毎朝、担当者が工場の外周を回り、苛性ソーダのタンク、酸のタンク、ボイラー用のディーゼルタンク、接着剤のIBCの液面計を1つずつ読んで、紙に書き、事務所でExcelに転記する。残りが少なくなったら薬品メーカーや燃料業者に電話をする。タンク残量監視を検討し始めるタイの工場では、こうした光景をよく見かけます。
困るのは、普段ではなく例外のときです。連休明けに見たら残量がほとんどなく、特急配送を頼む。夜間に「明日の朝まで持つか」と電話がかかってくる。逆に、早めに頼んだらローリーが来た時点でタンクにまだ液が多く残っていて、全量が入らず持ち帰ってもらう。ラヨーン、チョンブリー、アユタヤ、バンコク近郊の日系の化学、樹脂、食品、自動車部品、電子部品、金属加工の工場で、珍しくない話です。
この記事は、そうした工場の設備・ユーティリティ担当、購買、生産管理、安全環境(EHS)、IT担当に向けて、タンクの残量を遠隔で見る仕組みを作るときに「何を測り、どの液面計で、どう通信し、どこで発注を判断し、どう比べ、どう導入するか」を整理した実務ガイドです。
最初に、この記事の主張をまとめておきます。
タンク残量監視の目的は「液面を見える化すること」ではありません。タンクごとに「いつ、何リットル発注するか」を決められる数字を持つことにあります。
遠隔監視を入れても欠品や特急配送、溢流のヒヤリが減らない典型は、次の3つです。
- ①液位(mm)と在庫量(L、t)の違いを詰めておらず、容量表、温度補正、取付け条件で在庫の数字がずれている
- ②発注点(日次消費量×リードタイム+安全在庫)と、受入可能量(満量×上限率−現在量)の両方を決めていない
- ③高高(HH)の溢流防止を、残量監視の液面計1台に兼ねさせている
だから、液面計の方式(レーダーか静圧か)を選ぶより先に、タンク台帳と、測る量、発注のルール、警報の段階を決めます。後半の仮の試算でも、投資の回収を決めるのはセンサーの方式ではなく、自社の緊急発注・特急配送の実回数と、既設の計器(4-20mA、HART)を活かせるかどうか、の2つだという結果になります。
なお、この記事は特定の製品を推奨したり、ランキングを付けたりするものではありません。法務、許認可、電波法の助言でもありません。タイの法令は「確認すべき論点」として紹介するもので、最新の要件は所轄当局(エネルギー事業局 DOEB、工業省工場局 DIW、NBTC)や専門家に確認してください。試算と発注点の例に出てくる量、金額、時間、費用は、すべてこの記事のための仮の数字です。
なぜ今、タンクの残量を数字で持つのか
生産が伸びる局面では、消費量の読みが外れやすい
タイの製造業の直近の数字は、生産と受注が伸びていることを示しています。ロイターの報道によると、タイ工業省の製造業生産指数(MPI)は2026年8月に前年同月比+4.44%で、ロイター調査の市場予想+1.0%を上回りました。ただし工業省はこのとき、新しい電子製品を加えウエイトを変えるなど、MPIの算出方法を改定しています。2026年8月以降の数字は、旧系列と単純には比べられません。
S&P GlobalのタイManufacturing PMIは、2026年9月に54.3(8月は53.8)で、2025年12月以来の高い水準でした。Trading Economicsの報道では、生産は9カ月ぶりの速さで拡大し、新規受注は6カ月で最も強かったとされています。
これらの数字が、個々の工場の薬品や燃料の使い方を変えているとまでは言えません。ただ、生産が増えると1日に使う量が増え、これまでの「だいたい週に1回頼めば足りる」という感覚が外れやすくなります。
燃料の単価と補助の扱いが動いている
燃料の価格も動いています。Nation Thailandの報道によると、PTT Oil and Retail Business(OR)とBangchakは、2026年10月2日にガソリン、ガソホール、ディーゼルの小売価格を1リットルあたり0.75バーツ引き上げ、バンコクのディーゼル(標準)は42.19バーツ/Lになりました。これは小売価格で、工場がローリーで受ける納入価格とは別のものです。
同じくNation Thailandの2026年10月7日の報道では、エネルギー省が燃料補助の出口戦略を検討しています。石油燃料基金事務局の10月4日時点の財務報告で純赤字は989.42億バーツとされ、ディーゼルの補助はピーク時の1リットルあたり5〜6バーツから、現在は2〜3バーツに下がっていると報じられました。製油所出し値の割引の拡大、ディーゼル物品税の引下げ、政府保証の新規借入という3つの案はいずれも未承認で、エネルギー相の方針待ちとされています。今後の価格がどう動くかは決まっていません。
燃料や薬品の単価が動き、生産が増える局面では、タンクに何リットル残っていて、1日に何リットル使っているかの実測が、原価の管理と発注の判断の前提になります。
タイ国内の直接の制度改正は確認できなかった
一方で、2026年8〜10月に、タイ国内でタンクの残量監視、液面計、VMI(ベンダー管理在庫)に直接関係する公的な発表や制度の改正は、今回の調査では一次情報で確認できませんでした。この記事は「規制が変わったから入れる」という話ではなく、「欠品と特急配送と溢流のヒヤリを減らすために、何を決めるか」という話です。
タンク残量監視とは:タンクから発注までの流れ
5つの段の流れ
タンク残量監視は、次の流れで成り立っています。

- タンク:薬品タンク、燃料タンク、IBC、液化ガスの貯槽
- 液面計(センサー):液位、圧力、重量のいずれかを測る
- 通信:既設のPLC・DCSへの配線、またはゲートウェイ、セルラー(NB-IoT、LTE-M)、LoRaWAN
- クラウドまたはSCADA:液位を容量(L)や質量(t)に換算し、履歴を持つ
- 使い道:警報(低液位、高液位)、発注またはVMIによる補充、ERPの在庫計上
製品によっては、この5段をまとめて提供しています。たとえばEndress+Hauserの公式資料によると、同社の SupplyCare Hosting は「計測センサー+データ伝送ゲートウェイ+SupplyCare」という構成で、在庫の上限や安全在庫に達すると定義した関係者へ自動で通知し、原料の再発注の最適な時点を認識するとしています(ベンダー主張)。
大事なのは、最後の「使い道」から逆算して前の段を決めることです。警報だけが欲しいのか、発注の判断まで自動化したいのか、ERPの在庫を液位から計上したいのかで、必要な精度も通信の頻度も変わります。
ガス供給事業者のテレメトリとの関係
タイでは、ガス供給事業者が顧客のタンクを見る仕組みがすでにあります。Bangkok Industrial Gas(BIG、Air Productsグループ)の公式ページによると、同社の「BIG Telemetry」は、顧客の貯槽の液化ガスの液位と一定期間ごとの使用量を自動で監視し、残量の評価と管理、次回の配送の計画に使えるとしています。多くの顧客がこのテレメトリを利用している、とも記載されています(ベンダー主張。利用顧客数や効果の数値は記載なし)。
液化窒素や液化酸素の貯槽は、すでにこうしたサービスで見えている工場もあるはずです。そうであれば、自社で新たに監視したいのは、薬品、燃料、IBCといった「供給事業者が見ていないタンク」になります。最初にタンク台帳を作るときは、「誰が見ているか」の列を入れておくと、重複投資を避けられます。
タンクに入れた瞬間、ロットは混ざる
もう1つ、残量監視とロット管理は別の話だということも押さえておきます。タンクに新しいロットを継ぎ足すと、前のロットの残りと混ざります。残量監視は「何リットルあるか」を教えてくれますが、「どのロットが何リットルか」は教えてくれません。トレーサビリティが必要な薬品は、受入の記録と払出の考え方を別に設計する必要があります。この点は化学品ロット管理の記事で、合流で追跡が切れる問題として詳しく扱っています。
タンク遠隔監視を入れても欠品が減らない3つの理由
理由①:液位と在庫量の違いを詰めていない
液面計が出すのは、基本的に「液位(mm)」か「圧力」か「重量」です。発注に必要なのは「何リットル(または何トン)あるか」です。この間をつなぐのが容量表と温度補正ですが、ここを曖昧にしたまま「液位○%」で運用していると、とくに横置きのタンクで残量を見誤ります(後の章で表にします)。
理由②:発注点と受入可能量の片方しか決めていない
多くの工場には「残りが少なくなったら頼む」という下限のルールはあります。しかし「この量より多く残っているうちに頼むと、ローリー1台分が入らない」という上限のルールは、ほとんど決まっていません。下限だけでは早く頼みすぎる失敗を防げず、上限だけでは欠品を防げません。発注してよい量の「窓」を、タンクごとに決める必要があります。
理由③:溢流防止を残量監視の液面計に兼ねさせている
残量監視の液面計に「高液位警報」を設定して、それで溢流防止も済ませたつもりになっている例があります。しかし液面計が固着したり、通信が切れたりすれば、残量の表示も高液位の警報も同時に失われます。溢流を防ぐ最後の段(HH)は、残量の液面計とは独立した系統にするのが原則です。これも後の章で、英国の事故の例とあわせて説明します。
効果の公的な統計は見当たらない
タンクの遠隔監視やVMIの効果(配送回数、在庫、欠品の削減率など)について、調査主体、国、業種、年、母数が明確な公的統計や学術調査は、今回の調査では確認できませんでした。ベンダーの資料には削減率が出てくることがありますが、条件が分からない数字を自社の投資判断に使うのは危険です。
だからこの記事では、効果の数字を外から借りず、自社のタンクごとの消費量、リードタイム、緊急発注の回数を実測するところから始めることを勧めます。
何を測るか:液位・容量・質量の3層
3つの層
タンクの「残量」には、次の3つの層があります。
| 層 | 単位 | 何で得るか | 注意点 |
|---|---|---|---|
| ①液位 | mm | レーダー、超音波、ガイドウェーブレーダー、フロートなど | タンクの形が分からないと量にならない |
| ②容量 | L(燃料なら基準温度換算のLも) | 液位×容量表、温度補正 | 容量表の精度と、温度による体積の変化 |
| ③質量 | t、kg | ロードセル、静圧と密度 | 密度が変わると静圧からの換算がずれる |
液面計は①を、ロードセルは③を直接測ります。発注や在庫計上で使う②へ換算するには、容量表(タンクの検定)と、燃料なら温度補正が要ります。
薬品タンクの在庫管理では、質量で持つこともある
苛性ソーダや酸などの薬品は、購入単位がトンやキログラムであることも多く、在庫を質量で持つほうが購買と話が合うことがあります。METTLER TOLEDOの2021年の資料は、ロードセルによる計量を最も正確なタンク在庫管理の手法の一つとし、非接触の液位計測やほとんどの流量計は体積しか得られないと主張しています。ただしこれは計量器メーカー自身の比較の主張で、既設のタンクに後付けする場合は、タンクを計量器にするための架台の改造が必要になります。どちらが優れているとは一概に言えず、購入単位と既設の条件で決めます。
容量表はタンクの検定から作る
液位を容量に換えるための「容量表(ストラッピングテーブル)」は、タンクの検定に基づいて作ります。米国石油協会(API)の石油計量基準マニュアル(MPMS)には、立形円筒タンクの検定手順を示す Chapter 2.2A(第2版、2019年11月)や、横置き円筒タンクの手動検定法を示す Chapter 2.2E / ISO 12917-1:2002 があります。APIのカタログによると、後者は直径4m・長さ30mまでの定置の横置き円筒タンクを対象に、皿形、平、楕円、半球の鏡板に適用でき、水平から10%までの傾きは実測した傾きの補正を行えば適用できるとしています。
つまり、横置きのタンクは、鏡板の形と傾きで液位と容量の関係が変わります。メーカーの銘板の満量と直径だけから計算した値では、在庫の数字は合いません。
横置き円筒は、液位と容量が比例しない
横置き円筒タンクの液位と容量の関係を、理想的な円筒(鏡板と傾きを含まない)で計算すると、次のようになります。これは記事側の幾何計算で、出典に載っている数値ではありません。
| 液位(直径に対する%) | 容量(満量に対する%) |
|---|---|
| 5% | 1.9% |
| 10% | 5.2% |
| 20% | 14.2% |
| 30% | 25.2% |
| 50% | 50.0% |
| 80% | 85.8% |
| 90% | 94.8% |
| 95% | 98.1% |
液位の%をそのまま残量の%として発注を判断すると、低液位の側で残量を多く見積もります。液位10%と表示されていても、容量は約5%しかありません。欠品が起きやすいのは、まさにこの低液位の側です。逆に高液位の側では、液位90%でも容量は約95%に達しています。実際の容量は、検定済みの容量表を使ってください。
燃料は温度で体積が変わる
燃料は温度によって体積が変わります。API MPMS Chapter 11.1 は、原油、精製品、潤滑油の液体炭化水素について、温度と圧力が密度と体積に与える影響を補正するアルゴリズムを示しています。ここで、天然ガス液(NGL)と液化石油ガス(LPG)はこの規格の対象外です。また Chapter 9.1 は、比重計で測った密度を 15 °C または 60 °F の値に補正する手順を示しています。
燃料は基準温度の体積で取引や管理がされることがありますが、タイの工場への燃料の納入が基準温度換算で行われているかどうかは、今回確認できていません。自社の燃料業者の納品書が、どの温度の体積で書かれているかを確認し、在庫の計算をそれに合わせてください。
精度の考え方:機器の精度と在庫の精度は別物
液面計のカタログにある「±1mm」「±2mm」は、機器単体の精度です。在庫量(L)の精度は、これとは別物で、次の4つの合成になります。
- 計器の精度(mm)
- 容量表の精度(検定の有無、横置き円筒の鏡板と傾き)
- 温度と密度の補正
- 取付けと液面の状態(泡、攪拌、ノズルの位置)
横置き円筒では、同じ1mmの液位の誤差でも、中央付近(液面の幅が最も広い)で容量の誤差が最大になり、上下の端では小さくなります。これは円の弦の幾何から導かれる性質で、記事側の説明です。
実務では、「在庫で何リットルの誤差なら発注の判断に困らないか」を先に決めます。たとえばローリー1台分の数千リットル単位で発注しているタンクで、機器の精度をmm単位で競っても、発注の判断は変わりません。逆に、容量表がなく銘板から計算しているなら、どれだけ精度の高い液面計を付けても在庫の数字は合いません。お金をかけるべきは、計器より容量表の側であることも多いのです。
液面計選定の進め方:方式ごとの得手不得手
主な方式
Endress+Hauserの選定ガイド(CP00023F)は、液体の連続液位計測の方式として、レーダー、ガイドウェーブレーダー、静圧・差圧、超音波、サーボ、静電容量、放射線を挙げています。工場のタンクでよく使うものを整理すると、次のとおりです。
| 方式 | 測る原理 | 同社資料の機器精度の記載 | 機能・精度に影響しうる条件(同社資料) |
|---|---|---|---|
| レーダー(非接触) | 電波の反射 | 80 GHz ±1mm、26 GHz ±2mm、6 GHz ±6mm | 泡、極端に乱れた液面、ビーム内の障害物・干渉反射。比誘電率1.2未満は適用限界 |
| ガイドウェーブレーダー(接触) | プローブに沿った高周波パルスの反射時間 | 15m未満 ±2mm、15m超 ±10mm | 極端な付着。攪拌機のある用途、極端な泡、比誘電率1.4未満は適用限界 |
| 超音波(非接触) | 音波パルスの往復時間 | ±2mm、測定距離の±0.2% | 泡、沸騰面、結露、高い蒸気圧、気相の温度層、急な温度変化 |
| 静圧・差圧(接触) | 液柱の圧力 | 設定スパンの最大±0.025% | 乱れた液面、密度変化、攪拌機による動圧(差圧) |
| 静電容量(接触) | プローブとタンク壁の静電容量 | 測定距離の±1% | プラスチックタンク、極端な導電性付着、攪拌羽根、比誘電率2.0未満 |
出典はいずれもEndress+Hauserの技術資料で、メーカーの機器単体の値です(ベンダー主張)。前の章で書いたとおり、これはタンクの在庫量の精度ではありません。
フロートについては、同社の資料では点検出(スイッチ)の区分に入っています。既設のフロート式の液面計がある場合は、その信号の種類(接点か、連続の出力か)を確認してください。
条件別の早見
同じ資料の選定ガイド表や、他のメーカーの技術資料を組み合わせて、条件別に整理すると次のようになります。
| タンクの条件 | 向きやすい方式 | 不利・要確認の方式 |
|---|---|---|
| 泡、蒸気が多い | 静圧・差圧、ガイドウェーブレーダー(濃い泡は要確認) | 超音波 |
| 攪拌機、内部の構造物がある | ビームの狭い高周波レーダー(80 GHz) | ガイドウェーブレーダー(攪拌機の用途に不向き) |
| 液の密度が変わる | レーダー、ガイドウェーブレーダー、超音波 | 静圧 |
| 加圧、高い蒸気圧 | レーダー、ガイドウェーブレーダー、静圧・差圧 | 超音波 |
| プラスチックタンク | 静電容量以外の方式(IBC・プラスチック容器用をうたう電池式レーダーもある) | 静電容量 |
| IBC、移動する容器 | 電池式の無線レーダー | 配線を前提とする方式 |
| 重量で持ちたい、形が複雑 | ロードセル | 液位計(容量表が必要) |
ビームの狭さについては、VEGAのブログ(2020年)が、ビーム角は送信周波数と有効なアンテナ径で決まり、80 GHz・80mmアンテナでビーム角は3°、同じアンテナ径の一般的な超音波センサーや26 GHzのレーダーは約10°だとしています。ビームが狭いと配管やポンプ、壁の付着の影響を受けにくい、という説明です(ベンダー主張)。
泡については注意が要ります。Emersonのガイドウェーブレーダーの解説は、泡や蒸気、付着、密度変化の影響を受けにくいとする一方で、同じページで「高密度の泡は誤差要因になりうる」とも書いています(ベンダー資料)。泡の影響は泡の性状次第で、自社の液と運転条件で実機を確かめるのが確実です。
横置き円筒タンクの選定例
Endress+Hauserの資料には、横置き円筒の貯槽の選定例も載っています。静かな液面、精度3〜10mm、スティリングウェルなしの上部設置、タンク径3m以下という条件で、第一推奨は非接触ではレーダー、接触式ではガイドウェーブレーダーとしています。レーダーの適用限界として「強い泡」「多数の障害物」「低い比誘電率(1.2未満)」を挙げ、その場合の代替としてガイドウェーブレーダーや静圧などを示しています(ベンダー主張)。
点検出は別の記事で
この記事で扱うのは、貯槽の連続した液位と、それを在庫と発注に使う話です。装置の中で「液がある・ない」を検知する点レベルのセンサー選びは、静電容量式センサーの液位検知の記事で詳しく扱っています。残量監視の液面計とは別に、低液位や高液位の独立した点検出を置くときにも参考になります。
既設のアナログ計器を、当面カメラで読む選択肢
既設のタンクに、ガラスの液面計やダイヤル式の液面計がすでに付いている場合、すぐに液面計を交換できないこともあります。その場合、当面はカメラで既設の計器を読み取るという選択肢もあります。巡回の負担を減らしながら、消費量の実測データを先に貯められます。この方式の考え方と受入試験は、メーター読み取りAIの記事にまとめています。
防爆と保護等級
Zone区分の考え方
溶剤や燃料のタンクの周りは、爆発性の雰囲気が生じうる危険区域になっていることがあります。区域の区分(Zone)の考え方は、IEC/ATEX系の定義で整理されています。英国のDSEAR 2002 附則2(ATEX指令に基づく区域区分の定義)では、次のように定めています。
- Zone 0:ガス、蒸気、ミストと空気の爆発性雰囲気が、連続して、または長時間・頻繁に存在する場所
- Zone 1:通常の運転中に時々生じうる場所
- Zone 2:通常の運転中には生じにくく、生じても短時間しか持続しない場所
粉じんについては、Zone 20/21/22 で同様に定義されています。ガス・蒸気の区域の分類の国際規格としては IEC 60079-10-1:2020(Edition 3.0)があります。ただし、これは英国法と国際規格の定義です。タイ国内の区域区分の法的な根拠は、今回確認していません。
製品の認証の記載例
液面計の側では、防爆と保護等級の認証を確認します。たとえばVEGAの公式資料によると、VEGAPULS Air 23 は保護等級 IP69 で、ATEX/IECの本質安全防爆「i」と粉じん防爆「t」の認証があるとしています。Endress+Hauserの選定チェックリストは、承認の項目として Ex(Ex ia、Ex d)、WHG、船級、EHEDG、3-A、SILなどを挙げています(いずれもベンダー資料)。
区域の判断は、液面計の側からは決められません。自社の危険区域図をもとに、所轄や専門家と確認したうえで、その区域に合った認証の機器を選んでください。電池式の無線機器を危険区域に置く場合は、電池交換の手順も含めて確認が必要です。
通信と電源:既設の信号か、電池式の無線か
既設のDCS・PLCがあるなら、まず既設の信号
すでに液面計が付いていて、その信号がPLCやDCSに入っているなら、まずその信号を活かすことを考えます。Endress+Hauserの選定チェックリストは、電気接続として2線式・4線式、デジタル通信として HART、PROFIBUS、Ethernet-APL、FOUNDATION fieldbus などを挙げています。同社の化学品販売業者向けの構成例では、4〜20mAのアナログ入力4点、Modbus TCP、Modbus→HART(マルチドロップ)の変換器を持つゲートウェイから、Ethernet、WiFi、セルラーでクラウドに送る構成を示しています。VEGAの在庫管理システムについての業界誌のベンダー記事では、HARTマルチドロップで1台のコントローラに最大15台のセンサーをつなげるとしています(いずれもベンダー主張)。
後の試算で見るとおり、既設の信号を活かせるかどうかは、投資の回収に大きく効きます。
配線のない屋外タンクやIBCは、電池式の無線
配線のない屋外のタンクや、移動するIBCには、電池で動く無線の液面計が使われます。公式資料によると、次のような製品があります(いずれもベンダー主張)。
- Endress+Hauser Micropilot FWR30:80 GHz、最大測定距離30m、液体で精度±2mm、NB-IoT/LTE-M/2G(フォールバック)、電池駆動、GPSによる移動タンクの位置追跡、使用温度−20〜+60℃
- VEGA VEGAPULS Air 23:80 GHz、測定範囲3m、精度±5mm、NB-IoT/LTE-M/LoRaWAN、外部電源不要、IBCやプラスチック容器の液位計測用、接着や締付ベルトで取付け
タイの920–925 MHz帯
LoRaWANのように920–925 MHz帯を使う機器は、タイではNBTCの基準の対象になります。2017年11月24日に官報に掲載されたNBTCの告示と技術基準(原文タイ語)では、次のように定めています。
- 920–925 MHz帯は音声以外の通信に限る
- 等価等方輻射電力(e.i.r.p.)は4 W以下
- 50 mW以下の機器は、製造、所持、使用などの許可と無線局開設の許可が免除される(販売の許可は免除されない)
- スペクトラムアクセスは、デューティサイクル(1時間あたり、帯域幅500 kHz以下。50 mW未満で1%、50 mW超〜4 W以下で10%)か、周波数ホッピングのいずれか
- 混信からの保護はなく、他の許可済みの通信に重大な混信を与えた場合は直ちに使用を停止する
デューティサイクル1%は、送信の頻度とデータ量の設計の制約になります。LoRaWANのタイでのチャネルプランの名前については、一次資料を確認できていないため、この記事では断定しません。これは2026年10月時点で確認できた基準で、その後の改正の有無は確認していません。機器ごとの適合は、ベンダーに確認してください。
セルラー(NB-IoT、LTE-M)
セルラーについては、AISが2018年5月の広告記事で、2018年2月にNB-IoTで77県を網羅したと発表しています。これは2018年の広告記事で、2026年時点のエリアや提供条件ではありません。また、IoT機器メーカー1社(Digital Matter)の技術メモ(2026年9月29日更新)は、同社の観察として、AISのNB-IoTはバンド8、LTE-Mはバンド3で運用されていると記載しています。
タンクは、建屋の陰や金属の構造物の近く、地下のピットなど、電波の届きにくい場所にあることが少なくありません。導入の前に、設置場所での電波の確認を必ず行ってください。
電池の寿命は、測る頻度で大きく変わる
電池式の機器の寿命は、測定の頻度と通信方式と電波の状況で大きく変わります。たとえばFoxInsightsの公式ページは、同社のFoxRadar Gen 4 について「1日1回の測定で10年超」とし、方式別に Cat-M で7〜12年、NB-IoT で5〜10年、2G で2〜5年と記載しています(メーカー公称値)。同じ製品でも、条件によって年数の幅がこれだけ違います。
発注の判断には1日1回の値で足りるタンクもあれば、受入のときや消費の速いタンクで頻度を上げたいこともあります。仕様書の電池寿命がどの頻度と方式の条件なのかを確認し、自社の運用の頻度で見積もってもらってください。
通信方式の比較
| 観点 | 既設の4-20mA・HART・Modbus | 電池式セルラー(NB-IoT、LTE-M) | LoRaWAN(920–925 MHz) |
|---|---|---|---|
| 向くタンク | 既設の液面計とPLCがあるタンク | 配線のない屋外タンク、IBC | 構内に多数のセンサーがある場合 |
| 電源 | 既設の計装電源 | 電池 | 電池(ゲートウェイは電源が必要) |
| 主な確認点 | PLCの空き入力、信号の取り出し方 | 設置場所の電波、電池寿命の条件 | NBTCの基準、デューティサイクル、ゲートウェイの設置 |
| 通信が切れたとき | PLC・DCS側の監視に依存 | 送信の失敗と再送の挙動 | ゲートウェイの死活監視 |
欠測を前提に設計する
どの方式でも、通信が切れて値が届かない時間は必ず起きます。危ないのは、最後に届いた値のまま画面が「正常」に見えることです。最終受信の時刻を表示し、一定時間届かなければ「欠測」の警報を出す設計が必要です。欠測の監視と受入基準の作り方は、工場センサーデータ欠測対策の記事にまとめています。
発注点と受入可能量の決め方
2つの量を、タンクごとに決める
発注のルールには、2つの量が要ります。
- 再発注点:これを下回ったら発注する量。再発注点(L)=日次消費量の平均×リードタイム(日)+安全在庫
- 受入可能量:今、ローリーから受け入れられる量。受入可能量=(満量×許容上限率)−現在量
再発注点の考え方は、在庫管理の教科書的な整理に基づきます。米アイオワ大学の講義資料は、安全在庫を「再発注点からリードタイム中の需要の期待値を引いたもの」とし、リードタイム中の需要のばらつきは、日々の需要のばらつきとリードタイムのばらつきの両方から生じると説明しています。ばらつきのない長いリードタイムのほうが、ばらつきの大きい短いリードタイムより安全在庫が少なくて済む場合がある、とも書いています。
つまり、燃料業者や薬品メーカーの「発注から何日で来るか」が安定しているかどうかは、タンクの容量と同じくらい大事な情報です。タンク台帳には、リードタイムの平均だけでなく、遅れた実績も記録しておきます。
燃料タンクの残量管理の例(仮の数字)
ボイラーや非常用発電機に使うディーゼルの地上タンクを例に、数字を当てはめてみます。以下はすべてこの記事のための仮の数字です。上限の90%は、タイの燃料油貯蔵場所の2008年の省令(非公式英訳で確認した範囲)の「容量の90%を超えて入れてはならない」を当てはめた例です。自社のタンクの該当区分と要件は、所轄に確認してください。
- タンクの容量:10,000L(90%の上限で最大9,000L)
- 日次消費量:400 L/日
- 補充のリードタイム:3日
- 安全在庫:2日分(800L)
- ローリー1台の納入量:6,000L
再発注点 = 400 × (3 + 2) = 2,000L
受入の条件:納入の時点で6,000Lが入るには、納入時の残量が 9,000 − 6,000 = 3,000L以下である必要があります。発注から納入までの3日で 400 × 3 = 1,200L 減るので、発注の時点の残量は 3,000 + 1,200 = 4,200L以下でなければなりません。
したがって、発注してよい窓は残量2,000〜4,200Lです。

- 2,000Lで発注した場合:納入時の残量は 2,000 − 1,200 = 800L(安全在庫の2日分)、納入後は 800 + 6,000 = 6,800L
- 4,500Lで発注した場合:納入時の残量は 4,500 − 1,200 = 3,300L、6,000Lを入れると 9,300L になり、上限の9,000Lを超えます。全量は入りません
これが「早く頼みすぎてローリーが全量入らない」の正体です。下限の再発注点だけを警報に設定していると、担当者が気を利かせて早めに頼んだときに、この失敗が起きます。残量監視の画面には、再発注点と、受入の上限から逆算した「発注してよい上限」の両方を表示しておくと、誰が発注しても判断がそろいます。
ボイラー本体の燃焼や効率、法定の点検の監視は、このタンクの話とは別です。ボイラー側の計測点はボイラー遠隔監視の記事で扱っています。
カバー日数で見る
製品の多くは、液位の時系列から日次消費量を出し、「カバー日数」(在庫÷日次消費量)を表示します。たとえばVEGAの在庫管理システムについての業界誌のベンダー記事は、液体の在庫について日次消費量とカバー日数を表示するとしています。Endress+HauserのSupplyCareはトレンドと履歴、PowTechnologyのブローシャは最近の履歴に基づく予測を機能として挙げています(いずれもベンダー主張)。
上の例なら、再発注点2,000Lは、400 L/日で5日分です。「残り5日を切ったら発注」と日数で言い換えると、現場にも購買にも伝わりやすくなります。ただし、生産が増えて日次消費量が変わったら、再発注点も見直す必要があります。最初は月に1回、実測の消費量で見直すルールにしておくのが安全です。
警報の段階設計と溢流防止
4段の警報
タンクの液面監視の警報は、次の4段で考えると整理しやすくなります。
| 段 | 意味 | 何をするか | 系統 |
|---|---|---|---|
| L(低) | 再発注点 | 発注する(またはVMIの事業者が補充を計画する) | 残量監視の液面計 |
| LL(低低) | 欠品寸前 | 緊急の補充、消費の調整、生産への連絡 | 残量監視の液面計(ポンプ保護は別の点検出も) |
| H(高) | 受入停止の目安 | 受入の作業者に止める準備をさせる | 残量監視の液面計 |
| HH(高高) | 溢流の直前 | 受入弁の自動閉止などで止める | 残量監視とは独立した検知・遮断 |
L と H は「業務の警報」、LL と HH は「安全と生産を守る警報」です。とくに HH は、残量監視の液面計とは別の系統にします。
英国Buncefieldの事故が示したこと
HHを独立させる理由は、英国の事故の例がよく示しています。英国の安全衛生庁(HSE)の2011年の報告書「Buncefield: Why did it happen?」によると、2005年12月10〜11日、英国のBuncefield石油貯蔵基地のTank 912でガソリンを受け入れている最中に、液位計(サーボ式の自動タンクゲージ)が固着し、独立した高液位スイッチも作動しない状態になっていました。制御室に危険な液位を知らせる手段がなく、ガソリンが屋根の通気口から溢れ、蒸気雲に着火して大爆発と5日間の火災に至りました。
報告書は、ほかにも次の点を挙げています。
- 液位計は2005年8月31日に整備から復帰した後、12月11日までに14回固着していたが、根本原因は特定されず、故障の記録も一貫していなかった
- 独立した高液位スイッチは、テストレバーを作動位置に保つための南京錠が必要だったが、その点が設置業者、保守業者、運営者に伝わらず、取り付けられていなかった
- 液位計には「user high」「high」「high-high」の3段の高液位警報があったが、監督者ごとに使い方が異なり、時には high-high を超えるまで受け入れていた
これは英国の大規模な燃料基地の事故で、工場の小さなタンクとは規模が違います。それでも、「液位計とは独立した高高液位の検知」「計器の不具合を記録し原因を突き止めること」「警報の設定値の運用ルールをそろえること」の3つは、工場のタンクにもそのまま当てはまる教訓です。
米国の地下タンク規則の例(参考)
段階的な警報と遮断の考え方の参考例として、米国の地下貯蔵タンク(UST)の規則(40 CFR 280.20)があります。溢流防止装置は、満量の95%以下で自動遮断する、満量の90%以下で流量を制限するか高液位警報で受入の作業者に警告する、などのいずれかを求めています。また 40 CFR 280.35 は、溢流防止装置を少なくとも3年に1回点検し、所定の液位で作動することを確認するよう求めています。
これは米国の地下タンクの規則で、タイの工場には適用されません。「警報と遮断を段階に分け、遮断の作動を定期的に確かめる」という考え方の参考として紹介しています。
漏洩・盗難の検知
残量の急変から気づく
残量監視のデータは、漏洩や盗難に気づく手がかりにもなります。公式資料によると、Endress+HauserのSupplyCareは「無許可の移動」を検知したときの通知を、PowTechnologyの監視の仕組みは盗難・漏洩のアラートを、機能としてうたっています(ベンダー主張)。考え方は、生産が止まっている夜間や休日に残量が減る、受入がないのに増える、といった急な変化を検知するものです。検知の精度の数値は、公表資料にはありません。
自社で設定する場合は、「夜間・休日の減少量が○L以上」「1時間あたりの減少がいつもの○倍以上」のように、自社の消費の実績から閾値を決めます。最初は誤報が多くなるので、PoCの期間に実データで調整します。
防油堤とガス漏れ検知は別の仕組み
液面の急変の検知は、漏れを「量」の変化として後から知る仕組みです。漏れた液を受け止めるのは防油堤で、タイの2008年の燃料油貯蔵場所の省令(非公式英訳)では、第2類の地上タンクの周囲に、最大のタンク容量と同等の燃料を貯められる大きさの防油堤・壁を設けるとしています。
液化ガスの貯槽からの漏れは、液面の変化を待つのではなく、ガス検知器で直接検知するのが基本です。液面の急変検知とガス漏れ検知は、目的も仕組みも別物です。ガス漏れ検知の設計はガス漏れ検知システムの記事で扱っています。
VMI(自動補充)にするか、自社で発注するか
VMIとは
VMI(Vendor Managed Inventory、ベンダー管理在庫)は、供給事業者が顧客のタンクの液位を見て、補充の責任を負う方式です。VEGAの在庫管理システムについての業界誌のベンダー記事は、運用モデルとして「社内の在庫監視」と「VMI(サプライヤーが顧客サイトの液位を見て補充する)」の2つを挙げています。Endress+Hauserの化学品販売業者向けの資料も、VMIのための協調計画、配送漏れを防ぐ自動計画とリマインダーを要件に挙げています(ベンダー主張)。
大手でも、テレメトリ付きと注文型が混在している
仏の産業ガス大手Air LiquideのR&D部門が2015年4月に作った説明資料(最適化コンテストの課題説明。事業者自身の資料)によると、同社のバルク配送は世界でトラック2,500台超、タンク40,000基、配車担当350人の規模で、顧客の在庫をテレメトリと予測で監視して配送を管理するVMIを行う一方、テレメトリや予測のない「コールイン(注文)顧客」も「減ったが依然かなりの数」残るとしています。これは単一企業の2015年時点の資料で、効果額の数値はありません。
工場の側から見ても、すべてのタンクをVMIにする必要はありません。液化ガスはガス事業者のテレメトリ、薬品の一部は薬品メーカーのVMI、燃料と残りの薬品は自社で発注、という混在が現実的です。
「データを共有する」だけでなく「誰が決めるか」を決める
VMIについての実証研究に、Dong、Dresner、Yaoの2014年の論文(Production and Operations Management)があります。抄録によると、品目レベルのデータで下流の企業にとってのVMIの効果を分析し、発注の意思決定をベンダーに移すことには、情報を共有するだけの場合を上回る効果があったとしています。ただし、抄録には業種、国、社数の記載がなく、タンクの液体に限った研究でもありません。ここでは「データを見せるだけでなく、誰が補充を決めるかを決めることが効く」という定性的な論点としてだけ紹介します。
VMIにするなら、契約で次の点を決めておく必要があります。
- 誰が、どの閾値で、どのリードタイムで補充を決めるか
- 受入可能量の上限(満量×上限率)を、供給事業者も守るルールにするか
- 液位データの所有と閲覧の権限(どのタンクを、誰が、どこまで見られるか)
- 通信が切れたときに、どちらが確認するか
- 欠品したとき、溢流しそうになったときの責任の分担
製品・サービスの例と比較の観点
公式資料で確認できる範囲で、製品やサービスの例を挙げます。いずれもベンダー主張で、推奨やランキングではありません。価格は書きません。
- Endress+Hauser SupplyCare Hosting:タンク・サイロの在庫管理のクラウドソフト。表・グラフ・地図での在庫表示、限界値や無許可の移動の通知、データのエクスポート、タンク・拠点・顧客・製品のマスタ、利用者のロール、RESTful API。VMI・SMI(サプライヤー管理在庫)の業務モデルを可能にするとする
- VEGA Inventory System:液面計とクラウドの在庫管理ソフトを統合。数値表、色分けのグラフ(「Reorder」から「Safety stock」まで)、地図、トレンドの4種の表示、配車のモジュール、他社製の計器も信号変換器につなげれば統合可能とする(業界誌のベンダー記事)。手作業からの移行には教育、業務の変更、関係者の合意が必要とも明記している
- PowTechnology(英国):静圧、超音波、レーダー、ロードセル、静電容量などのセンサーに対応し、複数の高・低液位警報、盗難・漏洩の検知、請求書の検証のための監査証跡を機能に挙げる
- FoxInsights FoxRadar:販売事業者がフィールドの多数のタンクを管理する用途向けの電池式レーダー
- BIG Telemetry:タイで液化ガスの貯槽の液位と使用量を監視するガス供給事業者のサービス
比べるときは、製品名より次の観点で揃えて見ます。
| 観点 | 確認すること |
|---|---|
| 容量換算 | 液位→容量(L、t)の換算に自社の容量表を登録できるか。空き容量を表示できるか |
| 警報 | 多段の警報を設定できるか。タンクごとに通知先を変えられるか |
| 消費と予測 | 日次消費量、カバー日数、予測の計算方法が開示されているか |
| マスタと権限 | タンク、拠点、製品のマスタ。供給事業者に見せる範囲を限定できるか |
| 連携 | データ出力、API、ERP・購買システムとの連携の実績 |
| 他社計器 | 既設の他社製の液面計の信号を取り込めるか |
| 配送計画 | 供給事業者側の配送計画の機能が要るか(自社発注なら不要なことも) |
タイの法令で確認すること
4つの領域
タイでタンクの残量監視を設計するときに確認したい法令は、次の4つの領域に分かれます。この章は法務助言ではありません。条文は2026年10月時点で公開資料から確認できた範囲で、後の改正の有無は確認できていません。最新の要件は、所轄当局(エネルギー事業局 DOEB、工業省工場局 DIW、NBTC)や専門家に確認してください。
| 領域 | 確認できた範囲 | 残量監視との関係 |
|---|---|---|
| 燃料油(ディーゼル、重油など) | 燃料油管理法と、燃料油貯蔵場所の省令 B.E. 2551(2008年、非公式英訳)。第1〜3類の区分ごとに章が分かれる | 90%の充填上限、漏洩試験、記録の保管 |
| 化学品(危険物) | 危険物法 B.E. 2535(1992年、非公式英訳)の4分類。工業省の危険物「貯蔵」告示 B.E. 2551 はタンクとサイロでの貯蔵を対象外としている | タンクに適用される危険物側の規則は今回確認できていない |
| LPG、LNG、液化窒素など | 工場内の貯槽については、今回は確認していない別の省令群がある | 液化ガスは別に確認が必要 |
| 無線 | NBTCの920–925 MHz帯の基準(2017年官報) | LoRaWANなどの機器の適合 |
燃料油:2008年の省令(非公式英訳)で読める範囲
燃料油管理法(第2次改正 B.E. 2550)の英訳では、「燃料油」にLPG、原油、ディーゼル油、重油、潤滑油などを含んでいます。一方、2008年の燃料油貯蔵場所の省令(エネルギー事業局のサイトに掲載された非公式英訳で確認した範囲)では、この省令でいう燃料油から天然ガスとLPGは外れています。貯蔵場所は届出・許可の区分に基づいて第1類、第2類、第3類に章が分かれ、区分によって届出・許可、タンクの構造、試験の要件が変わります。
この非公式英訳で確認できた主な点は次のとおりです。
- 第4条:燃料容器には、容量の90%を超えて燃料を入れてはならない
- 第2類の地上タンク:周囲に最大のタンク容量と同等の燃料を貯められる防油堤・壁を設ける。設置後に漏洩試験を行い、タンクは10年ごとに同じ方法で試験する。試験の結果の記録は事業者が1年間保管し、エネルギー事業局の閲覧に供する
- 第3類の大型タンク:開閉弁や安全装置などの仕様を設置前にエネルギー事業局に提出して承認を受け、設置後は有資格の技術者が年1回以上点検し、報告書を1年間保管する
第4条の90%は、残量監視の H 警報と、前の章の受入可能量の上限を決める根拠になります。どの区分に当たるかの数量のしきい値は、別の省令で定められており、この記事では書きません。2008年より後の改正の有無も確認できていないため、「現行の規則」と断定せず、2008年の省令の非公式英訳で読める範囲として扱ってください。
化学品:危険物「貯蔵」告示はタンクを対象外としている
危険物法 B.E. 2535 の非公式英訳(法制委員会事務局の委託による)では、危険物を4類に分け、第1類は所定の基準・手続に従う、第2類は事前に届け出る、第3類は許可が必要、第4類は禁止としています。どの物質が何類かは、工業大臣が官報で告示します。この英訳には、法的な効力はなくタイ語の原文だけが正本だという免責が付いています。
注意したいのは、工業省の告示「工場局が所管する危険物の貯蔵について」B.E. 2551(2008年4月18日官報、原文タイ語)です。この告示は「貯蔵」の定義から、タンク、サイロ、深冷液化ガス容器での貯蔵を明示的に外しています。この告示が定める貯蔵場所は、危険物を保管する倉庫の建屋です。したがって、「この告示で薬品タンクが規制される」とは言えません。かといって、「タイには化学品タンクの規制がない」とも言えません。タンクに適用される危険物側や工場法側の規則は、今回の調査では内容を確認できていないためです。薬品タンクについては、工場局と専門家に確認してください。
LPG・液化ガスは別に確認する
LPG、LNG、液化窒素などの工場内の貯槽については、今回は確認していない別の省令群があります。液化ガスの貯槽の残量監視を設計するときは、供給事業者と所轄に要件を確認してください。
費用と効果のモデル試算(仮の数字)
想定する工場
ここからの数字は、すべてこの記事のための仮の数字です。実際の効果は、自社の実測で置き換えてください。
- ラヨーン県の日系の化学・樹脂系の工場
- 監視したいタンクは10基:薬品タンク6基、ディーゼル・重油のタンク2基、接着剤や塗料などのIBC 2基
- 現状は担当者の巡回の目視とExcel、電話とメールで発注
効果①:巡回点検の削減
- 現状:1日2回 × 10基 × 5分 = 100分/日。100分 × 30日 = 3,000分 = 50時間/月
- 50時間 × 200 THB × 12カ月 = 120,000 THB/年
- 導入後は、例外のときの確認だけで月10時間:10時間 × 200 THB × 12カ月 = 24,000 THB/年
- 効果① = 120,000 − 24,000 = 96,000 THB/年
効果②:緊急発注・特急配送の削減
- 現状:年12回 × 割増 8,000 THB = 96,000 THB/年
- 導入後:年2回 × 8,000 THB = 16,000 THB/年
- 効果② = 96,000 − 16,000 = 80,000 THB/年
効果③:安全在庫の圧縮
- 薬品と燃料の平均在庫額:1,200,000 THB → 900,000 THB(300,000 THB 減)
- 保管・資金のコスト率 20%/年:300,000 × 20% = 60,000 THB/年
ここで注意したいのは、在庫が減って浮く300,000 THBの現金は、1回限りの効果だということです。年間の効果には入れません。年間の効果として数えるのは、減った在庫を持ち続けるコスト(保管と資金のコスト)の60,000 THBだけです。300,000 THBと60,000 THBを両方とも年間の効果に入れると、同じ在庫の削減を二重に数えることになります。
効果の合計
96,000 + 80,000 + 60,000 = 236,000 THB/年
構成A:10基すべてに電池式の80 GHzレーダー
- 初期費用:センサー 10 × 45,000 = 450,000 THB、設定・取付け・閾値の設計・教育 150,000 THB、合計 600,000 THB
- 年間費用:通信・クラウド 10 × 6,000 = 60,000 THB、保守 30,000 THB、合計 90,000 THB
- 純効果:236,000 − 90,000 = 146,000 THB/年
- 回収:600,000 ÷ 146,000 ≈ 約4.1年
構成B:既設の4基は既存のPLCから信号を取り出す
既設の液面計が付いている4基は、4-20mAの信号を既存のPLCから取り出し、残りの6基だけに電池式のレーダーを付けます。
- 初期費用:既設4基の信号の取り出し 4 × 20,000 = 80,000 THB、新設 6 × 45,000 = 270,000 THB、設定など 150,000 THB、合計 500,000 THB
- 年間費用:通信・クラウド 6 × 6,000 = 36,000 THB、保守 30,000 THB、合計 66,000 THB
- 純効果:236,000 − 66,000 = 170,000 THB/年
- 回収:500,000 ÷ 170,000 ≈ 約2.9年
感度:緊急発注が年12回ではなく年4回だった場合(構成A)
実測してみたら、緊急発注は年12回ではなく年4回だった、という場合を考えます。
- 効果②:4 × 8,000 = 32,000 THB → 2 × 8,000 = 16,000 THB で、効果は 16,000 THB/年
- 効果の合計:96,000 + 16,000 + 60,000 = 172,000 THB/年
- 純効果:172,000 − 90,000 = 82,000 THB/年
- 回収:600,000 ÷ 82,000 ≈ 約7.3年

試算の読み方
3つを並べると、回収は約2.9年から約7.3年まで開きます。この差を生んでいるのは、センサーの方式ではありません。
- ①自社の緊急発注・特急配送が、年12回級なのか年4回級なのか
- ②既設の計器の信号を活かせるか
の2つです。だから、液面計のカタログを比べる前に、過去1年の緊急発注と特急配送の回数を購買の記録から数え、既設の液面計とPLCの入力の空きを棚卸しすることが、最初の仕事になります。工場IoT全般の費用の見積もり方とTCOの考え方は、工場IoT費用の記事にまとめています。
この試算に入れていないもの
- ライン停止や欠品による逸失
- 溢流・漏洩の事故の損害
- VMIへの移行による発注事務の変化
- CO2
とくに溢流と漏洩の事故の防止は、この試算には入れていませんが、設計では最優先で扱います。HHの独立した検知と遮断は、回収年数とは関係なく必要なものとして考えてください。
RFP・デモで確認する項目
計器の選定のために集める条件
液面計を選ぶ前に、タンクごとに次の条件を集めます。Endress+Hauserの選定チェックリストの項目を参考にしています。
| 区分 | 集める条件 |
|---|---|
| 媒体 | 液の名前、密度(g/cm³)、導電率(μS/cm)、比誘電率、付着のしやすさ、泡の出方 |
| プロセス | 温度、圧力、蒸気圧(最小・最大)、攪拌機の有無 |
| タンク | 高さ、径、形(立形・横置き・IBC)、材質(金属・プラスチック)、ノズルの寸法、取付け位置、スティリングウェルの有無 |
| 電気・通信 | 2線式・4線式、既設の信号(4-20mA、HART、Modbus)、PLCの入力の空き |
| 承認・証明 | 防爆の認証、保護等級、材料の証明、校正証明書 |
RFPで確認する項目
| 項目 | 確認すること |
|---|---|
| 容量換算 | 自社の容量表を登録できるか。燃料の温度補正の扱い |
| 発注のルール | 再発注点と「発注してよい上限」の両方を表示・警報できるか |
| 警報 | L/LL/H/HHの設定。HHを独立系統にする前提で、残量監視側は何を受け持つか |
| 通知 | タンクごとの通知先、夜間・休日の通知先、未確認時のエスカレーション |
| 欠測 | 最終受信の時刻の表示、欠測の警報、通信回復後のデータの扱い |
| 連携 | 購買・ERPへの連携(発注依頼の自動作成か、通知だけか) |
| 点検・校正 | 液面計の点検と校正の方法、校正証明書、不具合の記録の残し方 |
| 権限 | 供給事業者に見せる範囲、利用者のロール |
点検と校正については、溢流防止の装置を定期的に作動させて確かめること(米国UST規則の例では少なくとも3年に1回)、タイの燃料油の省令(2008年、非公式英訳)での漏洩試験と記録の保管、そしてBuncefieldの教訓である「計器の不具合を一貫して記録し、原因を突き止める」ことを、運用の要件に入れておきます。容量表の検定と、自動タンクゲージの校正・検証の標準実務(API MPMS Chapter 3.1B)も、必要に応じて参照します。
発注の承認や購買の手続きとの連携は、購買管理システムの記事で扱っています。残量監視から「発注の依頼」を自動で作る場合、誰が承認するかを購買の側のルールと揃えておく必要があります。
PoC、FAT、SATで確かめること
- 実液での読み:自社の液で、泡が出たとき、攪拌しているとき、受入で液面が乱れているときの読みが安定するか
- 容量の換算:液位から換算した容量が、受入の納品書の量と合うか(受入の前後の差で確かめる)
- 警報の発報と通知:L、H、欠測の警報が、決めた相手に、決めた時間内に届くか。夜間と休日も含めて試す
- 通信断の挙動:通信を切ったとき、画面が「欠測」になるか。回復したときにデータが埋まるか
- 発注連携:再発注点で発注の依頼が作られ、購買の承認に流れるか
導入の進め方:90日でタンク台帳から展開の判断まで
1〜30日目:タンク台帳と、消費量・リードタイムの実測
- 全タンクの台帳を作る:内容物、容量、形、材質、設置場所、防爆の区分、既設の計器と信号、誰が見ているか(自社、ガス事業者、薬品メーカー)
- 過去1年の緊急発注と特急配送の回数を、購買の記録から数える
- 主要なタンクの日次消費量を、巡回の記録や納品書から出す
- 供給事業者ごとのリードタイムの平均と、遅れた実績を集める
- 容量表があるかを確認する(ない横置きタンクは検定の要否を検討する)
31〜60日目:2〜3基でPoC
- 条件の違うタンクを選ぶ:たとえば泡の出る薬品タンク、屋外のディーゼルタンク、IBC
- 設置場所の電波を確認する
- 実液で読みの安定性、容量換算と納品書との一致、警報と通知、通信断の挙動を確かめる
61〜90日目:発注ルールと警報を確定し、展開を判断
- タンクごとに再発注点と「発注してよい上限」を決める
- 警報の段階(L/LL/H/HH)と通知先を決め、HHの独立系統の要否を確認する
- VMIにするタンクと自社で発注するタンクを分け、VMIなら契約の論点を整理する
- PoCの実測(緊急発注の回数、既設の信号の活用)で試算をやり直し、展開の範囲を判断する
タイ工場で特に確認すること
画面と通知の言語
現場の担当者はタイ語、日本人の管理者は日本語、本社やベンダーとのやり取りは英語、ということが多いはずです。画面、警報の通知、レポートを、タイ語、英語、日本語のどれで出せるかを確認します。警報の文面は、「何が起きたか」と「誰が何をするか」が一読で分かるように、タイ語で用意しておきます。
夜間・休日の通知先
欠品や溢流のヒヤリは、人の少ない夜間や休日、長い連休の前後に起きやすいものです。夜間と休日の通知先、通知に気づかなかったときの次の連絡先、長い休みの前に満たしておく量のルールを決めておきます。
ローリーの受入の手順
薬品メーカーや燃料業者のローリーの受入は、誰が立ち会い、どの値を見て受入を止めるかが決まっていないことがあります。受入の前に残量監視の画面で受入可能量を確認し、H 警報で止める準備をし、HH の遮断に頼らない運用を、受入の手順書に書き込みます。運転手が交代しても同じ手順になるよう、タイ語の手順書を用意します。
防爆区域図
溶剤や燃料のタンクの周りに新しい機器を置く前に、自社の危険区域図があるか、最新かを確認します。区域図がない場合は、液面計の選定の前に専門家と区域の確認を行います。
無線の電波
工業団地の中でも、タンクヤードは建屋の陰や金属の構造物に囲まれていることがあります。セルラーなら設置場所での電波の測定、LoRaWANならゲートウェイの設置場所と、NBTCの基準に適合した機器かどうかを確認します。
既設の計器の信号
既設の液面計が何の信号を出しているか(4-20mA、HART、接点、表示だけ)、その信号がPLCに入っているか、PLCの入力に空きがあるかを確認します。図面と現物が違うことも多いので、現物で確かめます。試算のとおり、ここが投資の回収を大きく左右します。
よくある質問
タンク残量監視とは?
薬品タンクや燃料タンク、IBC、液化ガスの貯槽の液位を液面計で測り、通信でクラウドやSCADAに送り、容量(L)や質量(t)に換算して、警報、発注、在庫の計上に使う仕組みです。目的は液面を見える化することではなく、タンクごとに「いつ、何リットル発注するか」を決められる数字を持つことにあります。
液面計はどう選ぶ?
方式のカタログを比べる前に、タンクごとに液の性状(密度、比誘電率、泡、付着)、温度と圧力、攪拌機の有無、タンクの形と材質、取付け位置、既設の信号、防爆の区分を集めます。そのうえで、泡が多いなら静圧やガイドウェーブレーダー、攪拌機があるならビームの狭い高周波レーダー、密度が変わるなら静圧以外、プラスチックタンクなら静電容量以外、というように条件で絞り込み、自社の液で実機を確かめます。
既設のタンクに後付けできる?
多くの場合、後付けできます。既設の液面計とPLCがあれば、その4-20mAやHARTの信号を取り出す方法があり(この記事の仮の試算でも初期費用と年間費用を抑える効果が大きく出ました)、配線のない屋外タンクやIBCには電池式の無線レーダーが使えます。ガラスやダイヤル式の液面計しかない場合は、当面カメラで読み取る方法もあります。ロードセルは架台の改造が要るため、後付けでは工事が大きくなります。
発注点はどう決める?
再発注点は「日次消費量の平均×リードタイム(日)+安全在庫」で決めます。あわせて、「(満量×許容上限率)−ローリー1台の納入量+リードタイム中の消費量」を、発注してよい上限として決めます。この記事の仮の数字の例では、10,000Lのディーゼルタンクで、発注してよい窓は残量2,000〜4,200Lになりました。
VMIとは?
VMI(ベンダー管理在庫)は、供給事業者が顧客のタンクの液位を見て、補充の責任を負う方式です。大手のガス事業者でも、テレメトリ付きのVMIの顧客と、注文型の顧客が混在しているのが実態です。VMIにするなら、誰がどの閾値で補充を決めるか、受入の上限、データの閲覧の権限、欠品や溢流のときの責任の分担を契約で決めておきます。
電池式センサーは何年もつ?
測定と送信の頻度、通信方式(NB-IoT、LTE-Mなど)、設置場所の電波の状況で大きく変わるため、一概には言えません。同じ製品でも、メーカーの公称値に数年単位の幅があることがあります。仕様書の電池寿命がどの条件での値なのかを確認し、自社の運用の頻度で見積もってもらってください。
導入期間は?
この記事では90日の進め方を紹介しました。最初の30日でタンク台帳を作って消費量、リードタイム、緊急発注の回数を実測し、次の30日で2〜3基のPoCを行い、最後の30日で発注のルールと警報を確定して展開を判断します。全タンクへの展開と購買・ERPとの連携は、その後の工程になります。
まとめ
- タンク残量監視の目的は、液面を見える化することではなく、タンクごとに「いつ、何リットル発注するか」を決められる数字を持つこと
- 欠品が減らない典型は、①液位と在庫量の違い(容量表、温度補正、取付け)を詰めていない、②発注点と受入可能量の両方を決めていない、③HHの溢流防止を残量監視の液面計に兼ねさせている、の3つ
- 横置き円筒は液位と容量が比例しない。液位10%でも容量は約5%。実際の容量は検定済みの容量表で
- 液面計の方式は、泡、攪拌機、密度変化、加圧、プラスチック、IBCといった条件で絞り、自社の液で実機を確かめる
- 発注は「窓」で決める。仮の数字の例では、再発注点2,000L、発注してよい上限4,200L
- HHは残量監視とは独立した系統に。英国Buncefield(2005年)は、液位計の固着と独立高液位スイッチの不作動が重なった事故だった
- タイの燃料油は2008年の省令(非公式英訳)で90%の充填上限と試験・記録の要件が読める。工業省の危険物「貯蔵」告示はタンクを対象外としている。いずれも最新の要件は所轄に確認
- 仮の試算では、回収は約2.9年から約7.3年まで開いた。回収を決めるのはセンサーの方式ではなく、緊急発注の実回数と、既設の計器の信号を活かせるかどうか
TOMAS TECH では、タイの工場で、センサーや設備の監視の仕組みの設計、機器の選定と現地での試験、既存のPLCや業務システムとの連携のお手伝いをしています。製品を選ぶ前の段階、たとえばタンク台帳づくりや液面計の方式の選定、発注点と警報の設計、RFPの要件づくりの段階でもご相談いただけます。お問い合わせはこちらのフォームからどうぞ。
参考情報
- The Star(Reuters):Thai August factory output rises 4.44% y/y, beats forecast(2026年9月30日)
- Trading Economics:Thailand Manufacturing PMI(2026年10月1日)
- Nation Thailand:OR, Bangchak raise fuel prices by 0.75 baht on October 2(2026年10月2日)
- Nation Thailand:Energy Ministry weighs exit strategy to cut fuel subsidies as oil fund deficit exceeds 100bn baht(2026年10月7日)
- Endress+Hauser:Continuous level measurement in liquids and bulk solids — Selection and engineering guide(CP00023F)
- VEGA:Radar sensors with strong focusing ensure more precise values in continuous level measurement(2020年6月18日)
- Emerson:Guided Wave Radar Transmitters
- American Petroleum Institute:2024 Publications Catalog — Petroleum Measurement
- legislation.gov.uk:The Dangerous Substances and Explosive Atmospheres Regulations 2002, Schedule 2
- IEC Webstore:IEC 60079-10-1:2020
- Air Liquide R&D:EURO/ROADEF 2016 Challenge — Inventory routing for gas distribution(2015年4月)
- Bangkok Industrial Gas:BIG Telemetry
- Endress+Hauser:Inventory and supply chain solution across depots for a chemical distributor(AI01125S)
- Health and Safety Executive:Buncefield: Why did it happen?(2011年)
- Endress+Hauser:SupplyCare Hosting(IN01354S)
- Endress+Hauser:Micropilot FWR30
- VEGA:VEGAPULS Air 23
- Thai FDA data catalog:Hazardous Substance Act B.E. 2535 (1992), Unofficial Translation
- Chulalongkorn University SHECU:ประกาศกระทรวงอุตสาหกรรม เรื่อง การเก็บรักษาวัตถุอันตรายที่กรมโรงงานอุตสาหกรรมรับผิดชอบ พ.ศ. ๒๕๕๑(2008年4月18日官報)
- Department of Energy Business:Ministerial Regulations — Fuel Oil Storage Premises B.E. 2551 (2008), Unofficial Translation
- NBTC:ประกาศ กสทช. เรื่อง หลักเกณฑ์การอนุญาตให้ใช้คลื่นความถี่ย่าน ๙๒๐ – ๙๒๕ เมกะเฮิรตซ์(2017年11月24日官報)
- NBTC:ประกาศ กสทช. เรื่อง มาตรฐานทางเทคนิคของเครื่องโทรคมนาคมและอุปกรณ์ สำหรับเครื่องวิทยุคมนาคมที่ไม่ใช่ประเภท RFID ซึ่งใช้คลื่นความถี่ย่าน ๙๒๐ – ๙๒๕ เมกะเฮิรตซ์(กสทช. มท. 1033–2560、2017年11月24日官報)
- eCFR:Code of Federal Regulations 40 CFR §280.20
- The University of Iowa(Dennis Bricker):Reorder Point(講義資料)