「年に1回の棚卸のたびに、帳簿と実在庫が合わない。理由が分からないまま評価損で調整して、翌年もまた合わない」。タイのアユタヤ、チョンブリー、ラヨーンの日系工場で、工場長や生産管理課長、経理担当の方からよく聞く悩みです。本記事では、在庫差異の原因と対策を、現場で再発を止めるための手順として整理します。
先に結論を書きます。在庫差異は「数え間違い」ではなく、ほとんどが「記録の仕組みの欠陥」から構造的に生まれます。 だから、年1回の一斉棚卸で数字を実数に合わせ直すだけでは、毎年同じ差異が出続けます。対策は次の3つです。
- 差異を「数量だけ」でなく、数量・ロケーション・単位・品番の4要素で測る(在庫記録精度の定義を社内で決める)
- 差異を原因別に分類し、原因ごとに記録の流れを直す
- 年1回の一斉棚卸を、ABC別の循環棚卸(サイクルカウント)に置き換え、差異を早く小さく見つけ続ける
なお、本記事に登場する「モデル工場A」に関する品目数・金額・工数・精度は、すべて本記事オリジナルのモデル設定・想定値です。業界平均でも調査値でもありません。自社の数字に置き換えて使う「計算の型」として読んでください。
2026年に在庫差異が増えやすい理由
タイの生産回復で、入出庫の取引件数が増える
経済指標サイトのTrading Economicsによると、タイの鉱工業生産指数(MPI)は2026年8月に前年同月比4.44%上昇し、予想の1%を上回りました。上昇は2か月連続です。同サイトによると、工業省は2026年の生産の伸びの予測を0.0〜0.5%から2.75〜3.55%へ上方修正しています。
ここからは本記事側の推論ですが、生産が戻ると、受入・出庫・工程投入・移動・出荷といった在庫の取引件数が増えます。取引が増えれば、紙伝票の書き漏れや、後日転記の遅れ、移動の片側だけの計上が起きる機会もそれだけ増えます。閑散期に何とか回っていた記録の仕組みが、繁忙期に入って一気に崩れるのはよくある流れです。生産量が回復しつつある今こそ、記録の仕組みを見直す意味があります。
在庫精度は「改善したい領域」の上位に挙がる
在庫管理ソフト会社のinFlowが2026年7月に公表した「State of Inventory Management 2026」は、米国のフルタイム業務従事者400人を対象に2026年3月に実施した調査です。同調査では、49.5%が「最も改善が必要な領域」に在庫精度を挙げ、84.8%がスプレッドシートで在庫を管理していると回答しました。
これは米国のベンダー調査であり、タイの工場にそのまま当てはまる数字ではありません。それでも「在庫精度は多くの会社で課題として認識されていて、その管理はまだ表計算ソフトに頼っている」という構図は、タイの日系工場でも見覚えのある方が多いはずです。
税務のデジタル化も進んでいる
背景として触れておくと、税務ニュースサイトの報道によれば、タイ内閣は2026年6月16日、電子税インボイスや電子源泉徴収などの電子税務システムの導入促進策(ハードウェア・ソフトウェアの取得費などの200%損金算入など)を2027年末まで延長することを承認しました。在庫差異と直接の関係はありませんが、税務の面でも記録の電子化を後押しする施策が続いている、という背景として押さえておくとよいでしょう。
在庫差異とは:帳簿在庫と実在庫の差を「純額」でなく「絶対値」で見る
帳簿在庫と実在庫の差異が生まれる仕組み
在庫差異とは、システムや台帳上の在庫(帳簿在庫)と、棚にある現物の在庫(実在庫)の差です。帳簿在庫は「受け入れた量 − 出した量」の積み上げで作られます。つまり、どこかで取引の記録が漏れたり、遅れたり、間違った数量で記録されたりすると、その分だけ帳簿在庫は現物から離れていきます。
ここで大事なのは、差異の多くは棚卸の日に生まれるわけではない、という点です。差異は日々の取引のどこかで生まれ、棚卸の日に「見つかる」だけです。年に1回しか数えなければ、差異が生まれてから見つかるまで最長1年かかります。1年前のどの取引がずれていたのかを、あとから突き止めるのはまず不可能です。だから多くの工場では、理由が分からないまま「実数に合わせる」調整で終わってしまいます。
誤差はランダムではなく構造的に生まれる
在庫記録の誤差が構造的に生まれることを示した研究があります。DeHoratiusとRamanは2008年の学術誌Management Scienceの論文で、米国の小売業者1社の37店舗、約37万件の在庫記録を調べ、65%が不正確だったと報告しました。そして、不正確さの程度は偶然ではなく、棚卸監査の実務(緩和する要因)や、店舗環境の複雑さ・流通構造(悪化させる要因)で説明できることを示しています。
これは米国小売の研究であり、製造業やタイの工場の数値ではありません。 65%という数字を工場の実態として使うことはできません。ここで借りたいのは、「記録の誤差はたまたま起きるのではなく、仕組みや環境の特徴によって構造的に生まれる」という考え方だけです。構造的に生まれるなら、構造を直さない限り、何度棚卸をしても同じ差異が出続けます。
モデル工場Aの前提
以降の説明では、次のモデル工場を使います(すべて本記事のモデル設定です)。
- タイ・アユタヤ県の日系の樹脂成形・組立工場
- 在庫管理の対象品目(原材料・購入部品・仕掛品・製品)は2,000品目
- 年1回の一斉棚卸で、ラインを2日止め、20人×8時間×2日=320人時をかけている
- 日々の入出庫は紙伝票に書き、あとからExcelと生産管理システムに転記している
純額だけ見ると、差異は小さく見える
モデル工場Aの前回の年次棚卸では、次の調整を行いました(本記事のモデル設定です)。
| 区分 | 調整額(THB) | 意味 |
|---|---|---|
| 増加の調整 | +1,400,000 | 帳簿より実物が多かった品目の合計 |
| 減少の調整 | −3,200,000 | 帳簿より実物が少なかった品目の合計 |
| 純額 | −1,800,000 | 損益に出る調整額 |
| 絶対値の合計 | 4,600,000 | 実際に記録がずれていた大きさ |
経理の視点では、損益に影響するのは純額の−1,800,000 THBです。しかし、在庫差異の原因を探すという目的では、純額だけを見るのは危険です。プラスとマイナスが打ち消し合って、実際のずれよりも小さく見えてしまうからです。
モデル工場Aでは、実際に記録がずれていた大きさは絶対値の合計で4,600,000 THBあり、純額の2倍以上です。たとえば、A品番の部品を誤ってB品番として出庫記録すれば、A品番は実物が多く、B品番は実物が少なくなります。純額では相殺されて目立ちませんが、記録の誤りは2件起きています。差異は純額でなく絶対値で、品目別に集計する。 これが原因を探す出発点です。
なお、こうした誤記録の型について、会計系解説サイトAccountingToolsのSteven Braggは、倉庫間などの移動を片方だけ処理すると「同じ在庫が2か所にある、またはどこにも無い」状態になると説明しています。純額では見えないずれの典型です。
在庫記録精度(IRA)の測り方:4要素と許容差
在庫記録精度は「完全に正しかった品目の割合」
在庫差異を減らすには、まず「どれだけ合っているか」を測る物差しを社内で決める必要があります。この物差しが在庫記録精度(Inventory Record Accuracy、以下IRA)です。
AccountingToolsは在庫精度を「完全に正確だった品目数 ÷ サンプル品目数」で計算し、数量・ロケーション・単位・品番の4要素がすべて一致して初めて正確とすると説明しています。同サイトの例では、8品目を検査して数量は全部合っていたものの、ロケーションコードと品番に誤りがあったため、精度は0%とされています。「数量さえ合えば正確」ではない、という考え方です。
| 要素 | 一致しているかの確認内容 | 一致しない例 |
|---|---|---|
| 数量 | システムの数量と現物の数量が許容差内か | 帳簿100個、現物92個 |
| ロケーション | システム上の棚番に現物があるか | 帳簿はA-03棚、現物はA-05棚 |
| 単位 | 数量の単位が正しく解釈されているか | 帳簿は「10箱」、現場は「10個」と記録 |
| 品番 | 正しい品番で記録されているか | 色違い・改訂違いの品番で入庫 |
許容差と「初回カウントで判定する」ルール
数量が「合っている」とみなす範囲(許容差)も決めておく必要があります。ここで参考になるのが、ERP製品の仕様です。以下は特定製品の推奨ではなく、許容差をどう設計するかの考え方の例として紹介します。
- Oracleの製品マニュアル(Oracle Inventory User’s Guide)では、帳簿在庫と実棚数の差について、数量差異許容とヒット/ミス許容を、いずれもシステム手持数に対する±%で定義します。初回カウントが許容内なら「ヒット」、外なら「ミス」です。マニュアルは、ヒット/ミス率は再カウントではなく初回カウントに基づくと注記しています。
- 同マニュアルには金額ベースの調整金額許容もあり、調整金額は「(カウント数量 − システム手持数量)× 現在の品目原価」で計算されます。許容外の調整は承認を要するよう設定できます。
- Microsoft Dynamics 365 Supply Chain Managementの公式文書では、作業者ごとに偏差限度(最大パーセント・最大数量)を設定でき、限度外のカウントはレビュー保留になります。また、カウント時にシステムが期待数量を表示しない設計(いわゆるブラインドカウント)を、意図的な数え間違いを防ぐためと説明しています。
これらは製品仕様であって業界標準の定義ではありません。ただ、社内ルールを作るうえでは次の3点が使えます。①許容差は品目のランク別に決める、②正確かどうかは「数え直して合わせた結果」ではなく初回カウントで判定する、③許容外の差異は承認と原因の記録を必須にする。数え直して合ったものまで「正確」と数えてしまうと、記録の仕組みの問題が数字に表れなくなるからです。
目標値はどう考えるか
IRAの目標値について、業界で一律に決まった基準があるわけではありません。コンサル会社のOliver Wightは、在庫記録精度のコースで95%以上の水準を循環棚卸で維持する方法を教えるとしており、2019年のホワイトペーパーの紹介文では「在庫記録精度の世界水準は今日、最低でも99.5%」と述べています。これはコンサル会社の主張であり、統計値ではありません。自社の目標は、品目のランクや現在の水準を見ながら段階的に決めるのが現実的です。
モデル工場Aの試行カウント:数量だけで測ると、精度を高く見誤る
モデル工場Aでは、循環棚卸の試行として200品目をサンプルカウントしました(以下すべて本記事のモデル設定です)。
| 判定の仕方 | 正確とみなした品目数 | 精度 |
|---|---|---|
| 数量だけで判定(モデルの許容差内) | 162品目 | 162 ÷ 200 = 81% |
| 数量とロケーションで判定 | 150品目 | 150 ÷ 200 = 75% |
| 4要素すべてで判定(IRA) | 150品目 | 150 ÷ 200 = 75% |
数量が許容差内だった162品目のうち、12品目は現物が別の棚にあり、ロケーションが違っていました。単位と品番の誤りは、残りの150品目の中には見つかりませんでした。したがって4要素すべてが一致したのは150品目、IRAは75%です。

数量だけで測ると81%、4要素で測ると75%で、6ポイントの差があります。「数量は合っているのに、棚にない」品目は、ピッキングの時に「システム上はあるのに見つからない」という形で現場の時間を奪い、ときには欠品と判断されて余計な発注につながります。ロケーション違いを精度の計算から外すと、こうした損失が数字から消えてしまいます。在庫精度の向上を目指すなら、最初に物差しを4要素にそろえることが欠かせません。
在庫差異の5つの原因
外れた50品目を原因別に分類する
モデル工場Aでは、4要素のどれかが一致しなかった50品目(200 − 150)について、1品目ずつ直近の取引を遡り、原因を分類しました(本記事のモデル設定です)。
| 原因 | 品目数 | 主な対策 |
|---|---|---|
| 受入・出庫・移動の記録漏れ/記録の遅れ | 16 | 現品の動きと同時にハンディでスキャン、移動は出庫と入庫を1取引で記録 |
| バックフラッシュとBOM・スクラップの未計上 | 12 | BOM構成数量の見直し、スクラップ・仕損の工程内計上、工程別の消費計上 |
| ロケーション違い | 12 | ロケーションラベル、ロケーション単位の入出庫スキャン |
| 単位換算の誤り(箱・袋・kg・個) | 6 | 品目マスタの単位と換算係数の統一、箱と個を分けて入力し合算 |
| カウント誤り | 4 | ブラインドカウント、再カウント |
| 合計 | 50 |
内訳の関係を整理すると、数量が許容外だった38品目(200 − 162)が「記録漏れ16+バックフラッシュ12+単位6+カウント誤り4」、数量は合っていたがロケーションが違った12品目(162 − 150)が「ロケーション違い12」です。合わせて50品目になります。

差異の92%は記録の仕組みから生まれていた
この分類で見えてくるのは、記録の仕組みに起因する原因(記録漏れ16+バックフラッシュ12+ロケーション12+単位6=46品目)が50品目のうち92%を占め、純粋なカウント誤りは4品目、8%にすぎないということです。
つまり、棚卸の日にどれだけ丁寧に数え直しても、差異の大半は止まりません。数え方を改善して減らせるのは8%の部分だけで、残りの92%は、翌日からまた同じ仕組みで生まれ続けます。これが「毎年同じように合わない」理由です。
AccountingToolsのBragg氏も、在庫誤差の型として、カウント誤り、単位の誤り、品番の誤り、顧客所有在庫の誤計上、委託在庫の数え漏れ、カットオフの不備、移動の片側計上、バックフラッシュによるスクラップ消込の誤りなどを挙げています。同氏の在庫照合の手順でも、再カウントや単位・品番の確認に続いて、未計上の取引を探すこと、スクラップやバックフラッシュの記録を確かめることが並んでいます。そして「取引は起きたが誰もまだ記録していない」ことが差異の大きな発生源だと書いています。カウントそのものより、記録の流れを疑うべきだということです。
原因1:受入・出庫・移動の記録漏れと記録の遅れ
モデル工場Aで最も多かった原因です。紙伝票に書いてから夕方や翌日にExcelや生産管理システムへ転記する運用では、次のようなずれが日常的に起きます。
- 急ぎの出庫で伝票を書き忘れる、書いた伝票が転記されずに残る
- 受入済みの荷が検収待ちのまま帳簿に載らず、その間に使われる
- 倉庫から工程への移動で、出庫側だけ記録して受入側を記録しない
- 棚卸の最中に入荷した荷が、帳簿と現物のどちらか一方にしか入らない(カットオフの不備)
いずれも「現物が動いた瞬間」と「記録された瞬間」がずれていることが根本です。
原因2:バックフラッシュとBOM・スクラップの未計上
バックフラッシュ(自動引落し)は、完成品の出来高を計上したときに、BOM(部品表)に基づいて部品の消費を自動で計上する仕組みです。現場の入力が減る便利な仕組みですが、AccountingToolsは「BOMの標準構成数量が正しい前提で消込むため、実際のスクラップが標準と違えば誤った数量が在庫記録から引き落とされる」と説明しています。
マイクロソフトの公式文書(Dynamics 365 Business Central)も、自動フラッシュの欠点として「スクラップを正確に記録できない、あるいはその存在に気付かない可能性」を挙げています。さらに同文書によると、工程ごとの紐付けを使わない全体のバックフラッシュでは、製造指図を完了にするまで消費が計上されず、その間ほかの需要からは部品が「まだ在庫あり」に見えます。
樹脂成形の工場で言えば、成形条件の立上げで出た不良、ランナー、色替えのパージ、試作品やサンプルの払出しなどが、BOM上の標準歩留まりに入っていなければ、そのまま帳簿在庫が実在庫より多い状態になります。仕掛品が長く工程に滞留する工場では、タイミングのずれも重なります。
原因3:ロケーション違い
数量は合っているのに、現物が別の棚にあるケースです。棚番のラベルが無い、仮置き場が常態化している、移動の記録をロケーション単位でしていない、といった状態で起きます。前述のとおり、数量だけで精度を測ると見えない原因です。
原因4:単位換算の誤り
購入単位は箱、保管単位は袋、使用単位はkgや個、という具合に、1つの品目に複数の単位があるときに起きます。AccountingToolsは、個数で数えているのにシステムの単位はダースだった、という例を挙げています。品目マスタの換算係数が間違っていたり、現場が単位を確認せずに数字だけ入力したりすると、桁違いのずれが出ます。
原因5:カウント誤り
数え間違い、別の品目を数えた、同じ棚を二重に数えた、といった誤りです。モデル工場Aでは50品目中4品目と最も少ない原因でした。ただし、カウント誤りを放置すると、正しい帳簿を誤った実数で「上書き」してしまい、新たな差異を作ることになります。数量を見ないで数えるブラインドカウントと、許容外の再カウントで抑えます。
原因別の在庫差異の対策
記録漏れ・記録の遅れへの対策:現物が動いた瞬間に記録する
最も効くのは、紙伝票の後日転記をやめて、現物が動いたその場でハンディ端末やスマートフォンでバーコードをスキャンして記録することです。スキャンにすれば、品番と数量の手書き・転記の誤りも同時に減ります。バーコードを使った記録の仕組みについては、バーコード管理システムの導入ポイントでも詳しく整理しています。
あわせて、次の運用を決めます。
- 入荷は受入時点でスキャンし、検収待ち・品質保留の荷は専用のロケーションに置いて区分する
- 倉庫間・工程間の移動は、出庫と入庫を1つの取引で記録し、片側だけの計上をなくす
- 棚卸の対象期間中に入荷した荷の扱い(どちらの期に入れるか)を事前に決める
バックフラッシュとBOMの対策:標準と実績のずれを埋める
バックフラッシュをやめる必要はありません。前提となるBOMの構成数量と歩留まり(スクラップ率)を、実績に合わせて定期的に見直すことが先です。そのうえで、スクラップ・仕損・試作・サンプル払出しは、工程の中でその都度計上するルールにします。工程ごとに消費を計上できる設定にすれば、指図完了まで在庫が「まだある」ように見える時間差も小さくなります。
BOMや品目マスタの精度は、在庫だけでなくMRPの所要量計算の精度にも直結します。この点はMRPシステムとマスタデータ精度の記事でも扱っています。仕掛品の記録の考え方については、仕掛品の在庫管理も参考になります。
ロケーション違いの対策:棚番を決め、棚番単位で記録する
全ての棚にロケーションラベルを貼り、入出庫をロケーション単位でスキャンします。「とりあえずここに置く」仮置き場を作るなら、それも1つのロケーションとして登録します。ロケーションの付け方や運用ルールは、倉庫のロケーション管理で具体的に解説しています。
単位換算の対策:品目マスタで単位をそろえる
品目マスタで基準単位と換算係数を統一し、ラベルにも単位を印字します。Dynamics 365 Supply Chain Managementの公式文書には、箱と個のように単位を分けて入力し、システム側で換算して合算する例(2箱と5個を、1箱10個の換算で25個とする)があります。現場に換算をさせず、見たままの単位で入力させる設計は、単位の誤りを減らす有効な考え方です。
カウント誤りの対策:ブラインドカウントと再カウント
カウントする人に帳簿の数量を見せないブラインドカウントにすると、「帳簿の数字に合わせて書く」ことを防げます。許容外だった品目は、別の人が再カウントします。ただし前述のとおり、精度の判定は初回カウントで行い、再カウントで合ったからといって「正確だった」と扱わないようにします。
顧客所有在庫・委託在庫の区分
モデル工場Aの50品目には入っていませんが、AccountingToolsは顧客所有在庫を自社在庫として数えてしまう誤りや、仕入先の委託在庫の扱いの誤りも挙げています。客先支給材や仕入先の預け在庫がある工場では、ロケーションや在庫区分で明確に分けておく必要があります。
年1回の棚卸から循環棚卸へ:ABCと許容差の設計
循環棚卸(サイクルカウント)とは
Oracleの製品マニュアルは、循環棚卸を「在庫数量と金額の正確性を確保するため、年間を通じて個々の品目を定期的にカウントすること」と定義しています。年に1回すべてを一斉に数える代わりに、毎日少しずつ、品目を順番に数えていくやり方です。
カウントの頻度は、ERPではユーザーが設定するものです。Oracleは、ABCのクラスごとに「各品目を年に何回カウントするか」を入力して循環棚卸のクラスを定義します。SAPの旧版のヘルプ(R/3 4.6C)も、資材をA・B・C・Dなどのカテゴリに分け、カテゴリごとにカウントの間隔を設定できると説明しています。SAP S/4HANAの学習コンテンツは、循環棚卸を「選定した資材を会計年度内に複数回棚卸する手続き」とし、全在庫が少なくとも年1回は棚卸されることを前提としています。
ABC分析では、少数の品目に金額が集中することがよくあります。SAPの教材上の例示では、A資材9品目が消費額の56%を占めていました。消費金額の大きい品目を頻繁に数え、金額の小さい品目は回数を減らすことで、限られた工数を差異の影響が大きいところに集中させます。
モデル工場AのABC別循環棚卸の設計
モデル工場Aでは、2,000品目を次のように分け、年1回の一斉棚卸を置き換える計画を立てました。以下の品目数の割合(A 10%、B 20%、C 70%)、年間のカウント回数、許容差は、いずれも本記事のモデル工場の設定であり、業界標準ではありません。
| ランク | 品目数 | 年間カウント回数(モデル設定) | 年間カウント件数 | 許容差(モデル設定) |
|---|---|---|---|---|
| A(消費金額上位) | 200 | 12 | 2,400 | 数量差異0(完全一致)+金額許容外は承認 |
| B | 400 | 4 | 1,600 | ±2% |
| C | 1,400 | 1 | 1,400 | ±5% |
| 合計 | 2,000 | 5,400 |

工数は減らない。それでも置き換える理由
工数を計算してみます(本記事のモデル設定です)。
- 年間のカウント件数は 2,400+1,600+1,400=5,400件
- 稼働日240日で割ると、1日あたり22.5件
- 1件あたり4分とすると、1日90分(22.5件×4分)
- 年間では 5,400件×4分=21,600分=360人時
年1回の一斉棚卸は320人時でしたから、循環棚卸の方がむしろ40人時多くなります。循環棚卸の価値は、工数の削減ではありません。 これは正直に書いておきます。置き換える価値は次の3つです。
- ラインを止めなくてよい。 一斉棚卸のために2日間ラインを止める必要がなくなります。1日90分の作業を、出荷や生産の合間に分散できます。
- 差異が早く見つかる。 A品は年12回数えるので、差異が生まれてから見つかるまで最長でも1か月以内です。年1回の一斉棚卸では最長1年かかっていました。
- 原因を特定しやすい。 A品なら差異が見つかった時点で直近1か月程度の取引を遡ればよいので、どの受入・出庫・移動・バックフラッシュがずれたのかを突き止めやすくなります。前述の50品目のような原因別の分類を、毎月の定例作業にできます。
棚卸そのものの時間を短くする方法については、棚卸時間の短縮の記事で別に整理しています。循環棚卸と組み合わせて検討してください。
許容差と承認の設計
モデル工場Aでは、A品は数量差異0(完全一致)を許容差とし、さらに金額の許容を超える調整は承認を必須にしました。B品は±2%、C品は±5%です。判定は初回カウントで行い、許容外の差異には原因コードの入力を必須にします。こうしておけば、毎月「どの原因で何品目外れたか」が自動的に集計され、改善の優先順位が数字で見えるようになります。
90日後の目標
モデル工場Aでは、90日後の目標をA品のIRA 95%以上と設定しました。前述のとおり、Oliver Wightも95%以上を一つの水準として掲げています。ただし、これはモデル工場の目標設定であり、取り組めば必ず達成できると保証するものではありません。現在の水準や原因の内訳によって、到達できる時期は工場ごとに変わります。
在庫差異の対策チェックリスト12項目
現場でそのまま使えるよう、ここまでの対策を12項目にまとめます。
| No. | チェック項目 | 主に効く原因 |
|---|---|---|
| 1 | 在庫記録精度(IRA)の定義を決める(4要素・許容差・初回カウントで判定) | 全体 |
| 2 | 差異は純額でなく絶対値で集計し、品目別・原因別に記録する | 全体 |
| 3 | 入荷は受入時点でスキャンし、検収待ち・品質保留をロケーションで分ける | 記録漏れ |
| 4 | 出庫・工程投入は現品が動いた時点で記録する(後日転記をやめる) | 記録漏れ |
| 5 | 倉庫間・工程間の移動は出庫と入庫を1つの取引で記録する(片側計上をなくす) | 記録漏れ |
| 6 | BOMの構成数量と歩留まり(スクラップ率)を実績で見直す | バックフラッシュ |
| 7 | スクラップ・仕損・試作・サンプル払出を工程内で計上する | バックフラッシュ |
| 8 | 品目マスタの単位と換算係数を統一し、ラベルに単位を印字する | 単位換算 |
| 9 | ロケーションラベルを全棚に貼り、ロケーション単位で入出庫する | ロケーション |
| 10 | 顧客所有在庫・仕入先の委託在庫を区分して管理する | 在庫区分 |
| 11 | ABC別の循環棚卸と許容差を設定し、ブラインドカウントで数える | カウント誤り |
| 12 | 許容外の差異は承認と原因コードの入力を必須にし、月次で原因別に集計する | 全体 |
すべてを一度に始める必要はありません。1と2で現状を正しく測り、原因の内訳を見てから、上位の原因に効く項目から手を付けるのが近道です。
タイの工場で在庫差異を考えるときの固有の論点
税務:在庫の記帳には法令上の期限がある
タイ歳入局が公開している歳入法典の条文によると、第87条は、付加価値税(VAT)の登録事業者に売上税報告・仕入税報告の作成を求め、物品を販売する事業者にはさらに「商品及び原材料報告」の作成を求めています。そして記帳は、物品やサービスを取得または処分した日から3営業日以内に行うこととされています。第87条の3では、これらの報告書などを少なくとも5年間保存することが求められています。
ここでは「法令に在庫の記帳義務と期限がある」という事実の紹介に留めます。記帳の具体的な方法や様式は局長の定める基準によるとされており、自社の運用が要件を満たしているかどうかは、必ず会計事務所・税理士に個別に確認してください。ただ、紙伝票を数日まとめて転記する運用をしている工場では、記帳のタイミングが法令の期限と合っているかどうかを、一度確認してみる価値はあるでしょう。
なお、ERPベンダーのマイクロソフトは、Dynamics 365 Financeのタイ向け機能として、品目・倉庫ごとの在庫の動きと数量・原価をまとめたストックカード報告を「政府から要求があったときに作成しなければならない」ものとして提供しています。これはベンダーの文書であり、法令上の要件を示す一次情報ではありませんが、在庫の動きを品目別・倉庫別に説明できる状態にしておくための参考にはなります。
また、タイの会計基準には棚卸資産を扱うTAS 2(棚卸資産)があります。棚卸資産の評価や会計処理、年次の実地棚卸に関する監査上の扱いは、監査人や会計事務所に確認してください。
BOI:社内在庫・実在庫・BOI残高の三者が合わない
BOI(タイ投資委員会)の恩典で原材料の輸入税の免除を受けている工場では、社内システムの在庫と実在庫に加えて、BOI上の原材料残高という3つ目の数字があります。
BOIが2020年1月に公表した説明資料によると、BOIの原材料の管理(原材料のマスターリスト、MML)は、投資家クラブ協会(IC)が運営するオンラインシステムRMTSで行われています。同資料は、6か月ごとにRMTSからMMLをダウンロードして、BOI上の在庫と社内の実在庫を照合することを推奨しています。また、輸出した分のBOI在庫を消し込むには、輸出日から1年以内に輸出書類をBOIへ提出する必要があるとしています。
社内の在庫記録がずれていれば、BOI残高との照合もできません。逆に言えば、社内の在庫差異を減らすことは、BOI残高の管理を楽にする前提にもなります。ただし、この資料は2020年のものです。現行の運用や手続きは、BOIおよび投資家クラブ協会に必ず確認してください。
多言語の現場:タイ語の画面・ラベル・原因コード
記録の仕組みを変えても、現場のタイ人スタッフが使えなければ定着しません。ハンディ端末の画面、ロケーションラベル、原因コードの選択肢はタイ語で用意します。特に原因コードは、自由記述ではなく選択式にするのがポイントです。「記録漏れ」「スクラップ未計上」「ロケーション違い」「単位違い」「カウント誤り」のように選択肢を決めておけば、月次で原因別に集計でき、日本人管理者もタイ人リーダーも同じ数字で改善を議論できます。
生産回復で取引件数が増える前に
冒頭で触れたとおり、タイの鉱工業生産指数は2026年8月に前年同月比で上昇し、工業省は年間の生産見通しを引き上げています。生産量が増えれば、入出庫の取引件数も増えます。記録の仕組みの弱いところは、件数が増えたときに最初に崩れます。忙しくなってからでは手を付けにくいので、生産が本格的に戻る前に記録の流れを見直しておくことをお勧めします。
在庫差異の対策を進める90日の手順
モデル工場Aを例に、90日間の進め方を示します。期間の区切りや作業量は目安であり、工場の規模や現状によって調整してください。
| 期間 | やること | 成果物 |
|---|---|---|
| 0〜30日 | IRAの定義(4要素・許容差・初回判定)を決め、200品目の試行カウントを行い、外れた品目を原因別に分類する | IRAの現状値、原因別の品目数 |
| 31〜60日 | 原因の上位2つについて記録の流れを修正する(受入・出庫のスキャン、移動の1取引化、BOMの見直しなど)。ロケーションラベルを貼る | 修正した記録の手順、ラベル済みの棚 |
| 61〜90日 | ABC別の循環棚卸を本運用に移し、許容差・承認・原因コードを設定する。月次で原因別の差異をレビューする | 循環棚卸の年間計画、月次レビューの資料 |
0〜30日:測って、分類する
最初の30日でやるべきことは、改善策を打つことではなく、現状を正しく測ることです。前回の年次棚卸の調整額を、純額でなく絶対値で、品目別に集計し直すだけでも、どの品目群でずれが大きいかが見えてきます。そのうえで200品目程度を4要素で試行カウントし、外れた品目について直近の取引を遡って原因を分類します。
31〜60日:原因の上位2つから直す
原因の分類ができたら、件数の多い上位2つから記録の流れを直します。モデル工場Aなら、記録漏れ(16品目)とバックフラッシュ・BOM(12品目)、あるいはすぐに手を付けやすいロケーション違い(12品目)です。すべての原因を同時に直そうとすると、現場の負荷が大きくなり、どれも中途半端になりがちです。
61〜90日:循環棚卸を日常業務にする
最後の30日で、循環棚卸を試行から本運用に移します。1日の件数(モデル工場Aなら22.5件、約90分)を担当者の日常業務に組み込み、許容外の差異には承認と原因コードを必須にします。月に1回、原因別の差異を集計してレビューし、次に直す記録の流れを決めます。このサイクルが回り始めれば、差異は「年に1回まとめて見つかるもの」から「毎月見つけて直すもの」に変わります。
紙とExcelからシステムへの移行を伴う場合は、在庫管理システム導入の進め方も合わせて参照してください。
よくある質問(FAQ)
在庫差異が起きる主な原因は何ですか?
数え間違いよりも、記録の仕組みの欠陥が主な原因です。具体的には、受入・出庫・移動の記録漏れや記録の遅れ、バックフラッシュとBOM・スクラップの未計上、ロケーション違い、単位換算の誤り、カウント誤りの5つに分けられます。本記事のモデル工場Aでは、外れた50品目のうち46品目(92%)が記録の仕組みに起因し、カウント誤りは4品目(8%)でした(本記事のモデル設定です)。
棚卸差異はどこまで許容されますか?
業界で一律に決まった基準はありません。品目のランク別に社内で決めることになります。Oracleの製品マニュアルでは、数量差異の許容をシステム手持数に対する±%で定義し、金額ベースの許容を超える調整には承認を求める設定ができます。本記事のモデル工場Aでは、A品は完全一致、B品は±2%、C品は±5%としました。これはモデル設定であり、推奨値ではありません。
在庫精度(IRA)はどう計算しますか?
「完全に正確だった品目数 ÷ カウントした品目数」で計算します。AccountingToolsの説明では、数量・ロケーション・単位・品番の4要素がすべて一致して初めて「正確」とします。数量だけで判定すると精度を高く見誤ります。モデル工場Aでは、数量だけなら81%、4要素なら75%でした。
循環棚卸(サイクルカウント)とは何ですか?年1回の棚卸は不要になりますか?
循環棚卸は、年間を通じて品目を順番に少しずつ数えていく方法です。ABC分析で金額の大きい品目ほど頻繁に数えます。年1回の一斉棚卸を循環棚卸で置き換えられるかどうかは、会計監査や税務の要件に関わります。自社で一斉棚卸をやめてよいかは、必ず監査人・会計事務所・税理士に個別に確認してください。
在庫差異の対策にシステムは必要ですか?Excelでは無理ですか?
問題はツールそのものより、記録のタイミングと粒度です。現物が動いた瞬間に、ロケーション単位・正しい単位で記録できるなら、仕組みとしては成り立ちます。ただ、紙伝票からExcelへの後日転記ではタイミングがずれ、ロケーションや原因コードまで記録するのは難しくなりがちです。なお、在庫管理ソフト会社inFlowの米国調査(2026年)では84.8%がスプレッドシートで在庫を管理していると回答しており、表計算ソフトでの管理自体は珍しくありません。
BOIの原材料残高と社内在庫が合わないときは?
まず社内システム在庫と実在庫の差異を減らすことが前提です。そのうえで、BOI上の残高と定期的に照合します。BOIの2020年の説明資料は、6か月ごとにRMTSからMMLをダウンロードして照合することや、輸出日から1年以内に輸出書類を提出してBOI在庫を消し込むことを記載しています。現行の手続きはBOIおよび投資家クラブ協会に必ず確認してください。
まとめ
在庫差異は、棚卸の日の数え間違いで生まれるのではなく、日々の記録の仕組みの欠陥から構造的に生まれます。だから、年1回の一斉棚卸で実数に合わせ直すだけでは、毎年同じ差異が出続けます。
本記事のモデル工場Aでは、数量だけで測った精度81%が、4要素で測ると75%に下がりました。外れた50品目のうち92%は記録の仕組みに起因し、カウント誤りは8%にすぎませんでした。そして、年1回の一斉棚卸(320人時)をABC別の循環棚卸(年5,400件、360人時)に置き換えても工数は減りませんが、ラインを止めずに、A品の差異を最長1か月以内に見つけ、原因を特定して直しやすくなります。
まずは、前回の棚卸差異を純額でなく絶対値で、原因別に分け直すことから始めてください。差異の内訳が見えれば、どの記録の流れから直すべきかは自然に決まります。
TOMAS TECHでは、前回の棚卸差異の内訳を原因別に分け直す段階や、200品目の試行カウントの設計といった最初の一歩からご相談を承っています。帳簿と実在庫が合わない理由が分からずお困りの方は、お問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。
参考情報
- AccountingTools(Inventory accuracy formula): https://www.accountingtools.com/articles/inventory-accuracy-formula
- AccountingTools(Types of inventory errors): https://www.accountingtools.com/articles/types-of-inventory-errors
- AccountingTools(How do I reconcile inventory): https://www.accountingtools.com/articles/how-do-i-reconcile-inventory.html
- Oracle Inventory User’s Guide Release 12.1(Cycle Counting): https://docs.oracle.com/cd/E18727_01/doc.121/e13450/T291651T292438.htm
- Microsoft Learn(Dynamics 365 Supply Chain Management, Cycle counting): https://learn.microsoft.com/en-us/dynamics365/supply-chain/warehousing/cycle-counting
- Microsoft Learn(Dynamics 365 Business Central, Flush components according to operation output): https://learn.microsoft.com/en-us/dynamics365/business-central/production-how-to-flush-components-according-to-operation-output
- Microsoft Learn(Dynamics 365 Finance, Thailand stock card reports): https://learn.microsoft.com/en-us/dynamics365/finance/localizations/thailand/apac-tha-stock-card-reports
- SAP Learning(Applying Cycle Counting): https://learning.sap.com/courses/inventory-management-and-physical-inventory-in-sap-s-4hana/applying-cycle-counting-optional
- SAP Help(R/3 4.6C, Cycle Counting): https://help.sap.com/saphelp_46c/helpdata/en/4d/2b8e3d43ad11d189410000e829fbbd/content.htm
- Oliver Wight(6 Steps to 95% Inventory Record Accuracy): https://www.oliverwight-americas.com/whitepapers/laying-the-foundation-6-steps-to-95-inventory-record-accuracy-guaranteed
- Oliver Wight(Inventory Record Accuracy Course): https://www.oliverwight-americas.com/private-courses/inventory-record-accuracy-course/
- DeHoratius & Raman(Management Science, 2008): https://ideas.repec.org/a/inm/ormnsc/v54y2008i4p627-641.html
- タイ歳入局(歳入法典 第87条〜第90条): https://rd.go.th/5209.html
- タイ投資委員会(BOI)Well Management of BOI Incentives on Importing Machinery and Raw Materials(2020年): https://www.boi.go.th/upload/content/4.%20Well%20Management%20of%20BOI%20Incentives%20on%20Importing%20Machinery%20and%20Raw%20Materials_5e270c2b4f2b2.pdf
- RSM Thailand(タイ会計基準の改訂): https://rsm.global/thailand/node/117
- inFlow Inventory(State of Inventory Management 2026): https://www.inflowinventory.com/blog/state-of-inventory-management-2026/
- Trading Economics(Thailand Industrial Production): https://tradingeconomics.com/thailand/industrial-production/news/587981
- Orbitax(Thailand Extends Incentives): https://orbitax.com/news/country/article/Thailand-Extends-Incentives-to-62440
- Fiscal Requirements(Thailand’s e-invoicing remains voluntary): https://www.fiscal-requirements.com/news/5729-thailands-e-invoicing-remains-voluntary-key-20262027-updates-and-tax-incentives