できずφ8、12 m
共和電業 LCX-A-ID小型圧縮型、ステンレス、許容横荷重15%500 N〜20 kNIP67150%約24〜37 kHz6心シールド、3 m、脱着式
ユニパルス SCB高剛性、高応答(荷重計測用)100 N〜200 kN公開資料で確認できず500% R.C.26〜40 kHz(100 N〜5 kN)6芯シールドロボットケーブル、3 m
ユニパルス UIS引張圧縮型、両端おねじ1〜50 kNIP67相当300% R.C.2〜5 kHz(1〜5 kN)6芯シールドロボットケーブル、3 m
HBK Z6曲げビーム型、OIML D1〜C65 kg〜1 t(9容量)IP68公開資料で確認できず公開資料で確認できず6線式、3〜20 m

このほか、ミネベアミツミの U3S1(S字型)、CB17(低容量はかり用)、C1W1M(センターホール型)、PR6204(デジタル)、A&D の LCCD11(デジタル)、ユニパルスの DSCB(デジタル)、HBK の Z6R(20〜200 kg、衛生や過酷環境向けで Z6 と互換)と HLC(110 kg〜10 t)も、各社の資料で紹介されています。Flintec と METTLER TOLEDO については、本記事では技術解説のページを出典として使い、個別の型式の仕様値は確認していません。

タイでの入手性について、本記事で確認できた事実は次のとおりです。ユニパルスにはタイ語のサイトがあり、ロードセル、荷重計測、重量計測のカテゴリをタイ語で掲載しています。METTLER TOLEDO にはタイ向けのタイ語サイトがあり、産業用はかり、計量モジュール、ロードセル、校正や検証のサービスを掲載しています。ミネベアインテックは、2019年12月の業界誌の記事で、バンコクにある MinebeaMitsumi の生産拠点内に Experience Centre を開設したと報じられています(製品展示、トレーニング、製品試験、技術サポート)。この施設の現在の状況は、本記事では確認していません。ほかのメーカーのタイでの販売体制も確認していないため、各社か代理店に問い合わせてください。

価格について、公開価格を確認できたのは日本国内の一部の型式だけです。日本の通販サイトのモノタロウでは、2026年10月13日の閲覧時点で次の価格でした。A&D のシングルポイント LCB03 系が税別11,980円(税込13,178円)、ミネベアミツミの S字型 U3S1 が税別52,980〜62,980円(容量で異なる)、小型圧縮型 CMM1R が税別87,980円(税込96,778円)、渡辺電機工業のロードセル変換器 WVP-LCS-11A-1 などが税別71,980円(税込79,178円)です。A&D のメーカー標準価格(税抜)は、LC4101系が20,000円、LC4204-K600が48,000円(カタログPDFの更新日は2026年6月30日)、ボタン型 LCC32 が40,000円(2025年11月現在)、コラム型 LCC11 が60,000〜108,000円(2022年5月現在)です。いずれも日本の価格で、タイで品番単位の公開価格は確認していません。

校正とトレーサビリティ、法定計量

ロードセルの値は、校正して初めて工程の記録として使えます。

基本は、分銅または実荷重をかける校正です。三菱電機は Q61LD について、ロードセルに実負荷(分銅)をかけて総重量値を較正できると説明しています。METTLER TOLEDO は、基準の分銅を載せることで、信号の変化が荷重の変化に比例することを指示計に教える、と校正の考え方を説明しています。

4線式の場合、HBM は取付位置で校正する必要があると説明しています。前の章で見たように、ケーブルの長さと温度で感度が変わるためです。

大きなタンクでは、分銅を載せるのが難しいことがあります。各社は分銅を使わない方法も案内しています。METTLER TOLEDO はタンク、反応器、ホッパー、サイロ向けの「RapidCal」というタンクスケールの校正サービスを案内し、トレーサブルだと説明しています。A&D は、デジタルロードセル用のシミュレータ AD-4389 で、実分銅を使わずに擬似的な質量値を供給できると説明しています。ただし、こうした方法がどの用途で分銅の校正と同じ扱いになるかは、本記事では確認していません。採用する場合は、品質保証の部門と、どの方法で何を保証するかを決めてください。ロードセルに校正が要らない、と考えるのは避けた方が安全です。

校正の結果を、国の標準までさかのぼれるようにするのがトレーサビリティです。日本では、計量法にもとづく JCSS(計量法トレーサビリティ制度)があります。NITE の説明によると、校正事業者の登録は任意で、ISO/IEC 17025 の要求事項に適合しているかなどが登録の基準です。登録区分には「質量」と「力」が含まれます。JCSS は、1999年12月に APLAC、2000年11月に ILAC の相互承認に署名したと NITE は説明しています。

タイでは、NIMT(国家計量標準機関)が国の標準を持っています。NIMT は National Metrology System Development Act B.E. 2540 にもとづき1998年6月1日に設立された公的機関で、校正サービスの区分に「Mass」と「Force and Torque」を含みます。同機関は ISO/IEC 17025 の認定を受けていると説明しています。NIMT の力とトルクの研究室は、力の一次標準として0.1〜500 kNの標準分銅式発生装置(分解能35〜80 ppm)を維持し、SIにトレースできると説明しています。

法定計量も確認が必要です。2016年11月に作成された APLMF 向けのタイの経済報告(CBWM が承認)によると、商務省国内取引局の傘下にある CBWM(Central Bureau of Weights and Measures)が法定計量を担い、4つの地域検定センターと27の検定支所があります。同報告は、取引に使う(trade use)計量器で度量衡法の対象になるものは、市場に出す前や使う前に検定を受け、検定マークで封印する必要があると記載しています。対象には非自動はかり、自動はかり(ベルトコンベヤスケール、自動ばら計量システム)、分銅などが挙げられています。法律は1999年の Weights and Measures Act B.E. 2542 で、2006年と2014年に改正されています。法定でない任意の校正は、TLAS(タイの試験所認定制度)の認定を受けた試験所が提供していると同報告は説明しています。

工場の中の工程管理に使う計量や荷重監視と、出荷重量で代金が決まるような取引に使うはかりでは、求められる手続きが違います。取引用は CBWM の検定の対象になりえます。ただし、上の内容は2016年時点の報告です。自社のどの設備が取引用にあたるか、最新の運用がどうなっているかは、当局や代理店に確認してください。

校正の周期は、用途、使用頻度、品質要求で変わるため、本記事では一律の周期を示しません。自社の品質規程で決め、RFPと受け入れの記録に反映させます。

RFPに書く要件とFAT/SATの受入基準

見積依頼(RFP)には、ここまでの項目を具体的に書きます。各社の回答を同じ条件で比べられるようにするためです。

区分RFPに書く内容
用途と判定方式計量か荷重監視か。計量なら配合、充填、在庫など。荷重監視なら何を合否判定するか(ピーク荷重、荷重と変位の波形など)
荷重の向きと偏荷重圧縮、引張、両方のどれか。偏荷重や横荷重の有無と、想定される大きさ
容量の根拠最大荷重、風袋、台数、荷重の偏り。採用した計算式と安全係数を書いた容量計算書の提出
分解能と精度等級必要な表示の分解能。取引用ならOIML等級などの要否
応答(荷重監視用)工程の速さ、必要なサンプリング速度。ロードセルの固有振動数の記載
環境IP等級とその試験条件、防爆の要否、取付位置の温度範囲、洗浄や結露の有無
取付金具と配管金具の方式、重心の高さ、配管と伸縮継手の構成、攪拌機の有無
ケーブル4線か6線か、ケーブル長、延長や切断の可否(メーカーの指示を添付)
アンプ、指示計とPLC接続方式(アナログ、フィールドバス、PLC直結など)、PLC側の入力ユニットの型式と入力仕様
校正校正方法(分銅、実荷重など)、校正証明書の要否、トレーサビリティの範囲
予備品と交換手順予備のロードセルの数、交換後の再校正の手順と所要時間
設定値の記録ゼロ、スパン、フィルタ、判定しきい値などの設定値の一覧を納品すること

設定値の記録は、見落としやすい項目です。指示計やアンプは、交換したときに設定を入れ直さないと同じ値になりません。設定をどう保存し、どう戻すか、その手順書を誰が用意するかもRFPで決めておきます。

受け入れ試験は2段階に分けます。

  • FAT(工場出荷前試験):分銅または基準器を使い、複数の荷重で表示値、出力値、PLCで読んだ値を突き合わせます。直線性、偏置荷重(荷重の位置を変えたときの差)、ゼロ点、繰り返しを確認します。荷重監視用では、良品と不良品を模した条件で、合否判定が設定どおりに動くことを確認します
  • SAT(現地試験):実際の設備で、配管や攪拌機をつないだ状態と外した状態の値の変化を記録します。一定期間運転し、既存の計量記録や検査記録と突き合わせます。荷重監視用では、良品の荷重の範囲を集め、誤判定と見逃しがないかを確かめます

合格基準の数値(基準器との差の許容幅、偏置荷重の差、SATの期間など)は、自社の工程と品質要求から決めてください。RFPには「例として」自社の目標値を置き、メーカーや装置メーカーと協議して確定させます。業界で決まった標準値があるわけではありません。

センサの選定とRFPの組み立て方は、同じシリーズの圧力センサ 選定ガイド|用途・流体・サージとタイ工場のRFPでも、圧力の側から整理しています。

費用と効果のモデル試算(仮の数字)

ここからの数字は、すべてこの記事のための仮の数字です。実際の金額は、工場の条件と見積で大きく変わります。

想定するのは、タイの日系自動車部品工場です。ベアリングとブッシュの圧入工程が2ステーションあります。現状は圧入後の寸法を抜き取りで測るだけで、圧入荷重は記録していません。

現状の損失(基準値、年あたり)を次のように置きます。顧客への流出と、後工程での発見は、別の部品で起きる別の事象として数えます。二重には計上しません。

事象前提年額(THB)
圧入不良が顧客まで流出したことによるクレーム対応と選別年2回×120,000 THB240,000
圧入不良が後工程(組付け、最終検査)まで流れてから見つかり、その間に追加でかかった加工、組付け、解体の費用年600個×150 THB(顧客流出とは別の部品)90,000

構成Aは、2つのステーションに圧入荷重監視用のロードセルとアンプを付け、荷重の合否判定と波形の記録をPLCと記録系に渡すものです。初期費用600,000 THBの内訳は、ロードセルとアンプ2組×90,000 THB=180,000 THB、取付治具とPLCプログラムと記録の仕組みで270,000 THB、設計とFAT/SATで150,000 THBです。年間運用費(校正、予備品、設定管理)は40,000 THBと置きます。

項目基準ケース感度(事象が想定の半分)
顧客流出の回数年2回年1回
クレーム対応と選別(回数×120,000 THB)240,000120,000
後工程で見つかる個数年600個年300個
追加の加工、組付け、解体(個数×150 THB)90,00045,000
年間効果(全部止められた場合の上限)330,000165,000
年間運用費40,00040,000
年間純効果290,000125,000
初期費用600,000600,000
回収年数約2.1年4.8年

(単位はTHB)

計算の内訳は次のとおりです。

  • 初期費用:180,000+270,000+150,000=600,000
  • 基準ケース:2×120,000=240,000。600×150=90,000。240,000+90,000=330,000。330,000−40,000=290,000。600,000÷290,000≒2.1年
  • 感度:1×120,000=120,000。300×150=45,000。120,000+45,000=165,000。165,000−40,000=125,000。600,000÷125,000=4.8年
ロードセル 選定ガイド|荷重方向・用途・環境とタイ工場のRFP - figure 3

試算の読み方を3点挙げます。

1点目は、年間効果が「全部止められた場合」の上限だということです。実際の効果は、圧入荷重の合否しきい値をどう決めるかで変わります。しきい値は、SATで良品の荷重の範囲を集めてから決めます。また、材料や寸法に起因していて荷重に表れない不良は、荷重監視では見つけられません。そうした不良がどれだけあるかでも、効果は小さくなります。

2点目は、SATで誤判定と見逃しを確認できるまでは、効果に数えないことです。良品を不良と判定する誤判定が多いと、現場は判定を信用しなくなり、効果は出ません。

3点目は、回収年数が事象の頻度に強く依存することです。事象が想定の半分になると、回収は約2.1年から4.8年に延びます。導入前に、過去1年のクレーム記録と後工程での不良記録から、圧入に起因する事象の頻度を数えることを勧めます。

よくある質問

ロードセルの種類はどう選ぶ?

まず荷重の向きと取付の形で選びます。上から押すなら圧縮型(キャニスター型、コラム型、ビーム型など)、吊り下げるなら引張型やS字型、1個で台はかりを作るならシングルポイント型が候補です。次に、計量用か荷重監視用かで、メーカーの位置づけが違う型式群から選びます。形状の分け方はメーカーで違うため、名前より荷重の向き、偏荷重への強さ、容量の範囲で比べると実務的です。

ロードセルの容量はどう計算する?

最大荷重の何倍という単一の倍率ではなく、風袋、はかり容量、台数、荷重の偏りで計算します。METTLER TOLEDO は、荷重がほぼ中央にかかるタンクで C ≥ sf×(TDL+SC)÷N、偏りやすい4点支持で C ≥ sf×(TDL÷4+SC÷2) という式を示し、安全係数 sf は通常1.25と説明しています。必要以上に大きい容量は精度が落ちるとも説明しています。係数の決め方はメーカーや用途で違うので、採用した式をRFPの容量計算書に書かせてください。

ロードセルアンプは何を選べばよい?

用途で分かれます。配合や充填の計量なら、計量シーケンスを持つウェイング指示計が候補です。圧入やかしめの監視なら、高速なサンプリングと波形判定を持つ指示計が候補です。PLCで値を記録したいだけなら、4〜20 mAなどのアナログ出力のコンバータ、フィールドバス付きの組込型指示計、PLC直結のロードセル入力ユニットがあります。印加電圧と、何台を並列につなげるかの条件も確認してください。

デジタルロードセルにするべき?

デジタルロードセルは、ロードセルの側でA/D変換を行い、RS-485やCANなどで値を出します。複数台のロードセルを個別に読めるため、どの1台がおかしいかを切り分けやすくなります。一方で、受け側の機器や接続箱、専用ケーブルが必要になり、A&D の例ではアナログ品より標準価格が高くなっています。どの用途でもデジタルの方が精度が高いとは言えないので、既存の指示計やPLC、診断の必要性から判断してください。

ロードセルの校正はどうする?

基本は、分銅または実荷重をかけ、表示値や出力値を合わせる校正です。4線式は、取付位置で、実際に使うケーブルを付けた状態で校正する必要があると HBM は説明しています。大きなタンクでは、メーカーが分銅を使わない方法を案内していることもありますが、その方法で何を保証できるかは品質保証の部門と決めてください。取引に使うはかりは、タイでは CBWM の検定の対象になりえます(2016年時点の資料による)。最新の運用は当局や代理店に確認してください。

ロードセルのケーブルは延長できる?

型式とメーカーの指示によります。4線式は、ケーブルの長さで感度が変わります。HBM の資料の例では、5 mで0.36%、50 mで3.6%の感度変化でした。延長するなら6線式を使うのがよいと HBM は説明しています。HBK Z6 は6線式なので切断できると同社は説明する一方、METTLER TOLEDO は現場でケーブルの長さを変えないよう求めています。取扱説明書を確認し、長さを変えたら再校正してください。

ロードセルの価格は?

公開価格を確認できたのは、日本の一部の型式です。モノタロウでは、2026年10月13日の閲覧時点で、A&D のシングルポイント LCB03 系が税別11,980円、ミネベアミツミの CMM1R が税別87,980円、渡辺電機工業のロードセル変換器 WVP-LCS-11A-1 などが税別71,980円でした。A&D のメーカー標準価格(税抜)では、コラム型 LCC11 が60,000〜108,000円(2022年5月現在)です。ほかの型式と時点は、本文の「主要メーカーの代表製品」の章にまとめています。いずれも日本の価格で、タイで品番単位の公開価格は確認していません。

まとめ

  • ロードセルの選定は、容量より先に、①荷重のかかり方と取付、②計量か荷重監視か、③環境、を決めることから始まる(本記事の見解)
  • 形状の分け方はメーカーで違う。荷重の向き、偏荷重や横荷重への強さ、容量の範囲で比べる
  • シングルポイント型の偏置補償は、積載面の大きさと偏置量の条件付き。条件の外では前提が崩れる
  • 計量用と荷重監視用では、固有振動数などの仕様の桁が違う。荷重監視ではアンプのサンプリング速度とあわせて確認する
  • 容量は、風袋、はかり容量、台数、荷重の偏りから計算する。単一の倍率で決め打ちせず、大きすぎる容量も避ける
  • 精度の指標は定義がメーカーで違う。OIML の C3 は Class C、3,000目盛を表し、「±何%」の1つの数字には置き換えられない
  • IP等級は試験条件まで確認する。ケーブルの切断や延長は、4線か6線かとメーカーの指示による
  • タンクやホッパーの誤差は、取付金具、配管、重心、攪拌に大きく左右される(各社の技術資料による)。SATで配管をつないだ状態の値の変化を記録する
  • 取引に使うはかりはタイでは CBWM の検定の対象になりえる。最新の運用は当局や代理店に確認する
  • 効果の試算は上限として置き、SATで誤判定と見逃しを確認できてから数える

どの工程の重さや荷重から記録を始めるか、今の計量ずれや圧入不良がどこで起きているか。そうした棚卸しの段階からでも、TOMAS TECH にご相談いただけます。タイの日系工場で、要件の整理からRFP、FAT/SATまでを一緒に進めます。お問い合わせはこちらからどうぞ。

参考情報