ある日系工場が、ボトルネックと信じていたマシニングセンタを高速機に入れ替えた。加工時間は確かに短くなった。しかし半年後、受注から出荷までの日数はほとんど変わっていなかった。設備は速くなったのに、製品が工場を出るまでの時間は縮まなかったのである。リードタイム 短縮 システムの検討がハードウェアではなく情報システムの話になるのは、まさにこの現象が理由だ。本稿では、製造リードタイムを5つの「待ち」に分解し、どの層が何で縮み、何では縮まないのかを整理する。
なぜ設備投資でリードタイムが縮まないのか
製造リードタイムという言葉は、多くの工場で「加工にかかる時間」とほぼ同義で使われている。だが実際に受注から出荷までの時間を工程ごとに分解して並べてみると、材料や仕掛品が実際に加工されている時間はごく一部で、残りの大半は何も起きていない時間、つまり「待ち」である。これは特定の業種や規模の話ではなく、多品種少量生産を行う工場で広く観察される構造だ(参考「工程間の停滞は改善の最大の宝庫」Factory Advance、「停滞の無駄」在庫管理110番)。
この構造を理解すると、設備投資の効き方が計算できる。仮に加工時間が全体のごく一部しか占めていない場合、その加工時間を半分にしても、全体に対する短縮効果は「ごく一部の半分」でしかない。設備投資は金額が大きいわりに、受注から出荷までの日数に対しては限られた効果しか生まないということだ。一方で待ち時間は、投資額の桁が違う手段——情報の流れを変えること——で動く可能性がある。これが「リードタイム短縮はまず情報から」と言われる理由である。
待ちとは「誰かが決められずにいる時間」
では待ちの正体は何か。工程間にパレットが積まれている状態を観察すると、そこで起きていないのは「加工」ではなく「判断」である。次に何を流すか決まっていない。材料が来るかどうか分からないので着手できない。前工程が終わったことを次工程が知らない。検査結果の判定が出ていないので出荷指示が出せない。いずれも、物理的に不可能なのではなく、決めるための材料が決める人の手元に無いから止まっている。
つまり待ち時間とは、決める人に、決めるための情報が、決めるべきタイミングで届いていない時間の総和である。この定義を採用すると、対策の方向がはっきりする。届いていない情報を届ける。それだけで縮む待ちが、工場の中にはかなりの量、存在している。逆に言えば、設備を速くしても人を増やしても残業を積んでも、情報が届いていない状態は変わらないので、その待ちは1分も縮まない。
なお、改善のKPIとして製造原価を置く工場は多いが、原価には本稿では踏み込まない。リードタイムは原価より先に動く指標であり、改善のフィードバックループを回すにはこちらを主指標に置くほうが速い、という点だけ押さえておきたい。
製造リードタイムを5つの「待ち」に分解する

ここからが本稿の中心である。製造リードタイムを漠然と「長い」と嘆いても手が打てない。次の5つの層に分解すると、どこに何日溜まっているのかが見え、しかも層ごとに有効な手段がまったく違うことが分かる。
| 層 | 待ちの名前 | 典型的な症状 | 縮める手段(安い順) |
|---|---|---|---|
| 第1層 | 情報の待ち(受注〜計画確定) | 受注は来ているのに計画に載るのが翌週。日本本社の内示・承認待ち | 受注情報の即時共有、計画サイクルの短周期化(週次→日次) |
| 第2層 | 材料の待ち(調達) | 計画は立つが材料が無い。欠品で組み替えが常態化 | 所要量の早期確定、調達リードタイムの実測、発注点の見直し |
| 第3層 | 着手の待ち(順番・ロット) | 設備が空いていないのではなく、段取り替えを嫌ってまとめている | 小日程計画、段取り順序の最適化(ここで初めてAPSが効く) |
| 第4層 | 工程間の停滞(仕掛) | 工程間にパレットが積まれ、次工程が気づくのが翌日 | 実績収集の即時化、仕掛の見える化、後工程への通知 |
| 第5層 | 出荷の待ち(まとめ・締め) | 完成しているのに週2便の出荷枠を待つ。検査成績書の作成待ち | 検査記録の電子化、出荷単位の見直し |
この5層には重要な非対称性がある。第1層と第5層は本質的に「情報の伝達」なので、システムで比較的安く縮む。第3層は計画ロジックの問題なので生産スケジューラー(APS)が効く。第2層は取引条件や輸入通関が絡むため、社内の努力だけでは動かず時間がかかる。そして第4層は、そもそも計測が先で、計測なしには他の4層のどこに問題があるのかすら判断できない。以下、層ごとに「症状/原因/縮める手段/縮まない手段」を書き分け、タイの日系工場で実際に起きる形を1つずつ添える。
第1層 情報の待ち(受注から計画確定まで)
症状は分かりやすい。営業や本社から受注・内示が来ているのに、それが生産計画に反映されるのが数日後、ひどい場合は翌週になる。現場は「まだ計画が下りてこない」と言い、計画担当は「情報が揃わないと計画が組めない」と言う。この間、工場は動けるのに動いていない。
原因は、受注情報が計画担当の手元に届く経路が人手を介していることにある。営業がエクセルの受注一覧を更新し、それをメールで送り、計画担当が転記して生産計画に落とす。この経路のどこかに一晩の滞留があれば、それは丸ごとリードタイムに乗る。加えて、計画のサイクルそのものが週次だと、月曜の朝に計画を確定した直後に入った受注は、最悪で次の月曜まで待つことになる。この「サイクル待ち」は、受注のタイミングによって同じ製品のリードタイムが数日単位でばらつく原因にもなる。
タイの日系工場で実際に起きる形として最も多いのが、日本本社からの内示・確定注文の二段構えである。月中に内示が出て、確定は月末近く。現地は確定を待って材料を手配し、その分だけ着手が後ろにずれる。さらに、一定金額を超える手配や特急対応には本社の承認が必要で、その承認が日本側の稟議ラインを通るまで数日かかる。これは時差の問題ではなく、決裁権限がどこにあるかという設計の問題だ。現地でどこまで決めてよいかの線引きについては、海外工場へのシステム展開で本社と現地の役割をどう分けるかで扱っている考え方がそのまま使える。
縮める手段は、受注・内示情報を営業/本社と工場が同じ画面で見る状態にすること、そして計画サイクルを週次から日次に落とすことである。日次と言っても計画を毎日ゼロから組み直す必要はない。確定した部分は固定し、直近数日だけを毎日更新する運用で、サイクル待ちの平均は大きく下がる。縮まない手段は明確で、設備更新も増員も残業も、この層には1分も効かない。情報が届いていないのだから、動ける人と機械を増やしても待っている状態は変わらない。
第2層 材料の待ち(調達)
症状は「計画は立っているのに材料が無い」である。着手日になって初めて欠品が判明し、計画を組み替える。組み替えると段取りが増え、別の製品の着手が遅れる。この連鎖が常態化している工場では、計画担当の仕事の大半が「組み替え」になっている。
原因は二つある。ひとつは所要量の確定が遅いこと。設計変更や仕様確定が遅れると、部品の手配開始が後ろにずれ、その分だけ材料到着が遅れる。もうひとつは、調達リードタイムを実測していないことだ。多くの工場でマスタに登録されている調達リードタイムは、数年前にサプライヤーから聞いた公称値のまま更新されていない。実際には海上輸送の混雑や通関で公称値を超えることが常態化していても、システムはその古い値で発注点を計算している。結果として、システム上は「間に合う」はずの発注が現実には間に合わない。
タイの日系工場で実際に起きる形は、調達先の中国シフトによる第2層の肥大である。部品の相当部分が海外からの輸入に置き換わった工場では、材料の待ちが工場の外側——輸送と通関——に移っている。工場の中をいくら改善しても、この層は縮まない。この構造変化については本稿の後半で数字とともに扱う。
縮める手段は、まず調達リードタイムの実測から始めることだ。発注日と入庫日の実績を品目・サプライヤーごとに蓄積し、公称値ではなく実測の分布でマスタを更新する。そのうえで所要量の早期確定と発注点の見直しを行う。在庫水準そのものの設計は適正在庫と安全在庫をどう決めるか、発注・納期管理の仕組みは受発注・購買管理システムの考え方で扱っているので、計算式や製品選定はそちらを参照してほしい。本稿で重要なのは、第2層は社外の取引条件が絡むため最も時間がかかる層であり、だからこそ先に着手すべき層ではない、という点である。縮まない手段は、安全在庫を一律に積み増すこと。これは待ちを在庫コストに置き換えているだけで、リードタイムのばらつきの原因そのものは残る。
第3層 着手の待ち(順番とロット)
症状は「設備は空いているのに着手されない」という状態である。現場に行くと機械は動いているが、動いているのは今日納期の品ではなく、段取りが同じだからまとめて流している別の品だったりする。
原因は、段取り替えのコストを現場が正しく嫌っていることにある。段取りに時間がかかる工程では、同じ型・同じ材質のものをまとめて流したほうが設備の稼働率は上がる。現場のKPIが稼働率で置かれていれば、この判断は現場にとって合理的だ。しかし工場全体のリードタイムから見ると、まとめられた側のロットは、自分の順番が来るまでただ待っている。稼働率とリードタイムはしばしば対立する指標であり、どちらを優先するかを決めないまま現場に任せると、稼働率が勝つ。
タイの日系工場で実際に起きる形は、ロットサイズが「日本の量産時代の設定」のまま引き継がれているケースだ。立ち上げ当時は同一品を大量に流していたので大ロットが合理的だったが、現在は多品種少量に変わっている。それでも標準ロットの数量はマスタの初期値のまま更新されず、少量の受注でも大ロット単位で計画が組まれる。結果として、必要のない数量を作り、その分だけ次の品が待つ。
縮める手段は、小日程計画(数日〜1週間の細かい着手順序の計画)と段取り順序の最適化である。段取り替えを減らすのではなく、段取り替えが少なくなる順序で並べる。これは人の勘でもある程度できるが、工程数と品目数が増えると組合せが爆発するため、ここで初めて生産スケジューラー(APS)が本領を発揮する。実際、計画系の導入効果として段取り時間50%削減という目標値が示されることもある(八千代ソリューションズ)。縮まない手段は、残業と休日出勤である。順番の問題を時間の量で解こうとすると、待っている品の順番は変わらないまま、全体の稼働時間だけが増える。
第4層 工程間の停滞(仕掛)
症状は、工場を歩けば誰でも見える。工程間にパレットや台車が並び、前工程が終わったことに次工程が気づくのが翌朝の朝礼、という状態である。物理的には数メートルしか離れていないのに、情報の伝達に半日から1日かかっている。
原因は、実績が「その場で」記録されていないことに尽きる。多くの工場では、作業実績は紙の日報に書かれ、シフト終了後にまとめて事務所へ上がり、翌朝に入力される。この運用では、システムが認識している工場の状態は常に半日から1日古い。計画担当は昨日の状態を見て今日の判断をしており、現場は現物を見て別の判断をしている。両者がずれるのは当然だ。
タイの日系工場で実際に起きる形は、日報の入力が事務担当のタイ人スタッフ1名に集中し、その人が休むと工場の実績がまるごと止まるという構造である。属人化していること自体も問題だが、より深刻なのは、この運用ではリードタイムを工程ごとに分解して測ることが原理的にできない点だ。日単位でしか実績が無ければ、ある品が工程Aと工程Bの間で何時間待ったかは永久に分からない。
縮める手段は、実績収集を作業の発生時点に寄せることである。工程完了時にその場でバーコードやハンディ端末で読む、あるいは設備から信号を取る。手段の選定についてはハンディターミナルとバーコードによる実績収集で扱っているので本稿では立ち入らないが、重要なのは「完了した瞬間に次工程に伝わる」状態を作ることだ。それができれば、仕掛の見える化と後工程への通知が自動的に成立する。縮まない手段は、朝礼で「連携を密に」と呼びかけることである。連携が悪いのではなく、連携するための情報が発生していない。
第5層 出荷の待ち(まとめと締め)
症状は、完成品置き場に製品が積まれたまま数日動かない状態である。製造は終わっているのに、出荷されていない。工場の中の改善に集中していると見落とされやすい層だが、実測すると意外に大きな日数を占めていることがある。
原因は主に二つ。ひとつは輸送のまとめ待ち。週2便のトラック便に合わせているため、便の翌日に完成した品は次の便まで数日待つ。もうひとつは書類の待ちで、検査成績書やトレーサビリティ資料の作成が手作業のため、製品が完成してから書類が揃うまでにさらに時間がかかる。
タイの日系工場で実際に起きる形は、検査成績書を検査担当がエクセルに手入力し、日本語版と英語版を作り分け、日本人管理者の署名を待ってから出荷、という流れである。管理者が出張していれば、その分だけ製品は倉庫で待つ。品質のための工程が、そのままリードタイムになっている。
縮める手段は、検査記録の電子化と出荷単位の見直しである。検査値を測定時点でデジタルに記録できていれば、成績書は出力するだけになる。承認も、権限を明確にして電子承認にすれば署名待ちは消える。出荷単位については、輸送コストとリードタイムのトレードオフを一度定量的に比較し、便数を増やす価値があるかを判断する。縮まない手段は、検査を省略することだ。これはリードタイムを縮める代わりに別のリスクを増やしているだけで、改善ではない。
層 × 手段の対応表 — どの手段がどの層に効くのか

5層を並べたら、次は手段との対応を確認する。ここを曖昧にしたまま投資を決めると、効かない層に効かない手段を投入することになる。下表は、代表的な4つの手段が各層にどれだけ効くかを整理したものである。
| 層 | 実績収集・見える化 | 計画システム(APS) | 情報共有・ワークフロー | 設備更新・増員・残業 |
|---|---|---|---|---|
| 第1層 情報の待ち | 間接的に効く | 効かない | 最も効く | 効かない |
| 第2層 材料の待ち | 調達実績の実測に必要 | 所要量展開で一部効く | 一部効く | 効かない |
| 第3層 着手の待ち | 標準時間の前提として必要 | 最も効く | 効かない | ほとんど効かない |
| 第4層 工程間の停滞 | 最も効く | 効かない | 一部効く | 効かない |
| 第5層 出荷の待ち | 検査記録の電子化で効く | 効かない | 最も効く | 効かない |
この表で最も注目してほしいのは、右端の列がほぼすべて「効かない」で埋まっていることだ。設備更新・増員・残業という、工場が納期遅れに直面したときに最初に思いつく3つの手段は、5層のどこにもほとんど効かない。第3層に「ほとんど効かない」と書いたのは、設備を増やせば理論上は並列度が上がるためだが、それは順序の問題を金で回避しているだけで、段取り順序が最適化されていない限り新しい設備の前にも同じ待ちが発生する。
もうひとつ読み取れるのは、「実績収集・見える化」の列に「必要」という語が繰り返し出てくることである。第2層の調達リードタイム実測も、第3層の標準時間も、実績が取れていなければ存在しない。つまり第4層への投資は、第4層を縮めるだけでなく、他の層を縮めるための前提条件でもある。この構造から、合理的な投資順序が導かれる。第4層(測る)→ 第1層(速く回す)→ 第3層(並べ替える)→ 第2層と第5層、である。
なぜAPS(生産スケジューラー)から入れると失敗するのか
本稿で最も伝えたいのがこの節である。リードタイム短縮を目的にシステム導入を検討する工場の多くが、最初に生産スケジューラー(APS)を候補に挙げる。理由は分かる。デモを見ると、ガントチャート上で全工程の負荷が可視化され、納期遵守を最大化する順序が自動で組まれる。今エクセルで丸2日かけている計画作成が数分で終わる、という提案は魅力的だ。実際、APSは正しい前提のもとで使えば強力な道具である。問題は、その前提が揃っていない工場に入れたときに何が起きるか、である。
APSの出力精度は入力精度を超えない
APSが計画を組むには、各工程の所要時間——標準時間——が必要である。どの品目を、どの設備で、どれだけの段取り時間と加工時間で作れるのか。この数値が無ければ、APSは何も計算できない。そして標準時間を実測で持っている工場は、多くない。
標準時間が無い工場でAPS導入プロジェクトが始まると、必ずこの局面が来る。ベンダーから「品目別・工程別の標準時間をマスタに登録してください」という依頼が来る。誰も実測値を持っていないので、担当者は手元にあるもので埋める。見積時に使った想定工数、図面から逆算した理論値、あるいはベテランの記憶。悪意はまったく無い。他に埋める材料が無いのだから、そうするしかない。
こうして登録された標準時間には、決まって同じ種類の歪みが入る。第一に、段取り時間が含まれていないか、極端に短く見積もられている。見積工数は加工そのものを想定して作られているからだ。第二に、実際には頻繁に発生している手直し・再加工・材料待ちの中断が入っていない。第三に、作業者の習熟度による差が反映されていない。同じ工程でも、ベテランと新人では所要時間が違う。タイの工場では入れ替わりのある職場も多く、この差は無視できない。
導入から3か月で誰も見なくなる、その手触り
その状態でAPSを稼働させると、稼働初日の計画は美しい。ガントチャートは隙間なく埋まり、納期遅れはゼロと表示される。プロジェクトメンバーは成功を確信する。
ずれ始めるのは2日目からだ。前日の計画では午前中に終わるはずだった工程が、段取りを含めて実際には夕方までかかっている。すると、その設備に後続で組まれていた品がすべて後ろにずれる。計画担当は翌朝、実績を入力して再計算をかける。すると今度は、遅れた品を取り返すために、システムが元の順序を大幅に組み替えた計画を出してくる。現場から見ると、昨日「これを流せ」と言われた順番が、今日はまったく違う順番になっている。
3日目、現場は聞き始める。「これ、本当にこの順番でいいんですか」。計画担当は答えられない。なぜなら、システムがなぜその順序を出したのかを説明するには、標準時間が正しいという前提が必要で、その前提は担当者自身が最も疑っているからだ。
1週間目、現場は自衛を始める。システムが出した計画を印刷して現場に貼るが、実際に流す順番は職長がホワイトボードで決める。導入前とまったく同じ運用に戻っている。違うのは、朝の実績入力という作業が増えたことだけだ。
1か月目、計画担当の仕事が変質する。本来やるべき「どう流すかを決める」仕事ではなく、「システムの出力を現実に合わせて手で直す」仕事が業務時間の大半を占める。エクセルで計画を作っていた頃より作業時間が増えている、という状態がここで発生する。
3か月目、誰も見なくなる。会議で「APSの計画は」と言うと、場が微妙に静かになる。ライセンス費用だけが払い続けられ、次年度の予算会議で「効果が測れない」として更新が見送られる。そして最悪なのは、この失敗が組織に「システムを入れても現場は変わらない」という学習を残すことだ。次に本当に必要な投資を提案したとき、この記憶が反対の根拠として持ち出される。
失敗の原因は製品選定ではなく順序
ここで強調しておきたいのは、これはAPS製品の優劣の話ではない、ということである。どの製品を選んでも、標準時間が無ければ同じ結末になる。実際、生産スケジューラーの計画精度は入力データの精度に規定される、というのは提供側からも繰り返し指摘されている論点だ(アスプローバ、トーテック産業など)。製品比較の観点そのものは生産管理システムの比較と選び方で別途扱っているので、本稿では繰り返さない。本稿の主張は一点、APSは第3層の道具であり、第4層が整っていない工場では機能しないということである。
先に第4層を整えると何が変わるか
順序を逆にした場合を考えてみる。まず第4層、つまり実績収集を整える。工程の開始と完了をその場で記録する仕組みを、まずは負荷の高い数工程に絞って入れる。全工程に一度に入れる必要はない。数週間から数か月データを溜めると、これまで存在しなかったものが手に入る。
第一に、工程別の実際の所要時間が、分布として分かる。平均だけでなく、ばらつきが分かる。この分布こそがAPSに入れるべき標準時間の根拠になる。第二に、工程間の滞留時間が分かる。どの工程とどの工程の間に何時間溜まっているか、つまり第4層が実際にどれだけリードタイムを食っているかが数字になる。第三に、手直しや中断の頻度が見える。これは標準時間に含めるべきか、別枠で管理すべきかの判断材料になる。
この状態でAPSを入れると、初日の計画は初回から「だいたい合っている」。ずれても、なぜずれたかが実績から追える。現場は「システムの言うことは概ね正しい」という経験を積み、計画が守られる確率が上がる。計画達成率95%以上といったKPIが現実的な目標になるのは、この順序を踏んだ場合だけである(八千代ソリューションズ)。
測る仕組みの有無が判断の質を分けることは、別の文脈のデータからも読み取れる。設備の突発停止に対して「対策なし」と回答した工場の割合は、保全システムを導入している工場で6.7%、紙運用の工場で47.7%と大きな差がある(n=500、2025年10月調査、八千代ソリューションズ)。同じ調査では「改善サイクルの高速化」を課題として挙げた割合が68.6%に達している。データが取れていない工場では、対策を打とうにも何に対して打つべきかが分からない。生産計画でもまったく同じことが起きる。
それでも先にAPSを入れたい場合
現実には、本社主導でAPS導入が決まっている、といった事情もある。その場合でも、次の3点を条件として提示する価値はある。第一に、対象を全工程ではなくボトルネック工程を含む一部ラインに限定すること。第二に、そのラインの標準時間を、導入前に少なくとも数週間、実測で取ること。第三に、稼働後の評価指標を「計画通りに流れた割合」に置き、ガントチャートの見た目や計画作成時間の短縮では評価しないこと。この3点を守るだけで、3か月で誰も見なくなる確率は大きく下がる。
測り方 — 平均ではなく「ばらつき」を見る
リードタイム短縮の取り組みで最も多い測り方の誤りが、平均リードタイムだけを追うことである。平均は確かに数日縮んだ。改善は成功した。しかし同じ期間で納期遵守率はまったく上がっていない——この現象は珍しくない。
理由は分布にある。納期に間に合わなかった案件は、平均の周りにいるのではなく、分布の右の裾、つまり例外的に長くかかった少数の案件である。大多数の案件のリードタイムが縮んでも、この裾がそのまま残っていれば、納期遅延の件数は減らない。むしろ、平均が下がった分だけ裾との差が開き、「たまに異様に時間がかかる工場」という印象が強まることさえある。顧客が体験しているのは平均ではなく、自分の注文が遅れたかどうかという個別の結果だ。
したがって測るべきは、平均に加えてばらつき(分布の広がり)と、長い側の裾がどこまで伸びているかである。実務的には、月次で全案件のリードタイムを長い順に並べ、上位から1割程度の案件だけを取り出して原因を層別する運用が有効だ。「材料待ちが原因」「本社承認待ちが原因」「工程Cの前で滞留」というように、5層のどこで詰まったかに振り分ける。数か月続けると、自社の長時間案件がどの層に集中しているかが明確になる。ここが投資すべき層である。
層別に測るための最低限のデータ
5層に振り分けるには、それぞれの層の境界となる時刻が記録されている必要がある。最低限、次の時点を押さえたい。
| 記録すべき時点 | 分かること | 主に関係する層 |
|---|---|---|
| 受注登録日時 | 受注が社内に入った瞬間 | 第1層 |
| 計画確定日時 | 計画に載った瞬間 | 第1層 |
| 材料入庫日時 | 材料が揃った瞬間 | 第2層 |
| 各工程の開始・完了日時 | 加工時間と工程間の滞留 | 第3層・第4層 |
| 検査完了・書類完成日時 | 出荷可能になった瞬間 | 第5層 |
| 実出荷日時 | 工場を出た瞬間 | 第5層 |
この一覧を見て「うちは工程の開始・完了時刻が取れていない」と気づいたなら、それが第4層から着手すべき理由そのものである。逆に言えば、これらの時点さえ押さえられれば、高価な分析ツールは要らない。表計算ソフトでも層別はできる。
KPIの置き方
目標値の置き方については、既存の実践例を参考にできる。製造リードタイムを3〜6か月で現状の70〜80%に、段取り時間を50%削減、計画達成率を95%以上、といった水準が改善目標として示されている(八千代ソリューションズ)。重要なのは数値そのものより、期間を区切ることと複数のKPIを同時に見ることである。リードタイムだけを追うと在庫が増えたり品質が落ちたりする。計画達成率を併せて見ることで、無理な短縮ではなく計画通りに流れる状態を目指せる。
タイの日系工場に固有の3つの待ち

ここまでは製造業一般の話だが、タイに拠点を置く日系工場には、日本国内の工場には存在しないか、存在しても軽微な待ちが3つある。この3つを見落とすと、日本の改善手法をそのまま持ち込んで効果が出ない、という結果になる。
待ち1 日本本社の承認・内示待ち(第1層の肥大)
第1層で触れた内示・承認待ちは、タイの日系工場では例外ではなく標準的な構成である。ここでは対策の側から整理したい。内示は月次、確定はその後。加えて、設備投資・特急対応・追加人員といった判断には本社承認が必要で、その承認は日本側の稟議ラインを通る。
ここで誤解されやすいのは、これを「時差の問題」と捉えることである。タイと日本の時差は2時間で、業務時間はほぼ重なっている。問題は時差ではなく、決裁の階層だ。現地で決められる範囲が狭く設計されていれば、その範囲を超える判断はすべて待ちになる。改善策は通信手段の強化ではなく、権限規程の見直しである。金額や影響範囲で区切って現地決裁の範囲を明示し、その範囲内の判断は現地で完結させる。システム側では、承認が必要な案件がいま誰のところで止まっているかを両拠点から見える状態にする。これだけで「誰に聞けばいいか分からないまま数日経つ」という待ちは消える。
待ち2 調達の中国シフトによる第2層の肥大
タイの製造業を取り巻く環境は、この10年で構造的に変化している。ジェトロの整理によれば、タイの貿易に占める中国のシェアは2000年の4.7%から2024年には19.1%へ拡大した。一方、対タイ直接投資に占める日本のシェアは2014年の37.6%から2024年には8.6%まで低下している。タイの製造業がGDPに占める比率も、2010年のピーク30.9%から2024年には24.3%へ下がり、製造業の成長率は2023年が▲2.7%、2024年が▲0.5%とマイナスが続いている。
この数字が現場に何をもたらすかというと、第一に、部品の調達先が国内サプライヤーから中国を中心とする海外へ移り、調達リードタイムが長く、かつ不安定になる。第二に、日系サプライヤーの現地における層が薄くなり、これまで「近いから翌日持ってきてくれた」部品が、そうでなくなる。つまり第2層が構造的に肥大している。
対応は二つの方向がある。ひとつは、実測に基づく調達リードタイムでマスタを更新し、発注点を現実に合わせること。もうひとつは、第2層が長いことを前提に、他の層を短くして全体を吸収することだ。材料が届いてから出荷までの社内リードタイムを短くできれば、調達側の変動に対する耐性が上がる。第2層を短くする努力と、第2層の長さに耐える設計は別物であり、後者のほうが自社でコントロールできる。
待ち3 賃金上昇で「人を足して納期を守る」が成立しなくなっている
タイの日系工場で長く使われてきたリードタイム対策は、実は人海戦術である。納期が危なくなったら人を足す、残業する、休日出勤する。これは労務費が相対的に安かった時代には合理的な選択だった。
その前提が崩れつつある。タイの最低賃金は2025年7月1日からバンコク都の全業種などで日額400バーツの水準が適用されている。日系企業の賃金上昇率も、2023年の3.8%から2024年は4.58%、2025年は4.64%が見込まれている(東京コンサルティンググループ、暮らすアジア)。年率4%台の上昇が続けば、人手で納期を守るコストは数年で無視できない規模になる。しかも先に見たとおり、増員も残業も5層のどこにもほとんど効かない。効かない手段のコストだけが上がっている、というのが現在の状況である。
この3つを合わせると、タイの日系工場が取るべき方向は明確になる。第1層は権限設計とシステムで縮める。第2層は縮まないので、耐える設計にする。そして人手で吸収してきた分を、第4層の計測と第3層の並べ替えに置き換える。
費用と投資順序 — どの層に、どの順で投じるか
費用の話をするとき、本稿ではあえて具体的な金額を示さない。工程数、拠点数、既存システムとの連携範囲、多言語対応の有無によって桁が変わるためで、前提条件を伴わない金額は判断を誤らせる。工程管理システムの金額レンジについては前提条件とともに工程管理システムの費用はどう見積もるかで整理しているので、金額の相場観はそちらを参照してほしい。ここで示すのは、金額ではなく投資の順序と、各層の投資規模の相対関係である。
| 投資の順番 | 対象の層 | 投資規模の相対感 | 効果が出るまでの期間 | 前提条件 |
|---|---|---|---|---|
| 1番目 | 第4層 実績収集・見える化 | 対象工程を絞れば小さく始められる | 数週間でデータが溜まり始める | 現場が入力できる運用にすること |
| 2番目 | 第1層 情報共有・計画サイクル | 小〜中(既存システムの活用余地が大きい) | 1〜2か月 | 現地決裁範囲の明確化 |
| 3番目 | 第3層 計画ロジック・APS | 中〜大(ライセンスと設定工数) | 3〜6か月 | 第4層の標準時間が揃っていること |
| 4番目 | 第2層 調達 | 中(社外調整の工数が大きい) | 半年以上 | サプライヤーとの取引条件見直し |
| 4番目 | 第5層 出荷・検査書類 | 小〜中 | 1〜3か月 | 承認権限の電子化 |
この順序の根拠は、これまで見てきたとおり、第4層が他の層の前提条件になっているからである。第4層を飛ばして第3層に投じると本稿の中盤で述べた失敗が起き、第4層を飛ばして第2層に投じると、実測されていない調達リードタイムを前提に発注点を設計することになる。順序を守ることは、投資額を減らすことよりも効果が大きい。
回収をどう語るか
社内で投資を通すとき、多くの担当者が在庫削減額で回収を説明しようとする。仕掛が減れば運転資金が減る、という論理だ。この説明には弱点がある。在庫削減額は一度きりの効果で、しかも会計上は資産の入れ替えなので、経営層から「それは利益ではない」と指摘されると反論しにくい。
本稿が勧めるのは、納期遵守率の改善による受注機会で語ることである。納期を守れる工場は、短納期案件や急な増産の引き合いを受けられる。逆に納期が読めない工場は、営業が安全側に倒して長い納期を提示するため、競合に負ける。どちらの案件をいくつ逃したかは、営業に聞けば具体例が出てくるはずだ。そのうえで「リードタイムのばらつきが縮めば、提示納期を短くしても守れる」という筋道で説明する。金額の精度は落ちるが、経営層にとっては在庫の入れ替えより理解しやすい話になる。
最初の90日の進め方
大きなシステム構想を描く前に、90日で何をするかを決めたほうがよい。以下は、5層の分解と投資順序をそのまま日程に落としたものである。
| 期間 | やること | 完了の判定基準 |
|---|---|---|
| 1〜30日 測る | 対象ラインを1つ決め、工程の開始・完了時刻を記録し始める。同時に、直近3か月の出荷実績からリードタイムを長い順に並べ、上位1割を5層に層別する | 工程別の所要時間と工程間滞留が数字で言える状態 |
| 31〜60日 速く回す | 計画サイクルを週次から日次(または半週次)に変更。受注・内示情報を営業/本社と工場で同じ画面で見る。現地決裁範囲を文書化する | 受注から計画反映までの日数が測れて、かつ短くなっている |
| 61〜90日 並べ替える | 30日間で得た実測値を標準時間として整備し、対象ラインに限定して着手順序の最適化を試す。APSを使う場合もこの段階で範囲を限定して評価する | 計画通りに流れた割合が測れて、改善傾向にある |
この90日で意識してほしいのは、範囲を欲張らないことである。全工程・全品目を一度に対象にすると、データ整備だけで90日が終わる。1ラインでよい。1ラインで5層の分解ができれば、その方法論は他ラインに展開できる。逆に、範囲を広げたまま曖昧なデータで進めると、どの層に問題があるかが最後まで分からず、結局は勘で投資先を決めることになる。
よくある失敗5つ
最後に、リードタイム短縮の取り組みで繰り返し観察される失敗を5つ挙げる。いずれも本稿のフレームで説明できる。
失敗1 ボトルネック工程の設備を増強して終わりにする。 加工時間が全体のごく一部である以上、設備投資の効果は限定的だ。しかも増強した工程の前後で待ちが発生する構造は変わらないため、パレットの置き場所が移動しただけ、という結果になりやすい。
失敗2 平均リードタイムだけを追う。 平均が縮んでも、長時間案件が残っていれば納期遵守率は上がらない。顧客が評価しているのは平均ではなく、自分の注文が約束どおり届いたかどうかである。
失敗3 実績収集を飛ばしてAPSを導入する。 本稿の中盤で詳述したとおり、標準時間が無い状態でAPSを動かすと、計画は出るが現場と合わず、数か月で使われなくなる。失うのはライセンス費用だけでなく、「システムは役に立たない」という組織の学習である。
失敗4 安全在庫を積み増して欠品を消す。 第2層の待ちは表面上は消えるが、原因である調達リードタイムのばらつきは残っている。在庫コストとキャッシュフローで代金を払っているだけで、リードタイムそのものは縮んでいない。
失敗5 全工程・全品目を一度に対象にする。 対象範囲が広いほどデータ整備の負荷が上がり、効果が出る前にプロジェクトが疲弊する。1ラインで5層を分解し、そこで得た方法を横展開するほうが速い。
よくある質問
リードタイム 短縮 システムとは何ですか?
特定の製品カテゴリを指す言葉ではなく、製造リードタイムを構成する「待ち」を縮めるための情報システム全般を指します。本稿の整理では、実績収集・見える化の仕組み(第4層)、受注情報の共有と計画サイクルを短縮する仕組み(第1層)、着手順序を最適化する生産スケジューラー(第3層)、調達管理(第2層)、検査記録の電子化(第5層)が該当します。重要なのは、自社のリードタイムがどの層に溜まっているかを先に測ることで、層が特定されないまま製品を選ぶと、効かない層に投資することになります。
製造リードタイムはどう計算しますか?
最も実務的なのは、受注が社内に登録された日時から、製品が工場を出荷された日時までを1案件ごとに記録し、その集合を分析する方法です。平均値だけでなく、ばらつきと、長い側の裾がどこまで伸びているかを併せて見ます。さらに層別するには、計画確定日時、材料入庫日時、各工程の開始・完了日時、検査完了日時を記録し、区間ごとの所要時間に分解します。工程の開始・完了時刻が記録されていない工場では、この分解ができないため、まず実績収集の仕組みを整えることが出発点になります。
生産スケジューラーを入れればリードタイムは縮みますか?
条件付きで縮みます。生産スケジューラー(APS)が効くのは第3層、つまり着手の順番とロットの問題です。そして効くためには、各工程の標準時間が実測で揃っていることが前提になります。標準時間が無い状態で導入すると、計画は出力されるものの現場の実態と合わず、数か月で使われなくなる例が多く見られます。第4層の実績収集を先に整え、実測データを標準時間として持ったうえで導入するのが順序として正しく、その場合は計画達成率95%以上といった目標も現実的になります。
生産計画のエクセル脱却はどこから始めますか?
エクセルそのものを置き換えることを目的にしないことが重要です。多くの工場でエクセルが手放せない理由は、計画のロジックが複雑だからではなく、現場の実績がエクセル以外に存在しないからです。したがって出発点は、工程の開始・完了実績をその場で記録する仕組みを、まず1ラインに導入することです。実績がシステムに乗れば、計画の入力データが自動で揃い、エクセルで転記していた作業が自然に減ります。逆に、実績が紙のまま計画ツールだけを置き換えると、転記作業が別のツールに移るだけになります。
仕掛品を減らせばリードタイムは縮みますか?
因果の向きに注意が必要です。仕掛品はリードタイムが長いことの結果であって、原因ではありません。工程間に滞留が発生しているから仕掛が積み上がるのであって、仕掛を強制的に減らしても、滞留の原因である情報の遅れが残っていれば、今度は前工程が止まるだけです。正しい順序は、まず工程間の滞留時間を測り、次工程が前工程の完了を即時に知る状態を作ることです。その結果として仕掛は減ります。仕掛の量は、改善の目標というより、改善が進んでいるかを確認する指標として使うのが適切です。
タイ工場で特に注意すべき点は何ですか?
3点あります。第一に、日本本社の内示・承認待ちが第1層を肥大させている点で、これは時差ではなく決裁権限の設計の問題です。現地決裁の範囲を明文化することが対策になります。第二に、調達先の中国シフトにより第2層が構造的に長くなっている点で、社内努力では縮まないため、長い前提で他の層を短くする設計が必要です。第三に、賃金上昇です。最低賃金は2025年7月1日からバンコク都の全業種などで日額400バーツの水準が適用され、日系企業の賃金上昇率も年4%台で推移しています。増員や残業で納期を守る方法は、効果が薄いうえにコストが上がり続けています。
まとめ
製造リードタイムの大半は加工時間ではなく待ちであり、待ちとは「決める人に、決めるための情報が、決めるべきタイミングで届いていない時間」である。だから設備を速くしても人を増やしても残業を積んでも縮まない。縮むのは、情報が届いたときだけだ。
その待ちは5つの層に分解できる。情報の待ち、材料の待ち、着手の待ち、工程間の停滞、出荷の待ち。層ごとに効く手段が違い、しかも第4層の実績収集は他の層を分析するための前提条件になっている。だから投資順序は、測る(第4層)、速く回す(第1層)、並べ替える(第3層)、そして調達と出荷(第2層・第5層)となる。この順序を飛ばして生産スケジューラーから入ると、計画は出るが現場と合わず、3か月で誰も見なくなる。
明日の会議で使える問いは一つだけでよい。「うちのリードタイムは、5つの待ちのどこに何日溜まっているのか」。この問いに数字で答えられないなら、答えられるようにすることが最初の投資である。
自社のリードタイムがどの層に溜まっているのか、まだ切り分けられていない段階でも構いません。TOMAS TECHはタイをはじめとするASEANの日系製造業に対して、実績収集から計画の仕組みづくりまでを現地で支援しています。現状の工程の流れを一緒に整理するところから始められますので、お問い合わせよりお気軽にご相談ください。
参考情報
- リードタイム短縮の進め方とKPIの置き方(八千代ソリューションズ) https://yachiyo-sol.com/library/leadtime-tanshuku/
- 製造業のリードタイム短縮(八千代ソリューションズ) https://yachiyo-sol.com/library/lead-time-tanshuku-seizogyo/
- タイ製造業の構造変化に関する特集レポート(ジェトロ) https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/special/2025/1001/88b00134e345c346.html
- 工程間の停滞と加工時間の比率について(Factory Advance) https://factoryadvance.jp/blog/1295/
- 停滞の無駄(在庫管理110番) https://shikumika.com/column/%E5%81%9C%E6%BB%9E%E3%81%AE%E7%84%A1%E9%A7%84/
- APSとリードタイムの関係(トーテック産業) https://www.totec-sangyo.jp/blog/aps-leadtime/
- 生産スケジューラーと計画精度(アスプローバ) https://www.asprova.jp/column/a2/productionscheduler-planningaccuracy/
- リードタイム短縮の実務(最適ワークス) https://saiteki.works/blog/cont-shorten-lead-time/
- タイ労務・タイ労務管理の最新動向(東京コンサルティンググループ) https://kuno-cpa.co.jp/thailand_blog/%E3%80%902026%E5%B9%B4%E6%9C%80%E6%96%B0%E7%89%88%E3%82%BF%E3%82%A4%E5%8A%B4%E5%8B%99%E3%83%BB%E3%82%BF%E3%82%A4%E5%8A%B4%E5%8B%99%E7%AE%A1%E7%90%86%E3%81%AE%E6%9C%80%E6%96%B0%E5%8B%95%E5%90%91/
- タイの最低賃金ガイド2025(暮らすアジア) https://kyujin.careerlink.asia/blog/thailand-minimum-wage-guide-2025/