JC-STAR申請ガイド2026|取得費用・手順・証跡準備
日本向けにネットワークカメラ、ゲートウェイ、ルーター、センサー、スマート家電などを販売する企業にとって、JC-STAR申請は製品セキュリティを調達先や利用者へ示すための具体的な選択肢になりました。しかし実務では、「ETSI EN 303 645に沿って設計したから申請書もすぐ作れる」「チェックリストを埋めてから証跡を集めればよい」と考えると、記載の不整合や証跡不足で手戻りが起きやすくなります。本稿では、2026年8月26日時点のIPA一次情報に基づき、★1を中心に、申請番号の取得から書類提出、費用、相互承認、取得後の運用までを、製品ベンダーの実務手順として整理します。
2026年8月26日時点の重要なお知らせ:IPAは2026年7月31日、申請件数の急増により確認作業に通常より時間を要していると公表しています。IPAは標準処理期間や完了予定日を示していないため、社内の発売計画・入札計画では特定の日数を前提にしないでください。以下の工程・ゲートはTOMAS TECHが推奨する社内準備の考え方であり、IPAの審査期間を示すものではありません。
まず押さえる:JC-STAR取得は「申請書作成」ではなく製品証跡の整備プロジェクト
JC-STARは、IoT製品のセキュリティ要件への適合を可視化する日本のラベリング制度です。★1と★2は、ベンダーが制度所定の適合基準・評価手順に従って自己評価し、その結果を記載したチェックリストを基にIPAが適合ラベルを付与する自己適合宣言方式です。ここでいう「自己適合」は、根拠が不要という意味ではありません。申請内容を説明できる設計資料、設定仕様、試験結果、脆弱性対応手順、サポート方針などを結び付け、後から再現できる状態にする必要があります。
申請プロジェクトを成功させるポイントは、Excelを完成させることではなく、次の3つの整合性を作ることです。
- 製品の実装:初期認証、通信保護、アップデート、ログ、データ保護などが要求に沿っている。
- 公開情報と社内運用:脆弱性報告窓口、サポート期間、利用者向け説明と、実際の社内対応が一致している。
- 申請記載と証跡:チェックリストの回答から、設計書・画面・試験記録・手順書へたどれる。
この3層が一致していれば、申請時の質問にも、取得後の製品変更やサーベイランスにも対応しやすくなります。反対に、営業部門が先に表示文言を決め、開発部門が後から証跡を探す進め方では、発売時期に近づいてから重大な差分が見つかりがちです。
2026年のJC-STAR申請で変わったこと・確認すべきこと
2026年は、申請実務に関係する更新が複数あります。過去にダウンロードした様式や社内手順をそのまま使わず、申請直前にIPAサイトから最新版を再取得することが重要です。
| 日付 | IPAの公表・更新 | 申請実務への影響 |
|---|---|---|
| 2026年1月1日 | 英国PSTI法との相互承認を開始 | PSTI適合製品向けの専用申請ルートを検討できる |
| 2026年4月22日 | 申請番号の取得手順を変更 | 現行の「JC-STAR」申請番号取得申込フォームから番号を取得する |
| 2026年6月1日 | シンガポールCLSとの相互承認を開始 | JC-STAR ★1とCLS Level 1の対象製品で専用手続きを検討できる |
| 2026年6月19日 | 様式集を更新 | 保存済みの様式ではなく、その都度最新版をダウンロードする |
| 2026年6月29日 | ★1チェックリストを修正 | 「2025.05.05版(2026.06.29修正)」を使用する |
| 2026年7月16日 | 規程集を更新 | 申請前に現行規程・手引・業務取扱手順を確認する |
| 2026年7月31日 | 申請急増による確認作業の遅れを告知 | 発売日から逆算した固定的な取得日を約束しない |
ここで注意したいのは、「規程集が2026年7月16日に更新された」ことと、「申請者向けのすべての規程が同日に改定された」ことは同じではない点です。更新された文書と施行日を規程集で個別に確認し、自社に関係する変更だけを変更管理へ反映します。同様に、様式集の更新日だけで使用ファイルを推測せず、リンク先の版表示を確認してください。
JC-STAR申請から取得までの現行フロー
2026年4月22日以降、申請番号を取得する手順が変わっています。古い社内マニュアルに「メールで番号を依頼」と残っている場合は、現行のIPA案内に合わせて更新が必要です。★1の標準的な準備は次の順で組み立てると、書類と証跡のズレを抑えられます。
1. 対象製品と申請単位を確定する
最初に、製品名、型番、ハードウェア差分、ファームウェア差分、販売ブランド、製造者、申請者を整理します。「同じシリーズだから1申請」とは限りません。セキュリティ機能や通信経路、更新方式に差がある場合は、同一の評価根拠で説明できるかを確認します。OEM・ODM製品では、申請者が必要な設計情報と証跡を取得できるか、契約上の開示範囲も先に確認します。
2. 最新規程と適合基準を凍結する
プロジェクト開始日ではなく、申請に使用する版を決めて版管理表へ記録します。2026年8月26日時点で★1申請を準備する場合、少なくとも現行の申請ページ、規程集、★1適合基準・評価手順、評価ガイド、申請書一式、修正版チェックリストを確認します。IPAは様式が変更される場合があるため、その都度最新版をダウンロードするよう案内しています。
3. 申請番号を取得する
2026年4月22日から、申請番号はIPAの「JC-STAR」申請番号取得申込フォームで取得する運用に変わりました。番号を受け取る前に、申請者の正式名称、法人番号、担当者、対象製品の表記を社内で確定し、後工程で名称揺れが起きないようにします。
4. ギャップ評価を行う
チェックリストへいきなり「適合」と入力するのではなく、要求ごとに「実装済み」「文書化不足」「試験不足」「非該当候補」「要設計変更」に分けます。非該当とする場合も、製品の機能・利用環境に照らして説明できる根拠が必要です。ETSI EN 303 645への対応表があれば再利用できますが、後述のとおり、ETSI準拠だけでJC-STARの手続が完了するわけではありません。
5. 適合評価と証跡整備を完了する
開発、品質保証、PSIRTまたは情報セキュリティ、法務、商品企画が参加し、回答と証跡をレビューします。★1では自己適合評価が可能ですが、IPAの案内ではJC-STAR評価機関またはJC-STAR検証事業者に適合評価を依頼する選択肢も示されています。社内に評価経験がない、OEM先からの情報が限定される、複数型番をまとめる、といった場合は外部レビューの利用を検討できます。
6. 申請書類を提出し、受理後に手数料を支払う
IPAの申請・届出手続ページが示す主な必要書類は、申請確認書、JC-STAR適合ラベル申請書、★1または★2の場合のチェックリスト、代理申請の場合の委任状、法人番号を利用しない場合の法人格を証する文書です。提出内容に不備があると受付できず、書類が返却される場合があります。申請手数料は申請受理後に支払います。
7. 照会対応、ラベル交付、公開情報確認へ進む
IPAからの確認には、誰が、どの証跡に基づいて回答するかを一本化します。適合ラベル交付後は、公開された製品情報、登録番号、対象型番、サポート情報を照合し、営業資料やWeb表示を承認フローに乗せます。

提出前に揃える書類と「説明できる証跡」
書類名を集めるだけでは十分ではありません。申請書の各項目とチェックリストの各回答を、証跡台帳でひも付けると、照会対応と更新管理が速くなります。
| 区分 | 代表的な資料 | 実務上の確認点 |
|---|---|---|
| 申請主体 | 法人情報、法人番号、委任状、契約関係 | 製造者・販売者・申請者の役割が説明できるか |
| 製品同定 | 製品名、型番表、ハードウェア/ソフトウェア構成 | 申請対象と証跡対象が一致しているか |
| 認証・アクセス | 初期設定、認証仕様、権限設計、ロックアウト試験 | 製品固有の認証情報や安全な初期化を説明できるか |
| 通信保護 | 通信経路図、プロトコル、暗号設定、証明書管理 | クラウド、アプリ、保守接続を含め漏れがないか |
| アップデート | 署名検証、配布経路、ロールバック方針、試験結果 | 完全性確認と失敗時の扱いが実装・手順で一致するか |
| 脆弱性対応 | 報告窓口、受付手順、優先度、修正・通知フロー | 公開窓口が実際に監視され、担当と期限管理があるか |
| 個人・機密データ | データフロー、保存場所、削除、ログ、権限制御 | 収集目的と保持期間、廃棄方法を説明できるか |
| 利用者向け情報 | 設置手順、セキュリティ設定、サポート期間 | 公開文言と社内計画に矛盾がないか |
| 評価記録 | チェックリスト、試験手順、結果、画面、レビュー記録 | 第三者が同じ判定経路を追えるか |
IPAの★1申請概要では、チェックリストは申請日前90日以内に作成したものに限ると案内されています。また、適合ラベルの有効期間中、記載内容を裏付ける関連文書、評価報告書、実機テスト結果などの証跡を保管する必要があります。したがって、過去製品のチェックリストを流用して日付だけ変える運用は避け、申請対象の現行構成で再評価してください。
証跡台帳に最低限入れる項目
推奨する証跡台帳には、要求ID、判定、判定理由、証跡ファイル名、版、保管場所、作成者、レビュー者、実機・ファームウェア版、試験日、公開情報URL、変更時の再評価要否を入れます。これはIPA指定様式ではなく、TOMAS TECHが申請管理を安定させるために推奨する社内管理方法です。
証跡は「存在する」だけでなく、「申請対象の製品版を示す」「回答を直接裏付ける」「レビュー履歴がある」の3条件で評価します。例えば、TLSを使っているという設計書だけでは、証明書検証の実装や異常系試験までは説明できません。設計仕様、設定値、テストケース、結果を一つの証跡チェーンとして提示できる状態が望まれます。

JC-STAR申請費用はいくらか:198,000円だけで予算化しない
2026年8月26日時点で、★1適合ラベル申請のIPA申請手数料は1申請あたり198,000円(税込)です。IPAの業務取扱手順では、一旦支払われた申請手数料は理由を問わず返金しないとされています。申請・届出手続ページは、この費用に評価機関や検証事業者などへ支払う評価費用は含まれないと明記しています。
| 費用項目 | 公式に確認できる内容 | 予算化の考え方 |
|---|---|---|
| IPA申請手数料 | ★1は198,000円(税込)/申請 | 申請単位と型番構成を確定して件数を算出 |
| 外部評価・検証 | IPA手数料には含まれない | 見積範囲、再試験、照会対応を個別確認 |
| 社内評価 | 公式料金ではない | 開発・QA・PSIRT・法務・翻訳の工数を計上 |
| 改修・再試験 | 製品のギャップにより変動 | 認証、更新、通信、文書公開の改修余力を確保 |
| 取得後の維持 | 変更・報告・延長等の運用が必要 | 製品変更監視と証跡保管の担当を置く |
「198,000円で取得できる」と社内説明すると、外部評価やファームウェア改修の費用が後から問題になります。予算は、申請手数料、評価、改修、プロジェクト管理、取得後運用の5つに分けてください。なお、相互承認ルートには通常申請と異なる条件や手数料があるため、対象性を確認したうえで現行のIPAページを参照します。
ETSI EN 303 645対応をJC-STAR申請へつなげる方法
ETSI EN 303 645は消費者向けIoT製品のサイバーセキュリティに関する欧州標準で、脆弱性報告、固有パスワード、ソフトウェア更新、機密パラメータ保護、安全な通信、攻撃対象面の最小化、個人データ保護などの基礎事項を扱います。IPAはJC-STARについて、ETSI EN 303 645やNISTIR 8425など国内外の基準との調和を図る制度と説明しています。
ただし、ETSI EN 303 645への適合評価やテストレポートを持つことと、JC-STAR適合ラベルを取得することは別の手続です。既存資料を有効活用するには、次のクロスウォークを作ります。
| クロスウォーク列 | 記載内容 |
|---|---|
| JC-STAR要求・評価項目 | 現行チェックリストの要求IDと判定条件 |
| ETSI EN 303 645参照 | 対応する条項・推奨事項・条件 |
| 製品実装 | 機能、設定、対象コンポーネント |
| 既存証跡 | 欧州向け試験、設計書、適合宣言の参照 |
| 追加確認 | JC-STAR固有の記載、公開情報、評価手順との差分 |
| 判定責任者 | 回答を承認する部門・担当者 |
この表は、規格番号同士を機械的に結ぶためではなく、「同じ製品版の同じ実装を証明しているか」を確認するために使います。欧州向け文書が英語だけでも社内証跡には利用できますが、IPAはJC-STAR申請を日本語で行うよう案内しています。日本語を理解する担当者を配置し、用語と型番を統一してください。
英国PSTI・シンガポールCLSとの相互承認を使えるか
2026年から国際展開製品の申請選択肢が増えました。相互承認は「海外制度に適合していれば自動的にJC-STARラベルを表示できる」という意味ではありません。それぞれ所定の申請、書類、確認が必要です。
英国PSTI法との相互承認
JC-STARと英国Product Security and Telecommunications Infrastructure Act(PSTI法)の相互承認は2026年1月1日に始まりました。IPAは、PSTI適合製品からJC-STARへ申請する専用の申請書とチェックリストを公開し、PSTIで求められる3つの要件についてJC-STARチェックリスト上の適合確認を免除する仕組みを案内しています。専用手続を使っても申請と承認は必要です。
逆方向に、JC-STAR取得製品について英国PSTI法への適合を証明する場合も、IPAへのPSTI法適合申請書の提出が必要です。どちらの方向でも、対象製品、製品版、申請主体、適合を示す文書の一致を確認してください。
シンガポールCLSとの相互承認
JC-STARとシンガポールCybersecurity Labelling Scheme(CLS)の相互承認は2026年6月1日に始まりました。対象はJC-STAR STAR-1とCLS Level 1を軸とする枠組みです。CLS適合製品からJC-STARへ申請する場合、IPAは専用申請書、書き方、チェックリストを公開しています。★1の申請手数料はCLS適合製品向けに140,000円(税込)と案内されており、通常の198,000円(税込)とは異なります。
JC-STAR認証製品からCLSラベルを希望する場合は、シンガポールのGoBusinessポータルで「Cybersecurity Labelling Scheme for IoT(MRA)」経由の申請が案内されています。IPAへの別途の支払いはないとされていますが、シンガポール側の現行条件、対象範囲、必要資料は申請時に確認してください。

相互承認ルートを選ぶ判断基準
| 判断項目 | 通常のJC-STAR申請 | 相互承認ルートを検討 |
|---|---|---|
| 既取得・適合 | 海外制度の適合を持たない | 同一製品版でPSTI適合またはCLSラベルを持つ |
| 市場計画 | 日本中心 | 日本と英国またはシンガポールへ同時展開 |
| 証跡 | JC-STAR向けに一から整理 | 海外制度の証跡を対応付けできる |
| 言語 | 日本語申請体制を用意 | 英文利用可の専用手続でも日本側責任者を明確化 |
| 注意点 | 現行の通常様式・費用 | 対象レベル、免除範囲、専用様式、費用を都度確認 |
相互承認の名称だけでルートを決めず、すでに取得した制度、製品版、販売開始国、文書言語、費用を比較します。異なるファームウェアを各国へ出している場合は、同一製品として証跡を使えるかを先に確認してください。
申請で起きやすい8つの手戻りと予防策
1. 古い申請番号取得手順を使う
2026年4月22日より前の社内資料を参照し、旧手順で動き始めるケースです。プロジェクト開始時にIPAの現行申請ページをブックマークし、社内手順書へ「申請直前に公式ページを再確認」と明記します。
2. 修正前のチェックリストを使う
現行の★1チェックリストは「2025.05.05版(2026.06.29修正)」です。ファイル名だけでなく、ワークブック内の版表示も確認し、証跡台帳にハッシュ値または保管版を記録すると取り違えを防げます。
3. ETSI EN 303 645の報告書をそのまま添付して終える
既存報告書は有力な証跡ですが、JC-STARの要求、評価方法、申請項目に対応付ける作業が必要です。空白の差分を明示し、追加試験または説明文書で埋めます。
4. OEM先の「対応済み」という回答だけで適合とする
部品表、ファームウェア版、設定仕様、試験結果まで確認できないと、申請者が照会へ答えられません。NDAや技術資料の提出条件を、申請開始前に契約・購買部門と調整します。
5. 公開するサポート期間と製品計画が一致しない
営業資料では長期サポートをうたい、開発計画では更新終了が早い、といった不一致は取得後のリスクになります。商品企画、開発、保守、法務が同じ日付・条件を承認する仕組みを作ります。
6. 申請中・取得予定の表示を早く出す
IPAは、申請が受理され、受理番号または仮登録番号が発行された場合を除き、「適合ラベル対応」「JC-STAR適合予定」「適合ラベル取得申請中」などの表記を認めていません。また、申請が必ず受理・交付されるとは限りません。製品ページ、展示会パネル、提案書の文言は法務・品質保証の承認対象にしてください。
7. IPAの確認期間を固定日数で見積もる
2026年7月31日の告知どおり、現在は通常より確認に時間がかかっています。公表されていない日数を営業計画へ入れず、「社内準備完了日」「申請提出日」「受理」「照会」「交付」を別々のマイルストーンとして管理します。
8. 取得後の変更管理を用意しない
型番追加、ファームウェア更新、クラウド構成変更、脆弱性対応窓口の変更などが起きたとき、届出や再評価の要否を判断する責任者が必要です。申請プロジェクト終了時に、証跡台帳と変更判定を製品維持チームへ引き継ぎます。
タイ・ASEANの製造企業が日本向けIoT製品で準備すべき体制
タイやベトナムの工場で製造し、日本法人や商社が販売する場合、技術情報が複数社・複数言語に分散します。日本の申請者だけがExcelを埋めるのではなく、次の役割を決めてください。
| 役割 | 主な責任 |
|---|---|
| 申請責任者 | IPA窓口、申請範囲、最終承認、日本語回答 |
| 製品オーナー | 対象型番、販売国、サポート期間、変更判断 |
| 開発/ODM | 実装説明、設計資料、ファームウェア、修正対応 |
| QA・評価 | テスト計画、実機結果、再現性、版管理 |
| PSIRT/セキュリティ | 脆弱性受付、トリアージ、通知、更新判断 |
| 法務・購買 | NDA、証跡開示権、表示文言、委任関係 |
| 営業・マーケティング | ラベル交付後の正確な表示、対象型番の確認 |
会議は「要求の読み合わせ」だけで終わらせず、未解決項目、担当、必要証跡、期限、製品リリースへの影響を記録します。翻訳では、secure update、support period、vulnerability disclosureなどの用語集を作り、日英・タイ・ベトナム語で同じ意味になるよう管理します。
申請開始前のGo/No-Goチェックリスト
以下はIPAの公式様式ではなく、申請前の社内ゲートとして推奨する確認項目です。
- 申請者、製造者、販売ブランド、対象型番、製品版が確定している。
- 2026年4月22日以降の現行手順で申請番号を取得した、または取得担当と日程が決まっている。
- 申請直前にIPAの規程集・様式集・★1ページから最新版を再取得した。
- ★1チェックリスト「2025.05.05版(2026.06.29修正)」を使用している。
- 申請日前90日以内の評価結果としてチェックリストを完成できる。
- 各回答に証跡オーナー、ファイル、版、試験対象がひも付いている。
- 製品固有の認証、更新の完全性、通信保護、データ保護を実機で確認した。
- 脆弱性報告窓口が公開され、受信から修正・通知まで運用できる。
- サポート期間と更新方針を商品企画・開発・保守・法務が承認した。
- OEM・ODMから必要な資料を継続取得できる契約または合意がある。
- ETSI EN 303 645等の既存評価はJC-STAR要求へ対応付け、差分を明示した。
- PSTIまたはCLS相互承認を使う場合、同一製品版・対象レベル・専用様式を確認した。
- IPA手数料198,000円(税込)に加え、外部評価、改修、再試験、維持費を予算化した。
- 「取得予定」等の外部表示を、IPAの条件を満たす前に公開しない承認フローがある。
- 取得後の製品変更・型番追加・公開情報変更を判定する責任者が決まっている。
JC-STAR取得に向けた現実的な社内プロジェクト設計
IPAの確認期間は予測せず、自社で管理できる準備を小さなゲートに分けます。以下は公式日程ではなく、社内管理の例です。
ゲートA:対象と責任の確定
製品構成、申請単位、申請者、技術情報の入手権限を確定します。この時点で情報が取れないODM項目を洗い出し、契約交渉と技術評価を並行させます。
ゲートB:要求差分の確定
現行チェックリストに対して、適合・不足・非該当候補をレビューします。重大な設計変更が必要なら、申請書作成を急がず製品リリース計画へ反映します。
ゲートC:証跡と運用の完成
テスト結果だけでなく、脆弱性対応、更新配布、サポート終了、公開情報の運用を確認します。紙の手順と実際の担当・ツールが一致するか、模擬インシデントで試すと効果的です。
ゲートD:独立レビューと提出承認
執筆担当以外が、申請書、チェックリスト、証跡、製品版を横断レビューします。日本語表現の正確さだけでなく、型番・日付・URL・責任主体の一致を確認します。提出後はIPA照会の受付窓口を一本化し、回答版を保管します。
この進め方なら、確認作業が通常より長い状況でも、自社側の未回答や版違いによる追加遅延を抑えられます。重要なのは取得日を約束することではなく、いつ問い合わせが来ても根拠を示せる状態を作ることです。
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FAQ:JC-STAR申請・取得でよくある質問
JC-STAR申請は日本国外のメーカーでもできますか?
海外メーカーの製品でも対象になり得ますが、IPAは申請を日本語で行い、日本語を理解する担当者を配置するよう案内しています。申請主体、代理申請の要否、法人を証する文書、製造者との証跡共有を事前に確認してください。
JC-STAR取得まで何日かかりますか?
IPAは2026年7月31日、申請急増により確認作業に通常より時間を要していると告知しています。本稿の基準日時点で標準日数は示されていません。特定の日数を前提にせず、社内準備、提出、受理、照会、交付を分けて管理してください。
JC-STAR ★1の申請費用はいくらですか?
通常の★1適合ラベル申請は1件198,000円(税込)です。受理後に支払い、支払済み手数料は返金されません。評価機関・検証事業者への費用、製品改修、試験、翻訳、取得後運用は別途見積もります。CLS適合製品向けの相互承認申請では★1が140,000円(税込)と案内されています。
ETSI EN 303 645に適合していればJC-STARを取得できますか?
自動取得にはなりません。ETSI EN 303 645の評価資料は関連する実装の証跡として活用できますが、JC-STARの現行要求・評価手順・チェックリストへ対応付け、所定の申請を行う必要があります。
どのチェックリストを使えばよいですか?
2026年8月26日時点の★1申請ページでは「2025.05.05版(2026.06.29修正)」が掲載されています。保存済みファイルに頼らず、申請直前に公式ページから再ダウンロードしてください。
申請中とWebサイトに表示できますか?
自由には表示できません。IPAは、申請が受理され受理番号または仮登録番号が発行された場合を除き、「適合ラベル対応」「JC-STAR適合予定」「適合ラベル取得申請中」などの表記を認めていません。表示前に最新の公式条件を確認してください。
PSTIやCLSの相互承認があれば通常申請は不要ですか?
不要になるわけではありません。対象製品・レベルに応じた専用書類と申請が必要です。免除または軽減される範囲、費用、提出先を現行ページで確認してください。
申請前に外部評価を依頼すべきですか?
必須かどうかは申請レベルと自社体制によります。★1は自己適合評価方式ですが、社内に経験がない、OEM証跡が複雑、複数型番をまとめる、既存のETSI資料との対応に不安がある場合は、JC-STAR評価機関または検証事業者への相談を検討できます。
まとめ:JC-STAR取得は最新版管理と証跡の一貫性で決まる
2026年のJC-STAR申請では、4月22日の申請番号取得手順変更、6月19日の様式集更新、6月29日修正の★1チェックリスト、7月16日更新の規程集を踏まえ、申請直前に公式情報を再確認する必要があります。通常の★1申請手数料は198,000円(税込)ですが、評価・改修・運用費は別です。ETSI EN 303 645の既存成果やPSTI・CLS相互承認は効率化に使える一方、JC-STARの所定手続と製品版の一致確認を省略するものではありません。現在はIPAの確認に通常より時間がかかるため、取得日を推測するより、申請書、チェックリスト、実装、公開情報、証跡を同じ版でそろえることが最も確実な準備です。
日本向けIoT製品の申請範囲整理、ETSI EN 303 645とのギャップ確認、証跡台帳の構築、タイ・ASEAN拠点を含む申請体制づくりの検討段階でもご相談いただけます。TOMAS TECHへのお問い合わせから、製品構成と対象市場をお知らせください。
参考情報(2026年8月26日確認)
- IPA:★1と★2の新規申請手続き
- IPA:申請・届出手続き
- IPA:様式集
- IPA:規程集
- IPA:★1適合基準・評価手順
- IPA:英国PSTI法適合の相互承認申請
- IPA:シンガポールCLS適合の相互承認申請
- IPA:JC-STAR制度トップ
- ETSI:Consumer IoT Security/EN 303 645
※本稿は制度利用を検討する企業向けの実務情報であり、IPAによる審査結果や取得時期を保証するものではありません。申請時は必ずIPAの最新規程・様式・案内をご確認ください。