Blog

2026.10.04

工業用リークテスト装置 選定:タイ工場の気密検査セル調達・受入ガイド

工業用リークテスト装置 選定:タイ工場の気密検査セル調達・受入ガイド

工業用リークテスト装置 選定で見落とされやすいのは、カタログ上の測定分解能よりも、対象ワークを実際の治具へ載せてから合否を記録するまでの工程です。密封部品の量産ラインでは、供給・位置決め・封止・加圧・安定・検出・排気・取出しの全体が性能を決めます。本稿はタイ工場で完成品または工程末端の気密検査セルを調達する担当者に向け、検査方式、RFP、FAT/SAT、運用データを一つの判断手順にまとめます。工場のアンモニア雰囲気監視や圧縮空気配管の漏れ探しとは、対象も機器も異なります。

先に結論:装置単体ではなく「ワークと検査セル」を選ぶ

調達の出発点は、漏れをどの用途で、どの条件で、どこまで許容するかを製品設計・品質部門が決めることです。「最小漏れ量を測れる機種」を先に探しても、良品の温度ばらつきや治具シールの漏れで誤判定すれば量産には使えません。必要なのは、測定器、マスター、空気回路、封止治具、搬送、排気、安全回路、PLC、検査履歴を含むセルの受入仕様です。

最初に次の七つを文書化します。①ワークの型番、材質、内部容積、開口、シール面、変形のしやすさ、②実使用時に守るべき密閉性と許容漏れの根拠、③検査媒体と圧力・温度の許容範囲、④必要なタクトと前後工程の制約、⑤良品・境界品・不良品の実サンプル、⑥合否と故障を区別する信号・トレーサビリティ、⑦FAT/SATで再現する条件です。許容漏れ値は本稿では一律に提示しません。用途、流体、圧力、寿命、顧客仕様、適用規格により変わるためです。

コスモ計器の検査方式と選定の目安も、テスト圧とワーク形状を軸に方法を組み合わせて選ぶ構成です。これは方式を考えるためのメーカー資料であり、特定機種の性能保証や自社ワークへの適合証明ではありません。候補方式は実ワークで検証します。

検査対象を定義する:密封品か、ポートを持つ部品か

「密封部品」には二種類あります。製造後にポートを閉じ、完成状態で外部から加圧できない製品と、検査時に開口へ接続できるケース・配管・ハウジングです。前者に内部加圧式を提案しても、実製品の状態を再現できない場合があります。コスモ計器の方式ガイドは、入口穴の無い時計や電子部品などを、密封チャンバーの圧力変化方式の対象例としています。一方、開口を持つ一般的なワークは内部加圧の差圧方式などを候補にできます。

RFPには「検査する完成状態」を写真と断面図で示します。製品のOリングや溶着部が工程途中では開いているなら、最終封止後の試験と工程内試験を混同しません。多室構造では、漏れて困る境界が外部への漏れなのか、内部の二室間の漏れなのかも明示します。二室間リークを外部チャンバーだけで検知できると推定せず、漏れ経路を図示してベンダーに回答させます。

さらに、前工程から届くワークの温度、洗浄液、油、粉塵、残留水分、搬送姿勢を記録します。室温の乾いたサンプルで成立した条件が、熱を持つ量産品にも成立するとは限りません。ワーク表面のバリや傷が治具パッキンを傷めるなら、装置の測定値より封止の再現性が先に問題になります。量産時の「誰が、何を、いつ交換したか」も条件に含めます。

エアリークテスター 比較:四つの方式を同じ条件で見る

方法を比較するときは、方式名だけでは足りません。ワークへのアクセス、必要な検出限界、判定までの時間、媒体、設備保全を同じ評価表へ並べます。

候補方式向く前提比較時の論点
直圧・圧力減衰内部にアクセスでき、圧力の変化を直接測る温度変化、容積変形、配管容積、十分な安定時間
差圧式 リークテストワークと漏れのないマスターを比較できるマスターの熱挙動、治具の対称性、マスタリングと校正
密封チャンバー方式完成密封品を外側から検査するチャンバーとの隙間容積、粗大漏れの見逃し対策、治具費
トレーサーガス方式空気の圧力法だけでは要求を満たせない場合などガス供給・回収、測定器、背景濃度、作業手順、安全管理

コスモ計器の方式ガイドは、圧力減衰が温度や変形などの圧力変化に影響を受け、差圧方式では内部容積を減らすコアが感度改善に関係し、密封チャンバー方式には粗大漏れ検出機構が要ると説明します。ここから「差圧は常に最良」とは言えません。ワーク形状、治具、テスト圧、温度の組合せで判断します。

ISO 20485:2017の公開スコープは、トレーサーガスとそのガスに特異的な漏れ検出器を用いる漏れ検出技術です。空気を使うすべての差圧・圧力減衰試験を同規格に適合したと記載してはいけません。顧客仕様にISO 20485が指定されているなら、トレーサーガス法が求められる範囲と契約上の要求を確認します。規格番号だけをRFPへ転記せず、適用対象を読みます。

工業用リークテスト装置 選定:タイ工場の気密検査セル調達・受入ガイド - figure 1

気密検査装置 導入で「粗大漏れ」を先に考える

微小リークの検出器は、必ずしも非常に大きい開口を同じ原理で正しく判定できません。例えば密封チャンバーでは、ワーク内部まで外圧が早く伝わると、圧力差による検出に盲点が生じ得ます。方式ガイドは密封品向けに粗大漏れを別に検出する機構を説明しています。RFPでは「小さな欠陥を検出できるか」とともに「蓋の欠落や大きなシール破れを検出できるか」を別試験にします。合否の境界を一つの数値で表せないなら、二段階判定を仕様化します。

差圧式 リークテストでマスターをどう扱うか

差圧式は、ワークとマスターの圧力差を測ります。「マスターは漏れない部品を置けば終わり」ではありません。コスモ計器の2026年3月の技術説明は、加圧による断熱圧縮で空気温度が上がり、その後の熱交換に伴う圧力変化が微小リーク判定へ影響すると説明します。マスターにワークと似た熱挙動を持たせて変化を相殺する考え方と、安定した専用チャンバーを使い再現性を重視する考え方を挙げています。

したがって見積書には、マスターの材質・容積・設置場所・温度条件、マスター自体のリーク確認、交換・保管、マスタリング条件を記載させます。良品ワークをそのままマスターにする場合、その良品が長期にわたり本当に漏れないか、ワークと同じ加圧・排気サイクルで熱履歴がどう変わるかを確認します。専用チャンバーを選ぶ場合は、ワークとの熱特性差をどう補正し、補正値の変更履歴を誰が管理するかを確認します。どちらも採用前に試験データが必要です。

また、テスター表示の単位だけを見て、測定システム全体の漏れ量だと思わないことが重要です。コスモ計器の校正説明は、リークマスターを用いるK(Ve)校正を説明しています。実際のワーク、配管、治具の等価内容積や圧力応答が変われば換算も変わります。治具交換、配管延長、製品改訂時の再検証条件を契約に入れます。

タクトを決めるのは検出時間だけではない

リークテストのサイクルは、搬入・クランプ・封止・チャージ・平衡・検出・排気・開放・搬出を足して評価します。ベンダーが「測定時間」として検出区間だけを示したら、総サイクルとは分けて受け取ります。コスモ計器の検査時間の設定は、加圧・安定時間がワーク、機械、治具の実条件によって変わり、まず十分な時間を取って安定データを得てから短縮する手順を示しています。資料中の一般的な秒数を自社ラインの保証値として転用しません。

検討の順序は、①漏れない良品と治具で基線を取る、②良品分布と既知欠陥の分布を見る、③加圧と安定の各区間を個別に短縮する、④温度・ロット・作業者・シフトを変えて再試験する、⑤余裕を含めてタクトを確定する、です。並列ステーションで要求タクトを満たす案と単一ステーションで高速化する案は、装置価格だけでなく保全性や型替えまで比較します。

コスモ計器の2026年7月の高速チャージ解説は、狭い供給口や内部通路が圧力立上りを遅らせる場合に予備加圧が有効になり得る一方、容積が大きいだけでは短縮を保証しないと説明します。断熱圧縮による温度変化が小リークの検出へ影響するため、実ワーク・治具の耐圧と平衡時間を確認します。高速チャージをRFPへ無条件の必須機能とするのではなく、対象ワークに対する試験項目にします。

工業用リークテスト装置 選定:タイ工場の気密検査セル調達・受入ガイド - figure 2

テスト圧と許容漏れ値は製品側から定める

「高い圧力をかければ高感度」という単純化は危険です。過大な圧力でシールが変形し、通常使用時と異なる漏れ経路を開くことがあります。反対に使用条件を代表しない低圧では欠陥を見逃す可能性があります。製品設計・品質・顧客と、何を再現する試験かを明確にし、耐圧試験と漏れ試験も区別します。媒体を空気から別のガスへ変更する場合、同じ数値の許容漏れ量がそのまま同じ意味になると見なさず、条件と単位、換算の前提を明記します。

治具・空気回路・環境が「装置性能」を決める

テスター本体の比較表にない失敗要因は、治具のシール位置、配管長、継手、バルブ、レギュレーター、空気品質、ワーク温度、振動です。漏れないワークでも、クランプ力が変わればシールの接触状態が変わります。治具に傷が付けばテスターは部品不良と治具不良を区別できないことがあります。入荷後の試験室で見えなかった問題がライン上で現れる理由です。

RFPでは、ベンダーへ治具図面、消耗品リスト、交換手順、位置決めの許容差、シール寿命の評価方法、治具漏れの自己診断、配管・空気回路図、排気とパージの設計を求めます。交換部品の供給先、タイ国内でのサービス窓口、校正時の代替運用も確認します。数量や寿命の断定はベンダーと現物評価なしに置かず、見積と受入時の確認項目にします。

良品基線のドリフトを監視する際は、ワーク不良とシステム変化を切り分けます。例えばマスターまたはブランク治具を使って日々の始業点検を行い、異常時には測定を停止する条件を決めます。レギュレーターの出力変動、供給エアの水分、温度、外気変化が検査に与える影響をFATとSATの両方で記録します。これらは一般的な設計上の推奨であり、特定製品の標準機能を意味しません。

リークテスト RFP:ベンダーへ渡す仕様の骨格

装置提案を比較可能にするには、「この値を満たせるか」だけでなく、値の根拠と試験条件を同じ書式で回答させます。以下は調達書の骨格です。

項目RFPへ書く内容提案者に求める証拠
ワーク定義図面、型番、製品状態、材質、開口、シール部、許容差代表サンプルと治具構想の照合
品質要求許容漏れの出典、単位、条件、判定区分境界サンプルの測定結果と判定ルール
検査方式提案方式と代替方式を認める範囲方法選定理由、検出できない故障モード
タクトセル総サイクル、稼働条件、型替え区間別時間、量産模擬時の分布
治具・空気封止面、圧力、品質、配管、排気図面、漏れ点検、保全計画
データシリアル、型番、レシピ、測定値、判定、時刻サンプル出力、通信仕様、欠損時挙動
安全ガード、インターロック、残圧、停電復帰安全回路図、異常試験、リスク評価
受入・保守FAT/SAT、教育、校正、スペア、タイ現地支援試験手順書、責任分界、サービス条件

数字のある性能項目は必ず「どのサンプルで、何回、どの環境で、どの合否基準か」と組にします。検出限界、繰返し、誤判定、タクトを一つの最良サンプルだけで示す提案は比較できません。境界品が用意できないときは、リークマスターや既知欠陥を持つ試験片をどう使い、実ワークとの関係をどう説明するかを確認します。

ベンダー比較表では「空欄」を見逃さない

価格欄だけが埋まった提案と、治具・方法・FATを含む提案は同列に比較できません。未回答はゼロコストではなく未確定リスクです。評価表には「回答済み/条件付き/未回答」を付け、条件付き回答の前提を明記します。装置本体、治具、マスター、バルブ、搬送・排出、PLC連携、データ保存、校正、教育、現地支援、スペアを総額へ含めます。将来の型番追加やレシピ追加に必要な作業費も確認します。

候補を絞ったら、同じサンプル一式を各社に渡し、同じ条件で試験させます。各社が自社に有利な圧力や安定時間を選んだ場合は、その差を説明させます。方式が異なっても最終的な品質要件とセル総サイクルを満たすかを比較し、同じ表示値だけを横並びにしません。

気密検査 FAT SAT:出荷前と現地で何を証明するか

FATはベンダー工場で構成、配線、動作、性能、データを確認する場です。SATはタイの実ラインに据え付けた後、実際の空気源、電源、搬送、温度、PLC・MES接続、作業者の運用を含めて確認します。FATで合格した数値をSATで再現できなければ、出荷前試験だけで量産開始を承認しません。

FATの試験表には、良品、境界品、既知不良、粗大漏れ、治具漏れ、ポート未接続、誤型番、圧力不足、停電・復帰、非常停止、通信断、データ保存失敗を入れます。各ケースに、操作手順、期待信号、表示、測定値の保存有無、排出先、復旧手順を付けます。良品だけで連続運転を示す試験では、NG排出経路や故障時の停止が検証できません。

SATでは、量産の温度幅とシフトを代表するサンプルを使います。別の工場にあるFAT設備とタイ工場の供給空気が違えば、調整が必要なことがあります。FATから変えたパラメーターは変更履歴へ記録し、品質担当者が再承認します。受入後の「合格」は、その時点の構成・ワーク・レシピ・治具・環境での結果だと管理します。

工業用リークテスト装置 選定:タイ工場の気密検査セル調達・受入ガイド - figure 3

合否境界と不確かさを扱う

測定値が仕様境界の近くにある場合、表示の桁数をそのまま確実性と見なせません。コスモ計器の測定の不確かさに関する2026年2月の記事は、測定結果と合否判断を考えるうえで校正に基づく不確かさを扱っています。RFPと受入書では、校正証明、基準リーク、繰返しと日間変動、境界付近の判定ルールを品質部門が定めます。安全や顧客要求に応じたガードバンドが必要なら、その幅と扱いを契約前に決めます。本稿は一律の統計的合格閾値を推奨しません。

データとトレーサビリティ:検査を後から説明できるか

リークテスト結果が単なるOK/NG信号だけなら、後から疑義が出た際にどの製品、どのレシピ、どの治具で測ったか追えません。少なくともシリアルまたはロット、品番、検査日時、設備ID、レシピ版、測定値、判定、圧力、主要タイマー、マスター点検状態、異常コードを保持する設計を検討します。保存項目と期間は顧客契約、品質システム、現地のデータ方針に合わせます。

「通信が切れても検査だけ進めるか」は重要な仕様です。MESが不通ならセルが停止する、ローカルへ一時保管して再送する、手作業で隔離するなど、品質リスクに合わせて決めます。同じシリアルの再検査では元のNG履歴を消さず、再検査の理由と承認者を残します。製品が実際に次工程へ流れるタイミングとデータ確定のタイミングを揃えないと、現物と記録がずれます。

検査自動化全体の設備・データ接続を検討する場合は、検査装置の選定ガイドが視覚検査などを含む広い論点を扱います。本記事はその中でも、密封部品の気密性を工程末端で判定するセルへ絞っています。現地立上げ全体の準備には、タイ工場の検査自動化FAT/SATも参照できます。

見積・導入の進め方:意思決定を段階に分ける

第一段階は品質要求の確定です。製品設計者と顧客仕様の所有者が、どの漏れを不合格にするのかを定義します。単位と試験条件を書かない「完全気密」は、ベンダーが試験方法を設計できない表現です。要求がまだ曖昧なら、ベンダーへ量産機を一括発注せず、試験開発やサンプル評価を先行させる方が判断しやすくなります。

第二段階は方法選定と試作です。代表的な良品、不良品、境界品を確保し、ワーク温度とロット差を含めて評価します。方式候補と治具構想を比較し、総タクトを測ります。ここでは「条件をいじれば一度だけ合格できた」事例を性能確証にしません。再現可能なレシピと設計余裕が残るかを見ます。

第三段階は発注仕様の固定です。役割分担、図面、ソフトウェア、レシピ所有権、データ形式、受入手順、スペア、タイ現地サービス、変更管理を契約に入れます。測定器メーカー、治具メーカー、設備インテグレーターの境界を明記し、判定不能が起きた際の一次切分け先を決めます。

第四段階はFATとSATです。合格判定は、装置が起動したことでも、カタログ値が一致したことでもありません。仕様に定義したサンプル群と故障注入で、製品の判定、データ、排出、停止、復旧を確認した状態です。引渡し後は始業点検、定期校正、マスター管理、治具交換、レシピ変更承認を標準作業に落とします。

導入後の管理:レシピ、校正、治具を一組で変更する

受入試験で得た測定条件は、その日の結果を再現できる構成記録とセットで管理します。測定器のレシピ名だけを保存しても、治具のシール材や配管の長さが変われば同じ条件を再現できません。品番、治具図面版、マスターID、空気回路図版、テスター設定、PLCソフトウェア版、判定閾値、承認者を一つの変更記録へ結び付けます。現場の調整で安定時間を延ばした場合も、元のFAT/SAT証拠と何が違うかを記録します。

始業時の点検は、単に良品一個がOKになることだけでは不足します。既知のリークを持つ基準器または試験片でNG経路を確認し、治具漏れと供給圧異常を装置がどう表示するかも確認します。点検不合格時に「直前の合格品をどこまで遡って隔離するか」を決めておくと、品質問題の調査に移れます。点検周期や隔離範囲は製品リスクと顧客要求で決め、一般論の固定回数を当てはめません。

校正はセンサー単体だけで終わりません。測定器、基準リーク、マスター、空気回路、治具を含むシステムの応答を定期的に確かめます。マスター交換後にゼロ点だけ合わせれば量産条件が同じと判断せず、境界サンプルを使って判定が維持されるか確認します。治具交換時には、シール圧、封止位置、配管接続、クランプ動作と安全回路も点検します。部品交換・型替え・ソフトウェア更新のどこから再受入が必要になるかを、発注時点で合意しておきます。

装置のアラーム履歴を分析するときも、NG率の変化だけで直ちに製品不良と結論付けません。ワークの材料・加工ロット、作業シフト、温度、供給空気、治具使用回数、マスター点検結果と合わせて見ることで、製品の変化と検査セルの変化を区別しやすくなります。現場へ戻す情報は「どの条件で何が変わったか」を具体的に示し、閾値を緩めてNG率を下げることを最初の対応にしない運用が重要です。

初期相談で用意すると検討が速くなる資料

最初の打合せでは、製品の機密情報を無理にすべて開示する必要はありません。ただし、検査方式を判断するための情報が欠けていると、見積は条件付きになりやすくなります。まず外形と検査対象の境界が分かる図、開口と封止の位置、最終組立状態の写真、現行の合否判定方法、求めるタクト、前後工程の配置を用意します。型番が複数あるなら、何が共通で何が異なるかを表にします。特に検査時にポートが残る型番と完全密封になる型番は分けて扱います。

許容漏れが未定でも、使用中に保持する流体、圧力、温度、使用期間、漏れた場合の影響、顧客が指定した検査条件が分かれば、品質部門との論点整理を始められます。設計要求が決まる前にベンダーの測定可能最小値をそのまま製品規格に採用しないことが大切です。逆に、基準が明確でも境界サンプルが無ければ量産での判定余裕を検証できません。欠陥サンプルが手元に無い場合は、試験片をどう設計し実欠陥と照合するかを検討項目にします。

候補ベンダーへの質問には、「その方式が適する理由」だけでなく「どんな欠陥を見逃し得るか」を必ず入れます。例えば検査前に製品内部の圧力が外部と等しくなってしまう欠陥、治具との接触面に隠れる漏れ、工程で発生する温度変動、製品内部の連通しない空間などです。提案時点でこれらの限界を示せるかどうかは、装置単体のスペックより実務上の重要な比較材料になります。

よくある質問

工業用リークテスト装置 選定で最初に決める数値は何ですか?

製品に許される漏れの基準と、その基準が成立する試験条件です。圧力、媒体、温度、製品状態、単位をそろえます。装置の最小表示桁やメーカーの標準タクトを先に決めても、顧客が求める密閉性と結び付かなければ仕様になりません。

エアリークテスター 比較では差圧式が常に有利ですか?

いいえ。差圧式はマスターとの比較による利点がありますが、マスターとワークの熱挙動、封止、治具、製品の開口状態に左右されます。完成密封品には外側のチャンバー方式が候補になり、要求によってはトレーサーガス法を検討します。実ワークの良品・不良品で比較してください。

高速チャージを入れれば必ずタクトが短くなりますか?

なりません。狭い供給口や内部通路が充填を律速する場合には効果があり得ますが、容積が大きいだけでは十分な理由ではありません。温度の安定待ちが伸びれば総サイクルが変わらない場合もあります。予備加圧はワークと治具の耐圧を確認して試験します。

ISO 20485に従えば空気圧の気密検査は適合しますか?

ISO 20485:2017の公開スコープはトレーサーガス法です。空気による差圧式や圧力減衰式を、この番号だけで適合と呼ぶことはできません。契約が求める方式、版、適用範囲を品質部門と確認してください。

気密検査 FAT SATで実際に必要なサンプルは?

良品に加え、境界品、既知の小リーク、不完全封止などの粗大漏れ、治具漏れを模擬できるものが必要です。実欠陥品を用意できない項目では基準リークや試験片を使い、その結果が実製品の不良とどう対応するかを記録します。サンプル数量と合格基準は品質要求から決めます。

タイ工場では誰がセルの調整値を管理しますか?

品質部門が判定基準と変更承認を持ち、設備保全が治具・空気回路・校正の実行を担い、生産部門が始業点検と異常時の隔離を担う形が考えられます。実際の責任分担は工場の組織と顧客監査要求に合わせて書面化します。ベンダーだけがレシピを変更できる設計も、変更履歴と緊急時の対応を確認します。

まとめ

工業用リークテスト装置は、測定器の感度だけで選べません。製品の許容漏れと検査状態を定義し、内部加圧・差圧・密封チャンバー・トレーサーガスの候補を実ワークで比較します。マスターと温度、治具シール、チャージと平衡、粗大漏れ、データ連携、故障時の動きをRFPへ入れ、FATとSATで同じ合否基準を検証します。タイ工場で量産に使えるかを最後に決めるのは、机上のカタログ比較ではなく、現地条件で再現した検査セルの証拠です。

TOMAS TECHでは、密封部品の検査方式整理、RFP作成、装置・治具・データ連携の責任分界、タイ工場でのFAT/SAT計画をご一緒に検討できます。許容漏れや方式がまだ固まっていない段階でも、対象ワークと工程条件を添えてお問い合わせください。

参考情報