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2026.10.15

直交ロボット 選定ガイド|モーメント・タクト・制御とタイ工場のRFP

直交ロボット 選定ガイド|モーメント・タクト・制御とタイ工場のRFP

導入:直交ロボットはカタログの可搬質量とストロークだけでは選べない

直交ロボットの選定を、カタログの「最大可搬質量」と「ストローク」の欄だけで済ませてしまう例があります。トレイからコンベヤへの移載に2軸の直交ロボットを入れたものの、ワークを長いアームの先に付けたためにガイドが早く傷んだ。カタログの最高速度から計算したタクトが、実際には出なかった。上位PLCとの信号の取り合いが決まらず、立上げが延びた。こうした相談は、タイの日系工場でも珍しくありません。

本記事の主張を先にまとめます。直交ロボットの選定は、次の3つで決まると本記事では考えます。

  • ①荷重とモーメント:ワークとハンドの質量と重心位置(オフセット)から各軸にかかるモーメントと、片持ち(アーム型)か両持ち(ガントリ型)かの構成
  • ②運動条件と駆動方式:タクトから逆算した移動距離、速度、加速度と、ボールねじ、ベルト、ラックアンドピニオン、リニアモーターといった駆動方式
  • ③制御、インタフェース、安全:専用コントローラかPLC直結か、上位との信号、原点復帰、安全機能

さらに、④寿命の前提距離(何km走る前提の値か)と据付面の精度を加え、これらをRFP(提案依頼書)に書き、FAT(工場出荷前の検査)とSAT(現地での受入検査)で確かめる、というのが本記事の立場です。

①と②は別々の項目に見えますが、独立していません。加速度がモーメントの計算式と寿命計算の係数の両方に入るため、掛け算で効きます。この点は後の章で、メーカーの公開資料にもとづいて説明します。

この記事は特定製品の推奨やランキングではありません。数値や製品機能は各社の公開資料にもとづき、「同社は〜と説明している」という形で紹介します。閲覧日はすべて2026年10月15日です。後半の費用試算は、この記事のための仮の数字です。

なぜ今、タイの工場で直交ロボットを検討するのか

タイでは、自動化への投資の動きが続いています。タイ投資委員会(BOI)の発表(PR No.117/2569、2026年7月23日)によると、2026年1〜6月の投資奨励の申請は1,299件、約1.47兆バーツで、前年同期比37%増でした。このうち機械、自動化、ロボットの分野は82件、約131億バーツです。機械の更新、デジタル技術、自動化とロボットの導入を目的とする「Smart and Sustainable Industry」措置の申請は132件、約172億バーツでした。いずれも「申請」ベースの数字で、「承認」ベースの数字とは別のものです。

ロボット全体の動きについては、国際ロボット連盟(IFR)が2026年9月24日に発表したWorld Robotics 2026があります。IFRによると、2025年に世界の工場で稼働する産業用ロボットは前年比9%増の500万台で、年間の設置台数は11%増の60万台超でした。中国の2025年の設置は35万4,000台で、世界の59%を占めたとIFRは発表しています。これは世界の数字です。タイの設置台数や稼働台数は、IFRの公開資料(プレスリリースや記者会見資料)の本文では確認できませんでした。

生産側の数字はまちまちです。タイ工業連盟(FTI)の発表を集計サイトTrading Economicsで確認したところ(二次情報)、2026年8月の自動車生産は124,646台で前年同月比10.93%増、8月の国内販売は59,808台で同25.59%増でした。一方で8月の輸出は同2.04%減で、FTIは2026年通年の生産を前年比3.33%減と予想しています。ロイターの配信(The Star掲載、2026年9月30日)によると、2026年8月の製造業生産指数(MPI)は前年同月比4.44%増でした。なお工業省はMPIの算出方法を改定しており、電子製品を加えてウェイトを変えています。

これらはタイ全体や世界の数字で、個々の工場の状況をそのまま表すものではありません。自社の工程で直交ロボットを入れるかどうかは、後の章で扱う作業時間とタクトの実測から判断するのが現実的です。

直交ロボットとは:呼び名、構成、スカラや多関節との違い

呼び名と定義

本記事では「直交ロボット」を一般名として使います。直線に動く軸を直角に組み合わせ、X、Y、Zの座標で位置を決めるロボットで、「直交座標ロボット」「カーテシアンロボット(Cartesian robot)」とも呼ばれます。X軸を2本の平行なレールで支える門形の構成は「ガントリロボット」と呼ばれることが多く、ガントリ型の直交ロボットを指して使われます。

IFRは、ISO 8373:2021にもとづく機構分類の一つとしてCartesian robot(rectangular robot、gantry robotとも呼ぶ)を挙げ、「3つの直動関節の軸が直交座標系を形づくるもの」と説明しています。IFRの産業用ロボットの定義は、3軸以上でプログラム可能なマニピュレータを前提にしています。そのため、2軸の装置や単軸アクチュエータ単体はIFRの統計に入らない可能性がある、と本記事では解釈しています(断定はしません)。

構成の種類

構成の分け方は各社で少しずつ違います。

ヤマハ発動機は、同社の直交ロボットXY-Xのカタログで、アームのバリエーションを次のように示しています。

  • Arm type(アーム型):Y軸のキャリッジが動く型
  • Gantry type(ガントリ型):Y軸の先端をガイドレールで支える型
  • Moving arm type:Y軸のアームそのものが動く型
  • Pole type:Y軸のキャリッジが上下に動く型
  • XZ type

Festoは、同社の構成ツールHandling Guide Onlineで選べる構成を「Single-axis system(単軸)」「2D linear gantry」「2D planar surface gantry」「3-dimensional gantry」「3D cantilever system(片持ちの3軸)」と説明しています。

igusは、直交ロボットの基本構成を、基本軸(X軸)、その上に載る横行軸(Y軸)、片持ちの軸(Z軸)と説明しています。基本軸は2本の軸と、2本を平行に同期させるシャフトで構成することが多く、それにより強度が上がる、と同社は述べています。

本記事では、構成を大きく次の5つで考えます。単軸ロボット、2軸のアーム型(片持ち)、2軸のガントリ型(両持ち)、3軸(XYZ)、片持ちの3軸です。単軸ロボットは直交ロボットの構成要素でもあります。1本の軸で押す、送る、位置決めするだけの用途なら、電動シリンダーで足りる場合もあります。その選び方は電動シリンダー選定の記事で扱っています。

スカラや多関節との違い

直交ロボットとスカラ、多関節の違いについて、各社は次のように説明しています。いずれもメーカーの自己説明です。

  • IAI(欧州サイト):モジュール構成なので過大にならず、多関節ロボットより場所をとらない。四角い構造のため安定していて曲げに強い。上下の動きは1軸を制御するだけでよいなどプログラムが簡単。6軸多関節のような複雑なロボットより購入と保守の費用が低いことが多い。作業範囲は軸の長さに比例して広がる。押し付け、ねじ締め、フライス加工など力を使う工程に向く。
  • igus(2020年4月6日のブログ):動作指令をロボットの運動学に変換しなくてよいので、プログラムがとても簡単。多関節は形が決まっていてすべての機械に組み込めるわけではなく、機械の外に単独で置くのが普通。スカラの作業範囲は腎臓形(kidney-shaped)で、速度はデルタロボットより遅く、直交ロボットより速い。
  • Epson(インド法人サイト):天吊りのスカラRSシリーズについて、設置面積がゼロ(zero footprint)なので、直交ロボット、ガントリロボット、一般的なスカラの代わりになると説明しています。直交ロボットの代わりにスカラを提案するメーカー側の視点の例です。

本記事では、どちらが安い、どちらが精度が高いとは断定しません。判断の軸は、作業範囲の形(四角か、腎臓形や円弧か)、剛性、プログラムの手間、設置面積、軸を延ばして広げられるかどうか、の5つです。多関節、スカラ、パラレルリンクなど5方式の比較は、産業用ロボット5方式の比較記事にまとめています。

最初に決めること:ワーク、ハンド、運動の一覧

機種のカタログを開く前に、ワーク、ハンド、運動の一覧を作ります。ヤマハ発動機は、直交ロボット選定の最初の手順を「用途と動作範囲に合う機種を確認すること」と説明しています。同社の2軸の選定ガイドでは、次の順に進めます。

  1. アームのバリエーション(アーム型、ガントリ型など)を選ぶ
  2. Y軸のストロークと可搬質量を満たす行を表から選ぶ
  3. ケーブルの種類を選ぶ
  4. X軸のストロークを選ぶ
  5. 速度を選ぶ
  6. 型式を決める

Festoの構成ツールHandling Guide Onlineの入力は、「Payload(可搬質量)」「Drive system of the axis(軸の駆動方式)」「Distance from the centre of the load(負荷の重心からの距離)」「Working stroke(作業ストローク)」「Reference cycle(基準サイクル)」だと同社は説明しています。荷重と重心距離(①)、ストロークと基準サイクルと駆動方式(②)が、そのまま入力項目になっていることが分かります。

本記事では、この入力をそろえるために、次のような一覧表を最初に作ることを勧めます。

項目書く内容確認する相手
ワーク質量最大と最小、種類ごと生産技術
ハンド質量ハンド本体、治具、ブラケット、エア配管を含む装置設計、ハンドの供給元
重心位置ハンドとワークを合わせた重心の、スライダ上面中心からのオフセット(前後、左右、上下)装置設計(CADで出す)
移動経路と距離各軸の移動距離、経由点、待機位置生産技術
タクト1サイクルの目標時間と、その内訳(移動、把持、待ち)生産技術、製造
停止精度どの点で、どれだけの再現性が要るか品質、生産技術
設置姿勢水平、壁掛け、垂直、天吊り装置設計
環境粉じん、切粉、クーラント、温度、クリーン度設備保全
上位との信号PLCの機種、フィールドネットワーク、I/O点数、ハンドシェイク制御設計

この表で特に抜けやすいのが、ハンドの質量と重心位置です。ワーク質量だけを可搬質量と比べてしまい、ハンドや治具の重さ、アームの先に張り出した距離を数えないと、①のモーメントが見積もれません。ハンドの方式と把持力の計算はロボットハンドとグリッパーの選定記事で扱っています。本記事では、ハンドの質量と重心がロボット側の選定に入る、という点だけを押さえます。

直交ロボット 選定ガイド|モーメント・タクト・制御とタイ工場のRFP - figure 1

可搬質量はメーカーの算出方法と条件で変わる

カタログの「最大可搬質量」は、どの条件での値かを確かめてから読みます。同じ機種でも、設置姿勢、リード、ストロークで値が変わるからです。

同じ機種でもリードと姿勢で変わる例

ヤマハ発動機の単軸ロボットFLIP-X T4L(ボールねじ径8mm、ストローク50〜400mm)の仕様表では、リードごとに次の値が示されています。

リード最高速度最大可搬質量(水平)最大可搬質量(垂直)定格推力
12mm720mm/s4.5kg1.2kg32N
6mm360mm/s6kg2.4kg64N
2mm120mm/s6kg7.2kg153N

出典:ヤマハ発動機 FLIP-X仕様書(T4L)。繰返し位置決め精度は±0.02mm(同社の注記では一方向からの値)。

リードを小さくすると速度は下がり、推力と垂直の可搬質量が上がります。水平と垂直で可搬質量が大きく違うことも分かります。

ヤマハ発動機のRobonityシリーズ(モノタロウ掲載の仕様)でも、同じ傾向が読めます。LBAS04-6AP(リード6mm)は400mm/s、可搬質量は水平20kg、垂直5kg、定格推力141Nです。LBAS04-12AP(リード12mm)は800mm/s、水平12kg、垂直2kg、定格推力71Nです。LGXS12-5(リード5mm)は300mm/s、水平115kg、垂直45kg、定格推力1360N、LGXS12-10(リード10mm)は600mm/s、水平95kg、垂直25kg、定格推力678Nです。

2軸ではY軸ストロークで変わる

ヤマハ発動機のXY-Xでは、2軸の最大可搬質量がY軸ストロークごとの表で示されています(次の次の章で表にします)。同社の製品ラインナップ資料では、XY-Xの最大可搬質量をPXYxの4.5kgからHXYxとHXYLxの40kgまでと示し、これはアーム型とケーブルキャリア仕様での値だと注記しています。構成が変わると値も変わるため、型式と構成をセットで読みます。

算出方法そのものがメーカーで違う

MISUMI(日本)の単軸ロボットの絞り込み画面では、「最大可搬質量(水平/垂直)」と「最大推力」に、「メーカーにより、算出方法が異なります。詳細は各メーカーの技術データをご確認ください」という注記があります。Festoは、線形ガントリと平面ガントリの最大可搬質量を「Dependent on the selected dynamic response(選んだ動特性による)」と表記しています。

このため本記事では、可搬質量をメーカー横並びで比べることを勧めません。比べる前に、姿勢、リード、速度、加速度、オフセット、ストロークのどの条件での値かをそろえます。そろわない場合は、自社の一覧表(前章)を各社に渡し、その条件で成り立つかどうかを回答してもらうほうが確かめやすくなります。

許容モーメントとオーバーハング:重心のずれが寿命を縮める

モーメントは3方向で考える

IAIは、単軸の許容モーメントを内蔵リニアガイドの負荷能力を表すものとし、3つの方向で示しています。Ma(ピッチング)、Mb(ヨーイング)、Mc(ローリング)です。同社の技術資料では、ワークの質量m1、ブラケットの質量m2、それぞれの重心までの距離、加速度a(G)から各方向のモーメントを計算する式を示しています。

同社は、許容モーメントを2種類に分けています。

  • 静的許容モーメント:停止時に加えてよい最大値。同社は「損傷の指標(an index for damage)」としています
  • 動的許容モーメント:標準定格寿命を算出するための値。同社は「寿命の指標(an index for service life)」としています

また、テーブルタイプの静的許容値はガイドブロック直上での値で、作用点が離れるとテーブルのたわみやねじれが大きくなり、損傷のおそれがある、と同社は説明しています。

ヤマハ発動機のFLIP-X T4Lでは、静的許容モーメントがMY 15N·m、MP 19N·m、MR 18N·mと示されています。

許容オーバーハングは寿命の前提つき

ヤマハ発動機は、FLIP-X T4Lの「許容オーバーハング(Allowable overhang)」を、「ガイドの寿命10,000kmのときの、スライダ上面中心から搬送物の重心までの距離」と定義しています。さらに「寿命は300mmストロークのモデルで計算」と注記しています。

同社の表から、条件ごとの値の例を挙げます。

設置姿勢リード質量A方向B方向C方向
水平12mm2kg433mm87mm180mm
水平12mm4.5kg223mm33mm75mm
水平2mm6kg755mm27mm66mm
壁掛け2mm6kg32mm0mm440mm
垂直2mm7.2kg0mm確認せず0mm

出典:ヤマハ発動機 FLIP-X仕様書(T4L)。ガイド寿命10,000km、300mmストロークのモデルで計算した値。垂直はA方向とC方向の値だけを確認しています。

水平、リード12mmの同じ条件で、質量が2kgから4.5kgに増えると、A方向の許容が433mmから223mmに縮みます。また、壁掛け、リード2mm、6kgでは、B方向の許容が0mmになっています。同じ製品でも、姿勢と質量で重心をずらしてよい距離が大きく変わることが分かります。

①と②は掛け算で効く

ここで、本記事の主張の要点を説明します。IAIの式では、加速度a(G)が動的モーメントMaとMbの計算に入ります。さらに、同社の寿命計算では荷重係数fwを加減速の大きさで区分しています。

加減速荷重係数fw(IAIの区分)
1.0G未満1.0〜1.5
1.0〜2.0G1.5〜2.0
2.0G超2.0〜3.0

出典:IAI General Catalog 2020 Technical Reference。

つまり、タクトを縮めようとして加速度を上げると、作用するモーメントが大きくなり、同時に荷重係数も大きくなります。重心のずれ(①)と加速度(②)は、別々に余裕を見ても足りないことがあります。ヤマハ発動機のT4Lの表でも、リードを変えると可搬質量、最高速度、許容オーバーハングが同時に変わります。

このため本記事では、ハンドとワークを合わせた重心をCADで出し、各軸のMa、Mb、Mcを加減速時の値まで計算し、静的と動的の許容値の両方と比べることを勧めます。その計算書をRFPで求め、受入時に前提が変わっていないかを確かめます。軸に内蔵されるリニアガイドの寿命計算や予圧の考え方は、リニアガイド選定の記事で詳しく扱っています。

片持ち(アーム型)と両持ち(ガントリ型)の選び方

ヤマハの表から読めること

ヤマハ発動機のXY-Xカタログの2軸選定ガイドから、アーム型とガントリ型の最大可搬質量をY軸ストロークごとに抜き出すと、次のとおりです。同社はガントリ型を「Y軸の先端をガイドレールで支える型」と定義しています。

型式(2軸)構成Y軸ストロークと最大可搬質量
MXYx-C-Aアーム型150〜250mm:30kg、350mm:25kg、450〜550mm:20kg、650mm:16kg
MXYx-C-Gガントリ型150〜650mm:30kg、750mm:25kg、850mm:20kg
HXYx-C-Aアーム型250〜350mm:40kg、450mm:35kg、550〜650mm:30kg
HXYx-C-Gガントリ型250〜1050mm:50kg
PXYx-C-Aアーム型(小型)50〜100mm:4.5kg、150mm:3.5kg、200mm:2.5kg、250mm:2kg、300mm:1.5kg

出典:ヤマハ発動機 XY-X Cartesian robots catalog(2軸選定ガイド)。

この表からは、アーム型はY軸ストロークが伸びるほど最大可搬質量が下がり、ガントリ型は同じ系列で長いY軸ストロークまで可搬質量を保つ、という傾向が読めます。たとえばMXYxでは、Y軸650mmでアーム型が16kg、ガントリ型が30kgです。ただし、これは本記事が表から読み取った傾向で、ヤマハ発動機が「片持ちは〜」と文章で説明しているわけではありません。

両持ちには据付と同期の条件が付く

ガントリ型は、Y軸を両端で支えるぶん、X方向に2本の平行な軸(またはガイド)が要ります。そのため、2本の平行度と据付面の精度が問題になります。

  • IAIは、2本のX軸(X1、X2)を使うガントリで、X2軸とY軸の接続を「ピンブラケット構造」にし、X1とX2の平行度の誤差を吸収する、と説明しています。X1とYは剛結、Y側のブラケットは平行ピン1本で回転方向を調整でき、YとX2は連結ピン2本で軸方向にスライドできる構造です。
  • Festoは、平面ガントリのXモジュールを「連結シャフトでつないだ2本の駆動軸(YXCF)」または「1本の駆動軸と別の案内軸(YXCF-B)」で構成すると説明しています。
  • igusは前述のとおり、基本軸を2本の軸と同期シャフトで構成することが多いと説明しています。

据付面の要求値は次の章以降(RFPの章)で整理します。片持ちか両持ちかは、可搬質量の表だけでなく、据付面を用意できるか、2軸の同期をどう取るか、まで含めて決めます。

長尺の軸はたわみの前提を確かめる

Bosch Rexrothは、線形モジュールのたわみ線図の例として、MKK-080でL=3000mm、F=1500Nのときf=1.8mm、fmax=2.3mmで「追加の支持は不要」と示しています。ただし、この線図は「両端をしっかり固定(片側200〜250mm)、片側6〜8本のねじ、固定された取付ベース」が前提だと同社は説明しています。長い軸を片持ちや少ない取付点で使う場合、この前提から外れることになります。

直交ロボット 選定ガイド|モーメント・タクト・制御とタイ工場のRFP - figure 2

タクトから逆算する:距離、速度、加速度と実効サイクル

カタログの最高速度だけで計算しない

タクトの見積もりで多い失敗は、移動距離をカタログの最高速度で割って移動時間とすることです。実際の移動は、加速、等速、減速、整定の4つの区間からなります。移動距離が短いと、最高速度に達する前に減速が始まり、最高速度は効きません。1サイクルの時間には、これに加えてハンドの開閉、真空の立上がり、上位との信号の受け渡し、待ちの時間が入ります。

本記事では、タクトを次の順で逆算することを勧めます。

  1. 現状の作業を実測し、1サイクルの目標時間を決める
  2. 目標時間から、把持、解放、信号の受け渡し、待ちの時間を差し引き、移動に使える時間を出す
  3. 各軸の移動距離と経由点から、必要な速度と加速度を出す
  4. その加速度で、前々章のモーメントと寿命が成り立つかを確かめる
  5. 成り立たない場合は、加速度を下げる、ハンドを軽くする、重心を寄せる、構成をガントリ型にする、駆動方式を変える、のいずれかに戻る

4番目の確認が、①と②が掛け算で効く部分です。Festoの構成ツールが「Reference cycle(基準サイクル)」を入力に取るのも、運動条件で選べる機種が変わるためと考えられます。ヤマハ発動機は、サイクルタイムと寿命のシミュレーションを会員サイトで提供しています(本記事では利用していません)。

長いストロークでは速度設定が下がることがある

ボールねじ駆動の軸では、長いストロークで速度が制限される場合があります。ヤマハ発動機は、XY-XのMXYxとHXYxについて「X軸ストロークが850mmより長い場合、運転条件によってはボールねじの共振(危険速度)が起こることがある」と注記し、カタログの表では長いストロークで速度設定を80%から40%まで下げる(1200mm/sから480mm/sまで)ことを示しています。PXYxにも、650mmを超える場合について同じ趣旨の注記があります。ストロークを長めに取ると、その分だけ最高速度が下がる可能性がある、ということです。ストロークの余裕を考えるときは、速度への影響も併せて確かめます。

駆動方式の比較:ボールねじ、ベルト、ラックピニオン、リニアモーター

製品ごとの公開仕様

駆動方式について、「ベルトは精度が低い」「ボールねじは遅い」と一般化はしません。ここでは、各社の公開資料で確認できた製品ごとの値だけを並べます。製品が違えば条件も違うため、方式どうしの優劣を示すものではありません。

メーカー、製品駆動繰返し位置決め精度速度ストロークまたは長さ
Bosch Rexroth MKKボールねじ(精度等級T7またはT5)±0.005mmまで記載を確認せず記載を確認せず
Bosch Rexroth MKRベルト(AT形)±0.05mmまで5m/sまで最長9800mm(MKR-165は最長12000mm)
Bosch Rexroth MLRカムローラガイドとベルト±0.05mmまで10m/sまで最長10000mm
igus drylin XXL(2022年発表)タイミングベルト2軸とラックアンドピニオン1軸、ステッピングモーター0.8mm(パレタイズの例)500mm/sまで(同じ例)作業範囲2×2×1.5m、最大6×6×1.5m
ヤマハ発動機 FXYBx(アーム型)タイミングベルト(X、Y)±0.04mm(X、Y)1875mm/s(X、Y)X 150〜2450mm、Y 150〜550mm
ヤマハ発動機 SXYBxタイミングベルト(X、Y)±0.04mm1875mm/sX 150〜3050mm
ヤマハ発動機 FXYxボールねじ(X 径15mmリード20mm、Y 径12mmリード12mm)X ±0.01mm、Y ±0.02mmX 1200mm/s、Y 800mm/sX 150〜1050mm、Y 150〜550mm
ヤマハ発動機 HXYxボールねじ(径20mmリード20mm、X、Y)±0.01mm1200mm/sX 250〜1250mm、Y 250〜650mm
ヤマハ発動機 HXYLxボールねじ(径20mm、X、Y)X ±0.04mm、Y ±0.01mm1200mm/sX 1150〜2050mm

出典:Bosch Rexroth Linear modules MKK, MKR, MLR(R999000496/2026-06)、Drives&Controls(2022年6月29日)、ヤマハ発動機 XY-Xカタログ。ヤマハ発動機の繰返し位置決め精度は同社の注記で一方向からの値。

この表から言えるのは、製品ごとの傾向までです。ヤマハ発動機のXY-Xでは、ベルト駆動(FXYBx、SXYBx)が±0.04mm、1875mm/sで長いストロークに対応し、ボールねじ駆動のHXYxなどが±0.01mm、1200mm/sです。Bosch Rexrothでは、ボールねじのMKKが±0.005mmまで、ベルトのMKRが±0.05mmまで、5m/sまで、最長9800mmです。

ボールねじ

ボールねじは、リードで速度と推力の配分が決まります(前述のFLIP-X T4LやRobonityの例)。長いストロークでは危険速度の制約が出ることがあります(前章)。Bosch Rexrothは、MKK-080、-110、-140でねじサポート(screw support、SPU)を使うと、最長5400mmまで長い軸で高速に動かせると説明しています(水平のみ、垂直は要相談)。ボールねじのリード精度、予圧、支持方式の選び方はボールねじ選定の記事で扱っています。

ベルト

ベルト駆動は、上の表の製品では長いストロークと高い速度の側にあります。ヤマハ発動機のSXYBxはX 150〜3050mm、Bosch RexrothのMKRは最長9800mmです。繰返し位置決め精度は、上の表のボールねじ駆動の製品のうち、ヤマハ発動機のFXYxとHXYx、Bosch RexrothのMKKより大きい値が示されています。どこまでの精度が工程に要るかを先に決めてから比べます。

ラックアンドピニオン

ラックアンドピニオンは、上の表ではigusのdrylin XXLで使われています。同製品は、タイミングベルト2軸にラックアンドピニオン1軸を組み合わせています。

工場の端から端まで多関節ロボットを走らせる選択肢もあります。床置きの走行軸に多関節ロボットを載せる構成で、ロボット走行軸(第7軸)の選定記事で扱っています。長いストロークの搬送を、直交ロボットで組むか、走行軸と多関節で組むかは、作業内容と設置面積で比べます。

リニアモーター

MISUMI(日本)の単軸ロボットの一覧には「リニアモータアクチュエータ 6シリーズ」があり、ストローク40〜1360mm、最大可搬質量は水平15kg、垂直5kgと示されています。同社は「繰り返し位置決め精度、高速度、ロングストローク、同軸上での複数テーブル制御をご検討の場合、本商品からご検討ください」と説明しています。リニアモーターで複数の可動子を独立に動かす搬送システムは、リニア搬送システムの選定記事で扱っています。

選択肢の幅

MISUMI(日本)の単軸ロボットの絞り込みでは、駆動方式の選択肢が「転造ボールねじ、研削ボールねじ、ベルト、ギヤ、すべりねじ、リニアモータ、ラック&ピニオン」の7種あります。方式を決めるのは、前章で逆算した速度と加速度、必要な停止精度、ストローク、そしてモーメントと寿命の条件です。方式名から先に決めないことを勧めます。

繰返し位置決め精度の読み方

「繰返し」と「絶対」は別の指標

繰返し位置決め精度は、同じ点に何度も戻ったときのばらつきです。狙った座標にどれだけ正確に行けるか(絶対位置決め精度)とは別の指標です。IAIは、同社のボールねじのリード精度をJIS B 1192のC5またはC10相当とし、C10では300mmあたりの代表移動量誤差が±210μmだと示したうえで、絶対位置決め精度は保証しない(absolute positioning accuracy is not guaranteed)と明記しています。繰返し精度が±0.01mmでも、座標の絶対値がその精度で合うとは限らない、ということです。

測り方がメーカーで違う

繰返し位置決め精度の測り方は、メーカーの資料で次のように違います。

出典測り方、表記
Bosch Rexrothオプション005で、VDI/DGQ 3441による位置決め精度を測定。不規則な間隔の測定点に両方向から複数回近づき、位置の不確かさP(位置偏差Pa、反転幅U、位置のばらつきPS)を報告
IAI任意の点に同じ方向から7回位置決めし、停止位置の最大差を読む。移動距離の中央とほぼ両端で測り、最大値の1/2を±で表示
IAI(ロストモーション)正方向と負方向から各7回位置決めし、平均値の差を求める。中央とほぼ両端で測り、最大値をとる(繰返し精度とは別の指標)
igus(XYZガントリ)同じページに「Positioning accuracy(位置決め精度):約±0.8mm」と、FAQの「repeatability range(繰返しの範囲):0.3〜0.5mm」の2つの記載がある
ヤマハ発動機(XY-X、FLIP-X)仕様表の注記は「一方向からの繰返し位置決め」
モノタロウ掲載のヤマハ発動機Robonity(Advancedモデル)「位置決め精度(mm)±0.005(片振りでの繰り返し時)」と表記

出典:各社の公開資料(参考情報を参照)。

一方向から近づく測り方と、両方向から近づく測り方では、同じ機械でも値の意味が違います。両方向から近づくと、ねじやベルトのバックラッシや反転時の差(IAIのロストモーション、Bosch Rexrothの反転幅U)が入るからです。igusの例のように、同じ製品のページに異なる指標名の値が並ぶこともあります。値だけを見て比べると、条件の違う数字を比べることになります。

RFPでは測り方を指定する

本記事では、RFPに「繰返し位置決め精度の測り方」を書くことを勧めます。一方向か両方向か、測定点の数と位置(中央と両端など)、回数、温度などの条件、表示の方法(最大差の1/2を±で示すか)です。FATでは、合意した方法で代表ワークを載せて測ります。ワークを載せた状態と載せない状態で値が変わる可能性もあるため、どちらで測るかも決めておきます。

寿命の前提距離をそろえて比べる

前提の距離がメーカーで違う

直交ロボットや単軸ロボットの寿命は、走行距離(km)で示されることが多いですが、その前提距離がメーカーで違います。

出典寿命の前提
IAI標準定格寿命は、ロボシリンダーが5,000km、単軸ロボットが10,000km(一部機種は異なる)。寿命は、同じ条件で個別に運転した製品群の90%がフレーキングを起こさずに走れる総距離
THK(LMガイドアクチュエータKR)ボール系LMガイドの基本動定格荷重Cは50kmの基準距離による。比べるときは50km基準か100km基準かを確かめ、ISO 14728-1に従って換算する。ストロークがブロック長の2倍以下では式が当てはまらない場合がある
ヤマハ発動機 FLIP-X T4L許容オーバーハングはガイド寿命10,000kmが前提で、300mmストロークのモデルで計算

出典:IAI General Catalog 2020 Technical Reference、THK Service Life(KR)、ヤマハ発動機 FLIP-X仕様書。

同じ「許容値」でも、5,000km前提の値と10,000km前提の値は直接比べられません。本記事では、寿命や許容値をメーカー間で並べるのではなく、自社の条件で寿命を計算してもらい、その計算書を比べることを勧めます。

IAIの寿命式と計算例

IAIは、モーメントによる寿命の式を次のように示しています。

L =(CM × fWS ÷(M × fw × fα))³ × URL

ここで、Lは寿命(km)、CMは動的許容モーメント、Mは作用するモーメント、fWSは標準荷重係数(同社は一般に1.2としています)、fwは荷重係数(前々章の加減速の区分)、fαは取付係数、URLは標準定格寿命です。係数はすべて3乗の内側に入ります。

同社の計算例は次のとおりです。RCP5-SA6C、水平、全面固定、加減速0.5G、ワーク8kg(重心100mm)、ブラケット2kg(重心50mm)のとき、M=8.82N·m、CM=24.6N·m、fw=1.25で、寿命は95,980kmと同社は示しています。

また同社は、標準定格寿命5,000kmのモデルに0.5CM(動的許容モーメントの半分)が作用すると、寿命は40,000km(8倍)になると説明しています。作用するモーメントが半分になると、3乗で効くので8倍になる、という関係です。逆に言えば、重心を遠くにずらしたり加速度を上げたりしてモーメントが増えると、寿命は3乗で縮みます。

取付方法も寿命に入る

IAIの取付係数fαは、全面固定が1.0、両端固定が1.2、部分固定が1.5です。同社は「原則として取付面のねじ穴はすべて使ってください」と説明しています。取付ねじを省くと、寿命の計算条件そのものが変わります。据付の確認項目はRFPの章で整理します。

制御とインタフェース:専用コントローラかPLC直結か

制御とインタフェースで決まる部分(当社の見解)

ここまでの①と②は、メーカーの資料が選定の入力として直接扱っています。③の制御、インタフェース、安全については、出典が「③で機種が決まる」と書いているわけではありません。ただ、立上げの遅れや保守のしにくさの多くはここで生じるため、本記事では、③も機種と構成を決める軸の一つだと考えます。これは当社の実務上の見解です。

選択肢の例

ヤマハ発動機は、多軸コントローラRCX340が対応するフィールドネットワークを、CC-Link、DeviceNet、EtherNet/IP、Ethernet、EtherCAT、PROFIBUS、PROFINETとしています。原点の検出方式は、Absolute(アブソリュート)、Incremental(インクリメンタル)、Semi-absolute(セミアブソリュート)が示されています。

MISUMI(日本)の単軸ロボットの絞り込みには、「入出力種類」としてNPN、PNP、CC-Link、DeviceNet、Ethernet、EtherCAT、IO-Link、PROFINETなどの選択肢があり、ドライバにも「ME30(EtherCAT / EtherNet/IP)」「MA30(ポジショナ・パルス)」といった選択肢があります。

IAIは、機種選定ソフト(多点機種選定、2点機種選定、R-unit機種選定)と、コントローラー選定ガイドを提供しています。

本記事が勧める決め方

専用コントローラで軸を動かし、上位PLCとはI/Oやフィールドネットワークで信号をやり取りするか。サーボアンプやドライバをPLCから直接動かすか。どちらにも長所と手間があります。本記事では、次の点を先に決めることを勧めます。

  • 上位PLCの機種とフィールドネットワーク、使える局数とI/O点数
  • 動作の指令の単位(位置番号の指定か、座標の指定か)
  • ハンドシェイクの信号(起動、完了、異常、原点復帰完了、運転可能)とタイミング
  • 異常のときに、どの信号で何を止め、どう復帰するか
  • プログラムとパラメータを誰が持ち、どこにバックアップするか

サーボ系の発注とFAT/SATの進め方は、サーボ制御の発注とFAT/SATの記事にまとめています。

原点復帰の取り決め

原点復帰は、立上げと異常からの復帰の両方で効きます。ヤマハ発動機は、原点位置検出用の近接センサーを「B接点の仕様」としており、A接点のセンサーに交換すると原点位置の検出用には使えないと説明しています。また、FLIP-X T4Lは原点をモーターの反対側にも選べる、と同社は説明しています。保守で部品を交換するときに接点の仕様を取り違えないよう、予備品リストにセンサーの型式まで書いておきます。

ケーブルの処理

可動部のケーブルは、直交ロボットで故障が出やすい部分です。ヤマハ発動機のXY-Xには、ケーブルキャリア型と自立ケーブル(whipover)型があります。同社は、ケーブルキャリアにケーブルを追加する場合は占有率を30%以下に保つよう求めています。自立ケーブル型については、荷重をかけるとたるみや断線の原因になり、長いストロークではたるみが出ることもある、と説明しています。ユーザー配線は、ケーブルキャリア型で10芯0.3sqと示されています。自立ケーブル型には、ユーザー配線とエア配管(φ4×2本)が用意されています。

ハンドの配線やエア配管を後から足すと、占有率やたるみの条件が変わります。ケーブルとホースの一覧をRFPに添付し、どちらの型で、どこまで追加できるかを確かめます。ケーブルキャリアの曲げ半径や充填の考え方は、ケーブルキャリア選定の記事で扱っています。

安全:柵、ライトカーテン、規格と法令の位置づけ

ISO 10218の2025年改訂

産業用ロボットの安全規格ISO 10218-1とISO 10218-2は、2025年に改訂されました。The Robot Report(2025年2月18日)によると、改訂では協働アプリケーションの安全要求(旧ISO/TS 15066)の統合、機能安全要求の明確化、サイバーセキュリティの要求、手動のロードとアンロードやエンドエフェクタ(旧TR 20218-1と-2)の取り込みが行われました。Part 1はロボットの設計と製造、Part 2は産業用ロボットのアプリケーションとロボットセルの設計と統合を扱います。

同記事は、ISO 10218-1:2025の産業用ロボットの定義を、「自動制御され、再プログラム可能な多目的のマニピュレータで、3軸以上でプログラム可能なもの。固定して、または移動プラットフォームに載せて、産業環境の自動化用途に使う」という趣旨で引用しています。本記事は規格本文を確認できておらず、これは二次情報です。この定義からは、3軸以上でプログラム可能な直交ロボットは産業用ロボットに含まれ得る、と読めます。2軸以下の構成や単軸アクチュエータ単体の扱いは、本記事では判断しません。

ヤマハ発動機の速度監視ユニットRCX3-SMUは、STO、SS1、速度監視(SLS)、領域監視(SLP)などの安全機能に対応すると同社は説明しています(3軸以上の標準ロボットが対象)。同社ページでの適合規格の表記はISO10218-1:2011、IEC 62061:2021、EN ISO 13849-1:2015で、TÜV SÜDの第三者認証を受けているとしています。2025年版への適合は、同ページでは確認できませんでした。

日本の「80W」の位置づけ

日本の工場や日本の本社の基準を参照する場合、「80W」がよく話題になります。日本ロボット工業会(JARA)の「産業用ロボット関連法規(抜粋)」(2018年10月30日現在)によると、80Wは労働安全衛生規則第150条の4そのものの数字ではありません。昭和58年労働省告示第51号で、産業用ロボットの定義から外れる機械の一つとして「定格出力(駆動用原動機が2つ以上あるものは、定格出力が最大のもの)が80W以下の駆動用原動機を有する機械」が挙げられています。定義から外れる機械はほかにも挙げられており、80Wはその条件の一つです。

第150条の4は、産業用ロボットに接触して危険が生じるおそれがあるときに、柵や囲いなどを設けることを求める規定です。厚生労働省のリーフレット(平成25年12月)によると、2013年の通達(基発1224第2号)で、リスクアセスメントにより危険のおそれが無くなったと評価できるとき、またはISO 10218-1:2011と-2:2011により設計、製造、設置された産業用ロボット(技術ファイルと適合宣言書を作成しているものに限る)を使用条件に基づき適切に使用するときは、協働作業が可能だと明確化されました。

IAIは、同社サイトで、産業用ロボットに該当しないものの例を同社の解釈として整理しています。たとえば、単軸でモーターが80W以下のもの、多軸組合せでX、Y、Z軸がいずれの方向にも300mm以内のもの、などです。そのうえで、同社の直交ロボットでは、ストロークが300mmを超え、かつモーター容量が80Wを超える単軸を1軸でも使うものなどが産業用ロボットに該当する、と同社は説明しています。

本記事では、「80W以下なら柵がいらない」とは考えません。該当するかどうかは、軸ごとのモーター出力、可動範囲、動作の内容など構成全体で判断します。柵の要否は、リスクアセスメントで決めます。通達が参照するのはISO 10218の2011年版で、2025年版を前提にした通達の改正は本記事では確認できていません。

タイの法令

タイでは、2021年(仏暦2564年)の労働省の省令(機械、クレーン、ボイラーの安全衛生に関する管理基準、2021年8月6日官報掲載)が機械一般に適用されます。この省令は、機械の仕様や取扱説明書の定格や能力を超えて使わないこと(第10条)、自動式の機械のスイッチに国際的な慣行に沿った開閉の色表示をし、物が当たってスイッチが入らないよう保護すること(第15条(3))、軸、ベルト、プーリーなど動力伝達部の覆い(第15条(4))、射出やブローなどの成形機の防護装置(第15条(7))などを定めています。本文中に「หุ่นยนต์(ロボット)」の語は見当たりませんでした。

日本の労働安全衛生規則は、タイの工場には適用されません。タイの工場では、タイの省令と、取引先や本社が求める規格、自社のリスクアセスメントを組み合わせて安全対策を決める、というのが本記事の見解です。

柵とライトカーテン

直交ロボットの周りの防護は、固定の柵、インターロック付きの扉、ライトカーテン、領域監視などの組合せで考えます。補給や段取りで人が近づく工程では、どこから人が入り、そのとき何を止めるかを、RFPの段階で決めておきます。ライトカーテンの安全距離と受入基準は、安全ライトカーテンの選定記事で扱っています。

主要メーカーの公開情報と価格の確認方法

公開資料で確認できたこと

主要メーカーの公開資料で確認できたことを、アルファベット順に並べます。順番や記載の多さは、推奨や優劣を示すものではありません。

メーカー主な製品群公開資料で確認できたこと
Bosch Rexroth線形モジュールMKK(ボールねじ)、MKR(ベルト)、MLR(カムローラとベルト)たわみ線図と前提条件、ねじサポート、出荷時の検査成績書のオプション、VDI/DGQ 3441による位置決め精度の測定、再潤滑の注記
Festo線形ガントリ、平面ガントリ、3軸ガントリ、片持ちの3軸構成ツールHandling Guide Online(結果としてCADモデル、データシート、価格情報が得られると同社は説明)、平面ガントリの据付面の平面度
Güdelラックアンドピニオンのガントリ業界誌の製品紹介(2010年と2011年)。同社の現行資料は本記事では確認していない
IAIロボシリンダー、単軸ロボット、直交ロボット(欧州サイトでは2〜6軸の標準モデルと高精度モデル)機種選定ソフト、コントローラー選定ガイド、モーメントと寿命の計算式、繰返し精度の測り方、ガントリのピンブラケット構造と据付精度
igusXYアクチュエータ、XYガントリ、XYZガントリ、drylin XXLGantry Configurator(beta)で構成して購入できると同社は説明。米国サイトのリスト価格
MISUMI単軸ロボットの通販(複数メーカー)、リニアモータアクチュエータ絞り込み条件(駆動方式、入出力種類)、可搬質量の算出方法がメーカーで違うという注記、シリーズの最低価格
NSKRobot Modules(RS、RM、RH)RS(軽荷重、ストローク100〜500mm)、RM(中荷重、250〜950mm)、RH(中〜重荷重、300〜2000mm)、モーターレス設計、K1潤滑ユニット装備でメンテナンスフリーと同社は説明
THKLMガイドアクチュエータ基本動定格荷重の基準距離(50km)と換算の注意
Yamaha Motor直交ロボットXY-X、単軸ロボットFLIP-X、Robonity、コントローラRCX3402軸選定ガイド、許容オーバーハングと寿命の前提、対応フィールドネットワーク、速度監視ユニット、ケーブル処理の注記。サイクルタイムと寿命のシミュレーションは会員サイト

出典:各社の公開資料(参考情報を参照)。

価格の確認方法

直交ロボットの価格は、構成、ストローク、モーター、コントローラ、ハンド、架台、安全対策で大きく変わります。公開価格は次のような断片しか確認できませんでした。どれも条件が違うので、互いに比べたり相場として扱ったりはできません。igusの米国サイト(閲覧日2026年10月15日)では、XY Actuator(作業範囲500×100mm、エンコーダ付きモーター)のリスト価格が1,291.70ドル、XY Gantryが1,683.50ドル、XYZ Gantry(作業範囲500×500×100mm)が2,461.10ドル、Palletizing Gantry Robotが13,467.50ドルから、と表示されています。これは米国サイトのドル建てリスト価格で、税区分の記載はなく、送料やタイでの価格は分かりません。drylin XXLは、2022年の発表時点で制御システム込み7,000ユーロ(8,000ポンド)からと報じられました。モノタロウ(閲覧日同じ)では、ヤマハ発動機のモーターレス単軸アクチュエータRobonity BasicのLBAS04-6AP-50(ストローク50mm、リード6mm)が1台129,800円(税別)、142,780円(税込)、LBAS04-12AP-50(リード12mm)が119,800円(税別)、131,780円(税込)、Robonity AdvancedのLGXS12-5-100(ストローク100mm、リード5mm)が169,800円(税別)、186,780円(税込)です。これらはモーターレスで、モーターやコントローラは別です。MISUMI(日本)では、リニアモータアクチュエータ 6シリーズ 標準タイプが72,200円〜、SMC 電動アクチュエータ スライダタイプ LEFSシリーズが47,391円〜(いずれも通常単価、税別、シリーズの最低価格)と表示されています。IAIとヤマハ発動機の完成した直交ロボットの公開価格は、日本とタイのどちらでも確認できませんでした。実際の価格は、前述の一覧表を添えて見積もりを取って確かめます。

RFPに書く要件とFAT/SATの受入基準

RFPに書く要件

これまでの章の内容を、RFPに書く要件として整理します。表中の数値は、出典の値をそのまま書いています。

項目RFPに書く内容
ワークとハンドの一覧質量、ハンドと治具とブラケットの質量、合成重心の位置(各方向のオフセット)
モーメント計算書各軸のMa、Mb、Mcを加減速時まで含めて計算し、静的と動的の許容値と比べたもの
構成片持ち(アーム型)か両持ち(ガントリ型)か、その理由
ストロークと余裕各軸の必要ストローク、余裕、ストロークを延ばした場合の速度への影響
タクトと運動プロファイル1サイクルの目標時間と内訳、各軸の距離、速度、加速度
駆動方式方式と、速度、精度、ストローク、寿命の条件で選んだ根拠
繰返し位置決め精度必要な値と、測り方(一方向か両方向か、測定点、回数、温度、表示方法)
寿命前提距離(km)と、作用モーメント、加速度、取付条件を明記した寿命計算書
据付面の要求メーカーの要求値(例:IAIはガントリのX1、X2軸の取付面の高さ差を軸間500mmあたり0.05mm以下、Festoは平面ガントリの取付面の平面度を1mあたり0.1mm以下としている)と、誰が用意するか
外部ガイドの平行度外部ガイドを併用する場合の調整方法と確認方法
取付方法全面固定か両端固定かなど、取付ねじの本数
制御とネットワークコントローラの形、上位PLCとネットワーク、I/O、ハンドシェイク信号
原点復帰原点の検出方式、原点の位置、センサーの接点仕様
安全機能柵、扉、ライトカーテン、安全機能の範囲、リスクアセスメントの分担
ケーブル処理ケーブルキャリア型か自立ケーブル型か、ケーブルとホースの一覧、追加できる余裕
潤滑メーカーの取扱説明書にもとづく潤滑の方法と周期、使えるグリース
出荷時の検査成績書付ける成績書の種類
予備品と保守予備品の一覧(センサーの型式まで)、保守の窓口と対応時間

据付面の要求値は、メーカーと製品で違います。IAIは、ガントリのX1軸とX2軸の取付面の高さの差を軸間の距離500mmあたり0.05mm以下とし、ピンブラケット部の寸法を全ストロークで2±1mm以内としています。Festoは、平面ガントリの取付面の平面度を1mあたり0.1mm以下とし、完成品で出荷しても据付時に取付面に合わせて調整する必要がある、と説明しています。どちらの値も、その製品についての値です。

潤滑の周期は、メーカーごとに取扱説明書で確かめます。たとえばBosch Rexrothは、汚れ、振動、衝撃荷重がある場合は再潤滑の間隔を短くし、通常の条件でもグリースの劣化のため2年ごとの再潤滑が要る、と説明しています。グリースと油の相互の切替は不可、固体粒子入りの潤滑剤(グラファイト、二硫化モリブデン)は使わない、とも同社は説明しています。これは同社の製品についての注記で、ほかのメーカーにそのまま当てはまるものではありません。NSKは、Robot ModulesがK1潤滑ユニットを備えていてメンテナンスフリーだと説明しています。

出荷時の検査成績書について、Bosch Rexrothは、標準レポート(機械と電気の機能チェック、注文確認書どおりの設計)、全ストロークの摩擦トルクの測定、ボールねじのリード偏差、VDI/DGQ 3441による位置決め精度のオプションを示しています。本記事では、どの成績書を付けるかをRFPで指定することを勧めます。

FAT(工場出荷前の検査)

  • 代表ワークとハンドを載せた状態で、実際のタクトを測る。目標時間の内訳(移動、把持、信号の受け渡し、待ち)ごとに記録する
  • 繰返し位置決め精度を、RFPで合意した測り方で測る
  • 全ストロークを動かし、コントローラの電流値が均一かを確かめる。IAIは、外部ガイドを併用する場合、平行度を調整した後に、全ストロークで摺動抵抗が均一かを「コントローラの電流モニタ機能」で電流値の均一性として確かめる、と説明しています
  • モーメント計算書と寿命計算書の前提(ワーク質量、重心、加速度、取付方法)が、実機と合っているかを確かめる
  • 原点復帰、異常の検出と停止、異常からの復帰を一通り動かす
  • 出荷時の検査成績書を受け取る

SAT(現地での受入検査)

  • 据付面の高さ差や平面度が、メーカーの要求値に入っているかを測って記録する
  • 取付ねじがすべての穴に入っているか、取付方法が計算書と合っているかを確かめる
  • ガントリ型や外部ガイドの併用では、再度、全ストロークの電流値の均一性を確かめる
  • 上位PLCとの信号(起動、完了、異常、原点復帰完了など)を、実際のラインの順序で確かめる
  • 安全機能(扉、ライトカーテン、非常停止、領域監視)が、リスクアセスメントで決めたとおりに働くかを確かめる
  • 停電、非常停止、ワークの把持失敗など、異常からの復帰の手順を、現場の担当者が実際に行えるかを確かめる
  • タイの省令は定格の範囲内での使用を定めているので、その範囲で使う条件(可搬質量、速度、加速度)を運転条件として文書に残す

費用と効果のモデル試算(仮の数字)

ここからの数字は、すべてこの記事のための仮の数字です。実際の見積もりや人件費ではありません。

想定する工場

タイの日系電子部品工場を想定します。成形品をトレイからコンベヤへ移載する工程を、2シフトで各1人が手作業で行っています。この工程に、2軸ガントリ型の直交ロボットを1台入れます。数える費目は、移載作業の人件費だけです。品質の安定や停止の損失は数えません。

前提(基準値、年)

項目値
1人あたりの人件費18,000 THB/月
1人あたりの年額18,000 × 12か月 = 216,000 THB/年
現状の人数2人(2シフト×各1人)
現状の人件費2人 × 216,000 = 432,000 THB/年

導入の費用

項目金額
直交ロボット本体とコントローラ550,000 THB
ハンドと治具200,000 THB
架台、安全柵、ライトカーテン250,000 THB
設計、プログラム、FAT/SAT200,000 THB
初期費用の合計1,200,000 THB
年間の保守費60,000 THB/年

初期費用の合計は、550,000 + 200,000 + 250,000 + 200,000 = 1,200,000 THBです。

効果と回収年数

ケース他工程へ再配置できる人数年間の効果年間の純効果(効果−保守費)回収年数(初期費用÷純効果)
基準ケース1.5人分1.5 × 216,000 = 324,000 THB324,000 − 60,000 = 264,000 THB1,200,000 ÷ 264,000 ≈ 4.5年
感度(1人分のみ)1人分1 × 216,000 = 216,000 THB216,000 − 60,000 = 156,000 THB1,200,000 ÷ 156,000 ≈ 7.7年

基準ケースでは、トレイの補給と段取りに0.5人分の作業が残り、残りの1.5人分を他の工程へ再配置できると仮定しています。現状の432,000 THB/年のうち、324,000 THB/年が効果になる計算です。

直交ロボット 選定ガイド|モーメント・タクト・制御とタイ工場のRFP - figure 3

試算の読み方

回収年数は、「人を他の工程へ再配置できるか」で大きく変わります。同じ設備でも、再配置できるのが1.5人分なら約4.5年、1人分なら約7.7年です。再配置先の工程が無い場合、効果は人件費として現れません。

この試算は、人件費以外の効果(品質の安定、夜間の人手不足への対応など)を数えていません。それが効く工場では、効果は試算より大きく見えます。一方で、タクトが目標に届かない、立上げが遅れる、モーメントの見積もりが甘くガイドの交換が早まる、といったことがあれば、回収は延びます。

本記事では、導入の前に現状の作業時間とタクトを実測し、RFPのタクト要件と照らし合わせることを勧めます。実測の値があれば、ロボットのタクトが足りるか、補給や段取りに何人分が残るかを、仮定ではなく数字で検討できます。

よくある質問

直交ロボットとスカラの違いは?

直交ロボットは直線の軸を直角に組み合わせ、作業範囲は四角になります。スカラは水平に回る関節で動き、igusは作業範囲を腎臓形と説明しています。IAIは、直交ロボットについて、四角い構造で曲げに強い、上下の動きは1軸の制御でよいなどプログラムが簡単、と説明しています。一方でEpsonは、天吊りのスカラを設置面積ゼロで直交ロボットの代わりになると説明しています。どちらもメーカーの自己説明です。作業範囲の形、剛性、プログラムの手間、設置面積、軸を延ばせるかで比べます。

直交ロボットの選定で最初に確認することは?

ワーク、ハンド、運動の一覧です。ワーク質量だけでなく、ハンド、治具、ブラケットの質量と、合わせた重心の位置(オフセット)を出します。そのうえで、移動距離、タクト、停止精度、設置姿勢、環境、上位との信号を書きます。ヤマハ発動機もFestoも、用途と動作範囲、可搬質量、重心からの距離、ストローク、サイクルを選定の入力にしています。

ガントリーロボットと片持ち型はどう使い分ける?

ヤマハ発動機のXY-Xの選定ガイドの表からは、アーム型(片持ち)はY軸ストロークが伸びるほど最大可搬質量が下がり、ガントリ型(両持ち)は長いY軸ストロークまで可搬質量を保つ傾向が読めます(本記事の読み取り)。たとえばMXYxでは、Y軸650mmでアーム型16kg、ガントリ型30kgです。ただしガントリ型は、2本のX軸の平行度と据付面の精度の条件が付きます。可搬質量と、据付面を用意できるかの両方で決めます。

繰返し位置決め精度はどう比べる?

まず測り方をそろえます。ヤマハ発動機は一方向からの値、IAIは同じ方向から7回位置決めして中央とほぼ両端で測る方法、Bosch RexrothはVDI/DGQ 3441による両方向からの測定を示しています。一方向か両方向かで値の意味が違います。また、繰返し精度は絶対位置決め精度とは別の指標です。RFPで測り方を指定し、FATでその方法で測ります。

単軸ロボットの選定で見落としやすい点は?

寿命の前提距離と、加速度の影響です。IAIは標準定格寿命をロボシリンダーで5,000km、単軸ロボットで10,000km(一部機種は異なる)とし、THKはLMガイドの基本動定格荷重を50kmの基準距離で示しています。前提が違う値は直接比べられません。また、IAIの寿命式では作用モーメントが3乗で効き、荷重係数は加減速の大きさで変わります。重心のずれと加速度の両方を入れて寿命を計算してもらいます。

直交ロボットの価格は?

完成した直交ロボットの公開価格は、IAIとヤマハ発動機については日本とタイのどちらでも確認できませんでした。確認できたのは、igusの米国サイトのドル建てリスト価格(XY Actuatorの1,291.70ドルからPalletizing Gantry Robotの13,467.50ドルからまで)や、モノタロウのヤマハ発動機のモーターレス単軸アクチュエータ(1台119,800円から169,800円、税別)のような断片です。通貨、時点、モーターやコントローラの有無が違うため、相場としては使えません。一覧表を添えて見積もりを取ることを勧めます。

直交ロボットに安全柵は必要?

構成と使い方によります。日本の80Wは、昭和58年労働省告示第51号で産業用ロボットの定義から外れる条件の一つで、「80W以下なら柵がいらない」という意味ではありません。タイの工場には日本の労働安全衛生規則は適用されず、タイでは2021年の機械の安全に関する省令が機械一般に適用されます。柵、扉、ライトカーテンなどの要否と組合せは、リスクアセスメントで決めます。

まとめ

  • 直交ロボットの選定は、カタログの可搬質量とストロークだけでは決まらない、と本記事では考えます
  • ①荷重とモーメント(重心のオフセット、片持ちか両持ちか)、②タクトから逆算した運動条件と駆動方式、③制御、インタフェース、安全、の3つで選びます。③は当社の実務上の見解です
  • ①と②は掛け算で効きます。IAIの式では加速度がモーメントに入り、寿命計算の荷重係数も加減速の大きさで変わります
  • 可搬質量は、メーカーの算出方法と、姿勢、リード、ストロークで変わります。メーカー横並びで比べず、自社の条件で回答してもらいます
  • ヤマハ発動機の表からは、アーム型はY軸ストロークが伸びると可搬質量が下がり、ガントリ型は保つ傾向が読めます。ガントリ型には据付面と平行度の条件が付きます
  • 駆動方式は製品ごとの公開仕様で比べ、方式名で一般化しません
  • 繰返し位置決め精度は、一方向か両方向かなど測り方をRFPで指定します
  • 寿命は前提距離(5,000km、10,000km、50km基準など)がメーカーで違います。寿命計算書の提出を求めます
  • 安全は、日本の80Wを「柵が不要」と読み替えず、タイの省令と規格、リスクアセスメントで決めます
  • 仮の数字の試算では、回収は基準ケースで約4.5年、再配置が1人分だけなら約7.7年でした。再配置できるかで大きく変わります

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