在庫＆製造工程管理システム導入事例
スモールステップ導入で現場の要望をきめ細やかに叶える

タイの日系SIベンダーのトーマステックが手掛ける在庫管理システム「PEGASUS」を活用して、“在庫管理 × 製造工程管理”を通気一貫で行えるシステムを導入した顧客事例を紹介する。
今回は、タイを含む東南アジア向けに発泡樹脂製品を製造、販売しているKaneka (Thailand) Co.,Ltd.（以下、カネカタイ）を取材した。

在庫管理だけでなく製造工程管理まで機能拡張
正確な情報をタイムリーに管理できるように

カネカタイは、自動車の部材や衝撃吸収材及び電子機器などの緩衝包装材として活用される発泡樹脂製品（ポリプロピレンビーズ）の製造販売を行っている。工場は2019年より操業しているが、材料・製造・品質管理などに必要な情報は、主にエクセルをベースに管理していた。それにより、以下のような課題が生じていたという。

＜システム導入前の課題＞
・マニュアル操作によるヒューマンエラー
紙の製造日報をエクセルに転記し、システムに反映する過程で、情報の入力ミスや紙データの紛失が起きていた。

・正確な在庫情報をタイムリーに把握できない
システムに情報反映されるまでに、製造後 2～3 日のタイムラグがあった。

“在庫管理 × 製造工程管理”を
ワンストップで実現できるシステムを構築

■ 製造工程管理
顧客からのオーダー情報をもとに、必要な材料のピッキングに必要な情報（種類や分量）を指示し、スケジュール作成を行う。
そのスケジュールに基づいてハンディターミナルを活用し、正確なピッキングを実現。材料・仕掛品・完成品のそれぞれの形態ごとに情報を管理できる。

■ ラベル発行システム
材料・仕掛品・完成品それぞれを管理するためのラベルをシステムで簡単に発行できる機能。発行したラベルを貼り付けた製品をハンディターミナルで管理する。

■ 品質検査結果データベース
品質検査工程で取得した各検査数値をデータベース化しシステムに連携。より速く、正確に、効率的なデータ活用を実現。

▲システムを活用したピッキングオーダーの様子

▲オーダー情報に従い、ハンディターミナルを使いながら材料をピッキング

▲ラベル発行システム画面イメージ

スモールステップでの現場にあわせたシステム導入

今回のシステム導入にあたり、トーマステックを選んだ理由を教えてもらった。

「スモールステップで希望にあわせてシステム開発とカスタマイズができる点が1番の決め手でした。システムを2回にわけて段階的にインストールしたので、現場での運用もスムーズでした。導入後のきめ細かなサポートにも助けられています」（カネカタイ横山MD）

「在庫情報をタイムリーに把握できるようになったことで、生産効率が格段に上がりました。材料在庫の入荷～製造～完成品出荷まで1つのシステムで管理できるうえ、品質検査の情報をデータベース化し、システムと連携できていることで、様々な側面での業務効率化につながっています。今後は管理精度をより良くし、無駄在庫撲滅や不良品処理の迅速化に努めたいです」
（カネカタイ濵松GM）

幅広い領域の技術開発を社内で完結
提案～導入後の細やかなサポートまでワンストップで提供

トーマステックのシステムインテグレータとしての強みは以下の通りだ。

✔幅広い領域の技術開発（プログラム、制御機器、設備など）を社内で網羅
　⇒各領域の専門スタッフが在籍しているため、幅広い角度の提案が可能。

✔ヒアリングからアフターサポートまで通気一貫対応
　
⇒提案～システム開発～導入～アフターサポートまでの全ての工程を通気一貫で実施。

✔かゆいに手が届く細やかな対応

⇒システム導入後の微修正や、追加カスタマイズをきめ細かに対応。お客様の要望をできるだけ具現化できるように、アフターサポートを惜しまない。

導入後の細かなサポートやきめ細かな対応が好評を呼び、顧客の信頼を得ているトーマステック。
システムは導入前後でイメージのギャップを持つユーザーも多く、課題になりがちだという。丁寧で柔軟なアフターサポートが同社のサービスポリシーの軸となっている。

【取材協力】
Kaneka (Thailand) Co.,Ltd.
2015年に設立。タイで発泡樹脂製品の製造、東南アジア向けに販売を行う。
近年では、ウィッグ用染色繊維・食品向け製品等の幅広い製品群をタイおよびASEAN諸国へと展開している。

▲カネカタイスタッフ一同とトーマステック野崎氏
（横山MD：左から5番目、濵松GM：左から4番目）

横山勝　Masaru Yokoyama
Managing Director
1992年株式会社カネカ入社
1999年 Kaneka Eperan Sdn.Bhd.のTechnical Advisorとしてマレーシアへ赴任
2004年 Kaneka Belgiumの工場長補佐及び研究Managerとしてベルギーへ赴任
2009年発泡製品の技術統括部へ帰任
2017年 Kaneka (Thailand) Co.,Ltd.設立にあわせてタイへ赴任、2021年MDに就任

濵松生一　Shoichi Hamamatsu
Administration General Manager

SCM General Manager

2015年株式会社カネカ入社

2017年鐘化（蘇州）緩衝材料有限公司へ管理部課長として中国へ赴任

2020年発泡製品の総括グループ企画・管理チームへ帰任

2021年 Kaneka (Thailand) Co.,Ltd.のAdministration・SCM Managerとしてタイへ赴任

2022年 Kaneka (Thailand) Co.,Ltd.のGMに就任

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